みなさんは、自分や家族が暮らす“家”には、一番に何を求めているでしょうか。デザイン性や家事動線のよさ、温熱環境が整っていること、または耐震性に優れた建物であることなど…。家に対する要望は家族によってさまざまであり、それは決してひとつではないはずです。
そんななかでも、 いかに健康的で快適に過ごすための空間づくりに重点を置いた、ウェルビーイング住宅がここ近年で注目されているのです。そこで今回は、ウェルビーイング住宅とはどんな住宅なのかを解説しながら、SUHACOが提案するウェルビーイング住宅をつくるための7つのヒントをご紹介します。
目次
- 1 ウェルビーイング住宅とは、どんな家?
- 2 ウェルビーイング住宅をつくる、7つのヒントとは
- 2.1 <家づくりのヒント その①> リラックスできたり、家で軽い運動ができる空間がある
- 2.2 <家づくりのヒント その②> 家族のコミュニケーションが取りやすいデザインに
- 2.3 <家づくりのヒント その③> 家族の成長とともに、臨機応変に間取りを変えられる
- 2.4 <家づくりのヒント その④> 自然を近くに感じられる間取りやデザインにする
- 2.5 <家づくりのヒント その⑤> 将来のことを考えて、バリアフリーを取り入れる
- 2.6 <家づくりのヒント その⑥> 注文住宅で“自分たちらしさ”を表現する
- 2.7 <家づくりのヒント その⑦> 耐震・耐久性にこだわり、温熱環境が整う設備を取り入れる
- 2.8 関連
ウェルビーイング住宅とは、どんな家?
ウェルビーイング住宅という言葉はご存知でしょうか。 「ウェルビーイング」とは、心身ともに満たされた状態のことを指します。「Well(良い)」+「Being(状態)」を組み合わせた言葉であり、そのルーツには、「健康的な」や「幸せな」という意味があるのです。つまり、 そこで暮らす家族みんなが心も体も健康で、幸福な状態になることを目指した住宅のことを、ウェルビーイング住宅と呼ぶのです。
この言葉を家づくりと融合させるという考え方は、 フィンランドを中心とした北欧など、「住まい」というものを大切にしている国で盛んに広がっています。この地域に住む人々は、寒さで外に出られず、家にいる時間が長いことから、 室内でいかに快適に過ごすかということに重点を置いているのです。
そして日本においても、コロナ禍を経てリモートワークが普及したことや、フリーランスとして働く選択肢も多く選ばれるようになって、 「家の中で健康的に、そして快適に過ごせるか」ということを重視する方が増えています。それこそが、ウェルビーイング住宅の考え方なのです。
ところで、ウェルビーイング住宅の家づくりで大切なのが、まずは、 自分と家族の幸せに対する価値観とは何かをしっかり考えるということです。さらにそのうえで、そこに地域の特徴を考慮することも重要になります。たとえば、 家を建てる地域の気候や災害が発生するリスク、住環境の治安や交通の便など、その土地の特徴や環境に対して、どのような工夫をすればいいのかまで、しっかり考えることも大切なのです。
ウェルビーイング住宅をつくる、7つのヒントとは
ウェルビーイング住宅を目指すには、どんな家づくりの方法があるのでしょうか。そのヒントをご紹介します。
<家づくりのヒント その①>
リラックスできたり、家で軽い運動ができる空間がある
家の中に、リラックスできたり、軽く運動ができる空間があることで、家での過ごし方が充実します。また、 いつでも気軽に運動できる環境にすることで、健康的な暮らしも実現するのです。
たとえばこちらのお宅では、二階に上がった先にあるフリースペースにハンモックを設置していますね。ちょっと昼寝をしたいときや、何も考えずにリラックスしたいとき、一人になって考えごとをしたいときなどに重宝します。
さらに、このようなフリースペースを設けることで、お子さんが遊び回れる空間にも。吹き抜けなので階下まで声が届き、お互いが違う階にいても、お子さんたちの様子をいつでも感じることができるのです。
フリースペースのような空間を確保するのが難しい場合は、リビングの一角などにハンモックを置くのでもいいですね。小さいながらも、ちょっとひと息つける空間があることで、心にゆとりが生まれます。
また、運動ができる設備を家の中につくるというアイデアも。たとえば、ボルダリングの壁をあらかじめ家に設置すれば、デザイン面でも個性が加わり、さらにお子さんの遊び場としても大活躍します。
ほかにも、廊下の天井などに「雲梯(うんてい)」のようなものを造作で設置すれば、お子さんが遊んだり、大人がぶら下がって運動することもできますね。このような設備を後から設置するとなると、なかなか大変な工事になるので、あらかじめプランニングしておくのがおすすめです。
<家づくりのヒント その②>
家族のコミュニケーションが取りやすいデザインに
家族同士がコミュニケーションを取りやすい間取りも、ウェルビーイング住宅には大切な要素です。家族が自然と集まってくるような、居心地のよいリビングやダイニングをつくるのも、アイデアのひとつですね。
たとえばこちらのお宅は、リビングの一番日当たりのよい場所に、ダウンフロアのデザインを取り入れています。ダウンフロアの縁はベンチになっているので、大きなソファが必要ありません。フロアにラグを敷いてゴロゴロしたり、好きな場所のベンチに座ったりと、家族が思い思いの時間を過ごすことができるのです。ソファと違って座る位置が決まっていないので、好きな場所に座って適度な距離を取りながらも、自然と家族が一緒の空間にいられるようなデザインになっています。
キッチンの作業台とテーブルが横並びに一体化したダイニングキッチンも、 夫婦や親子の会話が自然と増えるようなデザインと言えます。お子さんが成長してくると、塾や部活などで食事の時間が合わず、孤食になってしまうことも。しかし、このようなデザインにすることで、調理や片付けをしながらでも、テーブルに座る家族とコミュニケーションを取ることができるのです。
さらに、作業台とテーブルがひと続きになっていることで、お子さんが皿類などをサッと片付けしやすく、このような生活習慣を身につけることができるのもメリットと言えます。
<家づくりのヒント その③>
家族の成長とともに、臨機応変に間取りを変えられる
家族は、年月とともに変化していくものです。たとえば、最初は夫婦だけだったひとつの家族が、お子さんが増えていき、成長して独立したり、さらにご両親と同居をはじめたり…。 このような家族の変化にも対応できるような間取りであることは、その家で長く快適に住むためにも必要な要素になります。
たとえばこちらのお宅は、吹抜け上部に広々としたロフトスペースを設けて、現在はフリースペースとして活用していますね。リビング側がオープンになっているので、空間も明るく、風通しも確保できています。将来的に、お子さんが成長したら個室にリノベーションしたり、ご主人の書斎をつくるなど、活用方法もさまざまに広がるのです。
<家づくりのヒント その④>
自然を近くに感じられる間取りやデザインにする
家の中で快適に、そして心豊かに暮らすために、できるだけ自然が感じられる家づくりも注目されていますね。人工的なものだけに囲まれた室内よりも、 ちょっとでも自然のグリーンが目に入ることで、心がスッとして癒されるものです。
たとえば、家に中庭を設けて、そこに大きなシンボルツリーを植えるだけでも、いつでも自然が感じられる暮らしが実現します。木陰ができることで夏でも気持ちよく過ごせますし、リラックスチェアを置いて昼寝をしたり、休日には家族みんなで外ご飯を楽しんだりと、さまざまな使い方ができるのです。そして何より、植栽を建物の敷地内に植えることで、常に自然を楽しむことができます。植栽を落葉樹にすれば、四季折々の移ろいが感じられますし、常緑樹にすれば暮らしに爽やかなグリーンの色彩が加わります。
ただし、敷地に余裕がなければ、中庭は設けられません。そこで、屋外のグリーンが見えるような位置に開口部を設けるなどのアイデアで、自然を身近に感じられる暮らしに近づきます。
<家づくりのヒント その⑤>
将来のことを考えて、バリアフリーを取り入れる
バリアフリー住宅は、シニア世代になったら必要になるものと思われがちです。しかし、 小さなお子さんから高齢者、そして障害のある方など、幅広い世代が安心・安全に暮らすことができる家づくりのことでもあります。健康的で安全な家でもある、ウェルビーイング住宅のひとつの要素として、バリアフリーをあらかじめ取り入れてみるのもおすすめです。
こちらのお宅の広々とした玄関ホールは、上がり框のないフラットなデザインに。このようなつくりにしたことで、空間がより広く感じられますし、誰もが安全に使うことができるようになっています。このように、バリアフリー仕様であると同時に、家族にとって快適で使いやすいデザインにすることもできるのです。
<家づくりのヒント その⑥>
注文住宅で“自分たちらしさ”を表現する
その家に住む人の“自分たちらしさ”を間取りに取り入れることも、ウェルビーイング住宅の考え方である幸せな家づくりにつながります。注文住宅であれば、間取りの自由度が高く、「ここだけはこだわりたい」と空間やデザインを取り入れることができますね。
たとえばこちらのお宅では、1階のフロアの半分近くが土間スペースになっている、個性的なつくりに。ここで自転車やバイクなどのメンテナンスをしたり、植物のお手入れをしたりと、さまざまな使い方が考えられます。このようなフリースペースがあることで、家での過ごし方がより充実し、それが幸福へとつながるのです。
<家づくりのヒント その⑦>
耐震・耐久性にこだわり、温熱環境が整う設備を取り入れる
家族が健康で暮らすためには、家が安全で、快適であることが大前提です。そのためには、 地震や災害に強い家づくりはもちろん、温熱環境のよい家にすることが重要になります。建物の構造や断熱性能、温熱環境のための設備類などはさまざまな選択肢がありますので、その中から、自分たち家族に合ったものを選択してください。
たとえばSUHACOの家は、従来の木造住宅に比べて強度と耐久性、高い安全性に優れた「SE構法」で建てられています。また、温熱環境としては外断熱方式を採用し、建物をすっぽりと覆って、家の全外周面で熱の出入りを断つ工法を採用しているのです。また、「TES温水床暖房を標準装備にしたことで、足元から部屋全体をムラなく温めてくれるなど、快適な暮らしのための設備が備わっています。
SUHACOの「外断熱工法」「温水床暖房」についてははこちら。
ウェルビーイング住宅という言葉が注目されはじめたように、現代人が家に求める要素も多様化しています。それと同時に、 自分や家族にとってどんな家をつくることが、これからの人生をより豊かなものにしてくれるのかを、真剣に考える方も増えているのです。
まずは、このようなウェルビーイング住宅という考え方があることを知り、今一度、自分たちにとって家とはどんな役割を持つのかを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。ぜひ、これからの家づくりの参考にしてみてください。