快適な寝室や子ども部屋のために、失敗例から学ぶ6つのポイント

リビングルームの窓は、できるだけ開放的で陽光が差し込む環境が好まれます。しかし、プライベートな空間であり、睡眠や勉強のための寝室や子ども部屋の場合は、同じように窓を設けてしまうと、快適に過ごせなくなってしまうことも。そこで、理想的な窓の設け方や選び方を、いくつかの失敗例からご紹介しましょう。

 

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寝室の窓の失敗例から学ぶ、3つの解決策

 

家づくりをする際に、寝室を間取りのどこに配置するかは、快適な睡眠のためにも重要なポイント。また、窓の位置や大きさによっても、快適度はずいぶんと変わってきます。そこで、失敗例から3つの解決策をご紹介しましょう。

 

<失敗例その1>
ベッドのすぐそばに大きな窓がある

 

寝室の場合、一番重要になるのはベッドと窓の位置関係です。ベッドのすぐ近くに大きめの窓があると、冬は寒く、夏は暑いなど、外気の影響を受けやすくなってしまいます。

 

とくにNGなのが、ベッドの頭付近に大きな窓がある場合。冬場は窓からの冷気が届きやすく、布団から出ている頭部分から肩にかけて寒さを感じてしまいます。また、窓が結露しやすい時期には、寝具が濡れてしまったり、湿気でカビが生えやすい状況になってしまうことも。一方で夏場は、朝日が差し込む位置であれば、早朝から暑さを感じてしまいます。このように、ベッドのすぐ近くに窓があることで、快適な睡眠の妨げになってしまうこともあるのです。

 

〜解決策〜

寝室の窓は、ベッドからは少し離れた位置に設けるのが理想的。さらに、ベッドに横になったときに、朝日がちょうど目に入る場所に窓を設けるのも避ける方が無難です。

 

もし、ベッドの頭部分に窓を設ける場合は、天井近くのハイサイドライトがおすすめです。外気の影響をあまり受けずに、寝室内を適度に明るくしてくれます。また可能であれば、2つの面に窓を設けることで、寝室の風通しを確保することも。さらに結露対策では、ペアガラスの採用も効果的でしょう。

家づくりで間取りを考える際には、あらかじめベッドの位置を考えたうえで、窓の位置を設計してもらいましょう。注文住宅であれば、プランニングの段階で設計士さんに伝えられるとベストです。

 


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<失敗例その2>
隣接する家からの視線が気になる

 

寝室はおもに寝るのが目的であり、またクローゼットがあれば、身支度をする場所でもあります。プライベートな空間であるため、大きめの腰高窓や掃き出し窓があると、周囲からの視線が気になってしまうこともあります。とくに都心部の住宅密集地であれば、隣の建物との距離も近く、窓の位置がかぶってしまうこともよくあります。

 

〜解決策〜

寝室の場合は、陽光が適度に入りつつ、周囲からの視線をしっかり遮ることができる窓が理想的。天井に近い場所に設けるハイサイドライトであれば、効果的に光を確保しながら、外からの視線も気になりません。また、曇りガラスにするのもいいでしょう。視線が気になるからと終日カーテンで遮るよりは、このような窓を採用する方が、常に明るい室内を保つことができるのです。

 

また、先に周囲の建物が建っている場合は、隣接する建物の窓の位置を考えながら、窓を設けるのがいいですね。

 

細い窓がある個室
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<失敗例その3>
西日が入る位置に大きな窓がある

 

西側に面した部屋を寝室にした場合は、窓がある以上、夕方には強烈な西日が差し込みます。夏場は気温が上がりやすく、眠る時間になっても室内の温度がなかなか下がらないということになり兼ねません。そうなると、快適な快眠を得るのも難しくなってしまいますね。ただし、冬場は北側の部屋よりも暖かくなるという面もあります。

 

〜解決策〜

寝室の場合は、西側にはあまり大きな窓を設けないこと、設けるのであれば小さめの窓やハイサイドライトにするなどの工夫が必要です。もし可能であれば、明かり取りは別の方角に面した窓にするのもいいでしょう。難しい場合は、遮光できるカーテンやブラインドで西日をシャットアウトすることもできます。

 

また、間取りを考えるときに、西日が入る個室は寝室にするのを避けたり、夕方にあまり使用しない部屋を配置することもアイデアの一つです。

 

夜のベッドルーム
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子ども部屋の窓の失敗例から学ぶ、3つの解決策

 

子ども部屋の場合は、勉強机や本棚、ベッド、収納などを置く関係からも、窓の位置や大きさをしっかり考える必要があります。さらに、安全面や防犯面でも注意したいところ。そこで、3つの失敗例から解決策をご紹介しましょう。

 

 

<失敗例その1>
窓が大きすぎて、家具が配置しにくい

 

子ども部屋は家の中でも比較的小さめの空間です。一般的には4.5畳から6畳ほどと言われています。そのため、壁の面積も小さくなってしまうので、ここに大きな窓を設けてしまうと、壁の面積がさらに小さくなってしまいます。

 

壁の面積が小さいと、家具を置きにくいというデメリットがあります。とくに、背の高い本棚や収納棚などは壁が必要になるので、窓が大きかったり、窓の数が多いと、それらの家具が置きにくくなります。また掃き出し窓があると、そこに勉強机やベッドを置くのも難しくなってしまいます。

 

 

〜解決策〜

空間が限られた子ども部屋であれば、大きな窓よりも、小さめの窓を複数設けることで、陽光を適度に取り入れながらも、壁部分も確保することができます。天井に近い部分に設けるハイサイドライトであれば、勉強机や本棚の位置も、比較的設置しやすいでしょう。また、換気をすることを考えて、2面に窓があるのが理想です。

 

勉強机と窓の位置は、お子さんの好みが関係してきます。窓に近い方が明るくていい場合や、壁に面していた方が集中しやすいなどありますので、ある程度は自由に模様替えがしやすい環境がいいでしょう。

 

小さな窓のある子ども部屋
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<失敗例その2>
窓の種類によっては、防犯面や安全面で不安がある

 

子ども部屋に大きな窓があることは、場合によっては親御さんの不安につながることがあります。たとえば、お子さんが小さい頃は、腰高の窓や掃き出し窓があることで、落下などの危険もあります。また、年頃になれば、周囲からの視線も気になるところです。

 

また、子ども部屋に掃き出し窓とベランダは、一般的には必要がないと言われています。というのも、子ども部屋にベランダを設けても、その部屋を通って洗濯物や布団を干すといった生活動線は、将来的に難しくなるからです。お子さんが大きくなったときに、ある程度のプライバシーが守れるようにする必要があります。

 

〜解決策〜

子ども部屋に設ける窓は、安全面などを考慮して、少し高めの場所に設けるのがいいでしょう。さらに、近隣の建物からの視線が入らないような位置にする必要があります。どうしても窓がかぶってしまう場合は、曇りガラスにするのもいいですね。

また、とくに必要がないのであれば、ベランダと掃き出し窓はつけない方がいいでしょう。他の部屋と続いているベランダなどは、子どものプライバシーの面でも避けた方が無難です。

 

窓のある個室
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<失敗例その3>
部屋の広さと窓の大きさのバランスが悪い

 

4.5畳や5畳ほどの子ども部屋の場合、壁ばかりに囲まれていると、どうしても圧迫感が出てしまいます。かと言って、限られたスペースで大きめの窓を設けてしまうと、今度は少しバランスの悪い空間になってしまうことも。また窓が大きすぎると、日差しがたっぷり入るぶん、室内の温度が高くなってしまいます。

 

〜解決策〜

子ども部屋など個室の場合は、部屋の大きさと窓のバランスをよく考えましょう。なかなかイメージできない場合は、設計士さんと相談してみるのがいいですね。建物を横から見た「立面図」を見れば、窓の大きさや位置を確認することができます。

棚のある個室
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家を建てた後に、「ここは失敗だった」「こうしておけばよかった」と後悔しても、そう簡単に家を建て直すことはできません。そうであれば、ぜひ実際に家を建てた人の失敗例から、解決策を学んでみましょう。窓の大きさや位置を少し工夫するだけで、より快適に過ごすことができたり、安全面や防犯面に配慮した暮らしができるでしょう。

 

SUHACOのオープンハウスでは、寝室や子ども部屋も実際に見ていただけますので、ぜひ足を運んでみてください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。