採光、風通し、プライベート空間……。コートハウスの間取りにすることで、家はもっと快適になる!

間取りの一部に中庭を設けるコートハウスの家は、「プライベートな空間を確保できる」「採光が取りやすい」「風通しが良い」と、大きく3つのメリットがあります。そこで、どんな間取りやデザインの中庭にすれば、コートハウスのよさを最大限に活かすことができるのかを、SUHACOの実例とともにご紹介します。

コートハウスの間取りにする、3つの大きなメリットとは

コートハウスの特徴といえば、家の中心や一角に、建物や壁で囲まれた中庭があること。この空間があることで、暮らしにどんなメリットがあり、そしてどんな活用方法があるのでしょうか。大きく3つのメリットをご紹介します。

<プライバシー空間を確保できる>


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中庭は建物もしくは高い壁に囲まれた外空間のこと。そのため、通りから丸見えになってしまう庭とは違い、通りから見られる心配はありません。よりプライベートな使い方ができ、さらに開口部を大胆に取ることができるので、外と中のつながりが生まれます。

ここにテーブルセットを置いて家族で食事を取ったり、ヨガマットを敷いて外ヨガやストレッチをしたり、寝そべってお昼寝や読書をしたり……。周囲の視線を気にすることなく、家の中と同じ感覚で過ごすことができます。それでいて、陽光や風をいつでも感じることができるのも魅力ですね。

コロナ禍でなかなか外出ができない今だからこそ、このような場所が家の中にあることは、家族にとってもメリットが多いと言えそうです。

<室内に光を効果的に取り入れる>


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コートハウスで中庭を設けることで、リビングルームなどに大開口が実現できます。こちらのお宅では、掃き出し窓の上部に、大きなハイサイドライトを設けて、上部からの光を室内に効果的に取り入れています。中庭に面していなければ、こんなに大胆な開口はなかなか難しいものです。

このような窓の設け方は、都市部の狭小住宅でも活用できるアイデア。限られた敷地に建つ家でしっかりと採光を確保するためには、このように中庭を上手に活用するのもおすすめです。


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洗面所やバスルーム、ベッドルームなど、家の中でもとくにプライベート感を重視する空間は、周囲からの視線も気になり、開口部を大きく取るのは難しいもの。しかし、プライバシーをしっかり確保した中庭に面した間取りにすれば、大きな窓を設けることができ、驚くほど明るい空間になるのです。さらにいつでも換気ができ、快適で清潔感をキープすることができます。

<家の中で風を循環させる>


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中庭を設けることで、室内に風を上手に取り込むことができます。たとえばこちらのお宅では、中庭の床材を工夫し、デッキの素材とメッシュ素材の両方を採用。一部の床がメッシュになっていることで、上下に風の流れが生まれます。さらにリビングルームには大開口を設けて開け放てば、今度は横の風の流れも。家の中を風が巡回するのです。

また、完全に建物や壁で囲まれた中庭であれば、防犯面でもリスクがぐっと下がります。夏場であれば、窓を開けたままにして過ごすこともでき、換気もしやすいでしょう。コロナ禍で換気は不可欠になっていますので、そう言った意味でもメリットがあります。

中庭のデメリットとして、湿気がこもりやすいと言ったことが挙げられますが、このように素材選びやデザインを採用することで、デメリットを解消することもできるのです。

コートハウスの間取りは、大きく分けて3種類!

コートハウスには、コの字型、ロの字型、L字型と、大きく分けて3つの間取りがあります。それぞれに特徴が異なり、また活用法にも違いが。自分たちの暮らしや、家を建てる土地の特徴などに合わせて選んでみましょう。

 

<コの字型>


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コの字型は、三方を建物に囲まれているデザインですが、残り一面を高い壁にすることで、ロの字型と同じようにプライベートな空間として中庭を使うことができます。それでいて、完全に建物で囲まれていない分、ロの字型よりも中庭に光が入りやすいというメリットもあるのです。

建物に囲まれている中庭であることで、どの部屋からもアクセスしやすく、家族が自然と集まってくるコミュニケーションの場になります。小さなお子さんがいるご家庭であれば、遊んでいる様子を家族みんなで見守ることも。

また、こちらのお宅でも床材をメッシュにしていることで、風通しも抜群。階下の空間へ光と風を届けます。

<ロの字型>


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ロの字型のコートハウスは、四方を建物で囲むデザインのため、比較的敷地に余裕がある場合に採用されます。他の間取りよりも、よりプライベート感が高く、使い方の幅も広がるはず。また、1階に中庭を設ける場合は、こちらのお宅のように大きなシンボルツリーを植えるのもいいでしょう。

シンボルツリーがあることで木陰ができ、その下で読書をしたり、昼寝をすることも。家の中のフリースペースという感覚で使うこともできるでしょう。

ただし、完全に四方が建物で囲まれている場合は、風通しが悪くなったり、湿気がこもりやすいなどのデメリットもあるので、その問題を解決できる工夫をする必要があります。

<L字型>

L字型の特徴は、何と言っても採光をしっかり確保できること、そして、もっとも開放感が感じられる間取りであることです。中庭を設ける方角によって、どの時間帯にリビングに光が入るのかを予測することもできます。この方角は、家族のライフスタイルによって、もしくは周囲の建物との関係によって決めるのもいいかもしれません。

この間取りの場合は、建物の一部をL字にへこませて中庭を設けるので、中庭のスペースには限りがあります。広い中庭を設けるのは難しいですが、都心部の狭小住宅などでは有効的なデザインと言えそうです。

L字型はほかの間取りに比べて、建築費用を抑えることができるのも大きな魅力。スペースが小さいとできることは限られるかもしれませんが、効果的に光や風通しを確保したい場合にはおすすめの間取りです。

知っておきたい、コートハウスのメリットとデメリット


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中庭を設ける間取りは、3つの大きなメリットのほかにも、コートハウスならではのよさがあります。そしてもちろん、デメリットや注意点もあるので、そのあたりを解消できる素材選びやデザインを採用するようにしましょう。

<コートハウスのメリット>

・外空間でありながら、プラベートな時間が楽しめる
・中庭に向かって開口を設けることで、室内が明るくなる
・気兼ねなく窓をオープンにできて、風通しが確保できる
・アウトドアリビングとして、さまざまな活用ができる
・防犯面でも安心感がある
・洗濯物を干すのも、近所の目が気にならない
・子どもやペットを安心して遊ばせることができる
・コロナ禍において、家にいながらに外遊びができる

<コートハウスのデメリット>

・建物の形が複雑になり、建築費用がかかってしまう
・中庭を設ける分、居住面積が狭くなってしまう
・窓がたくさんあることで、断熱性が下がってしまう
・中庭も掃除や手入れ、メンテナンスが必要になる
・外に向かっての開放感がないので、景色はあまり楽しめない

コートハウスの家には、デメリットもいくつかあるものの、それを上回るだけのメリットが感じられるようであれば、中庭を検討してみるのもいいでしょう。ただし、中庭は居住スペースを削って設けることになるので、後から後悔することのないように、プランニングの前にしっかりと使い方をイメージすることも大切です。

SUHACOでは、さまざまなコートハウスの家を設計・建築しています。ぜひ、実際の目でコートハウスを体感してみてください。

文/内田あり

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。