開放感のあるシンプルな暮らし。吹き抜けリビングの5つの魅力とは

吹き抜けのリビングルームは、空間が縦方向に伸びることで開放感があり、さらに天井まで続くダイナミックな開口部を作ることができます。大きな窓からは、日中は気持ちのよい青空、そして日が暮れたら夕焼けや夜空が眺められるなど、移ろいゆく空を存分に楽しめます。これこそ、心豊かに過ごせるシンプルな暮らし。

しかし、吹き抜けを作ることで、冷暖房をしても空間全体がなかなか温まらないなど、いくつかの注意点も。そこで、リビングに吹き抜けを設けることのメリットやデメリットを知っておきましょう。

 

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リビングを吹き抜けにするメリットとは

 

家づくりをする際に、間取りの中に吹き抜け空間を作るかどうかは、プランニングの最初の段階で決めたいもの。とくに、リビングルームは吹き抜けによって空間の快適さは変わってきますし、家全体の部屋の広さにも関わってきます。まずは、吹き抜けリビングにすることのメリットをご紹介します。

 

 

<吹き抜けリビングのメリット その1>
縦に伸びる空間で、開放感が得られる

吹き抜けリビングの写真
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吹き抜けの魅力はなんと言っても、縦に空間が伸びることによる開放感です。吹き抜け部分は上階の床を設けずに、1階から天井まで空間が続くことで、天井による圧迫感がなく、実際の面積以上に広く感じられるでしょう。また、周囲の環境にもよりますが、吹き抜けにすることで必然的に窓が多くなり、視界が横方向にひらかれることも要因のひとつ。それによって、室内がより明るく感じられます。

 

 

<吹き抜けリビングのメリット その2>
狭小住宅でも、視覚的に広く感じられる

フロアライトの写真
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敷地が限られている狭小住宅では、部屋ごとに壁で区切ってしまうと、一部屋一部屋が狭くなり、どうしても圧迫感を感じてしまいます。また天井が低いことも、部屋の狭さを感じてしまう要因になります。

もし、狭小住宅であっても、リビング・ダイニングの開放感を得たいのであれば、縦に解放する吹き抜けを採用するのがおすすめです。リビングルームを横に広げることは無理でも、縦に延ばすことは可能になります。

ただし狭小住宅ですから、吹き抜けにする分、どうしても上階の敷地面積が減ってしまいます。リビング全体を吹き抜けにする方法もありますが、一部だけ吹き抜けにするだけでも同様の効果は得られます。

たとえばリビングルームの上部は吹き抜けにし、ダイニングやキッチンなどは吹き抜けにしないなどメリハリをつければ、全体的に立体感のある空間に。手元を照らしてくれる照明が必要なダイニングやキッチン上部は、あえて吹き抜けにしないというご家庭も多いでしょう。

 

 

<吹き抜けリビングのメリット その3>
天井までの大開口で、冬でも明るい室内になる

吹き抜けのあるリビング
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冬の時期は、日の出から日の入りまでの時間が短く、また太陽の位置が低いため、明るい室内を確保するのは難しいもの。そこで、リビングルームを吹き抜けにして、天井までの高い位置まで窓を設けることで、陽光が部屋の奥まで届き、冬でも明るいリビングルームが実現します。

都心部の住宅密集地などで、周囲に建物が密接に建っている場合でも、目線の高さには窓を設けず、天井に近い部分に開口部を作ることで、そこから陽光を確保することもできます。このデザインにすれば、上部からの採光を確保しながら、プライバシーもしっかり守ることができるのです。

 

 

<吹き抜けリビングのメリット その4>
空間のつながりで、家族のコミュニケーションが深まる

二階からリビングルームを見下ろした写真
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家の中に吹き抜けがあることで、一階と二階の空間につながりが生まれます。そのため、上下階で声を掛け合えばよく聞こえますし、頻繁に顔を見合わせることができる場合も。そのため、家族間のコミュニケーションがより深まることが期待できます。

お子さんが小さい頃は、吹き抜けがあることで、家族それぞれが家のどこにいるのかがわかりやすく、より安心できるでしょう。お子さんが成長すれば、個室で過ごす時間も多くなります。それでも、上下階のつながりがあることで、お互いの気配をいつでも感じられるのがメリットといえます。

 

 

<吹き抜けリビングのメリット その5>
空を眺めながら心豊かな暮らしができる

吹き抜けリビング
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吹き抜けがあることで、リビングルームのソファに寝転んだり、ゴロンと横になったときに、見える景色が変わります。高い位置にある窓からは、青空や夕焼けが眺められたり、夜になると星空が楽しめたりと、吹き抜けの家らしい楽しみ方があるでしょう。高い窓からは、まわりの建物に邪魔されず、空だけが眺められます。

家の中にいながら空が眺められるのは、実はとても贅沢なこと。そんな、心豊かな暮らしができるのも、吹き抜けのある家ならではなのです。

 

 

 

吹き抜けリビングにする際のデメリットとその対策

メリットがある一方で、デメリットや注意点があります。吹き抜けのリビングをプランニングする場合は、そのデメリットを知った上で、あらかじめ対策をしておくといいでしょう。

 

<デメリットと対策 その1>
家の強度面が弱くなってしまうことがある

 

家の中に大きな吹き抜けがあると、耐震性など家の強度面で少々心配になることがあるでしょう。その対策としては、家を作る際の工法選びにあります。

たとえばSUHACOは、木造SE構法で建てられている建物ですが、耐震性と可変性に優れています。木造SE構法の場合、強度や品質に優れた「集成材」を「SE金物」で接合し、柱と梁で建物を支えるラーメン構造になっています。また、ビルやマンションと同じように構造計算を行うことで、柱や間仕切り壁の少ない、吹き抜けのある大空間をつくることが可能なのです。

このように、吹き抜けなどの大空間が実現できる工法を選ぶことで、強度面でも安心して暮らせる家が実現できるのです。工法に関しては、設計士さんと相談するといいでしょう。

 

 

<デメリットと対策 その2>
大空間では、暖房や冷房が効きにくくなる

 

吹き抜けのある大きな空間は、天井が高いことで、暖房や冷房の効きが悪くなってしまうデメリットがあります。とくに温かい空気は上にいってしまうので、冬に暖房を使う際には、二階はとても温かくなりますが、一階部分はなかなか温まりにくいでしょう。逆に、夏は冷房の冷たい空気は下に流れますが、上部には温度の高い空気が溜まってしまいます。つまり、冷暖房を使っても、温かい空気と冷たい空気が二層になってしまうのです。また、大きな空間のため、しっかり効くまで時間がかかってしまい、光熱費が高くなってしまいます。

そこで対策としては、床にサーキュレーターを置いたり、天井にシーリングファンを取り付けるなどして、室内の空気を循環させる工夫が必要です。また、エアコンを選ぶ際に、実際に畳数よりも少し広めの部屋に対応できる機種を選んだり、床暖や足元を温める暖房器具と併用して使うなどをするのもおすすめです。

 

 

<デメリットと対策 その3>
梁やガラス窓など、高い場所の掃除がしにくい

 

吹き抜けのある家は、ガラス窓や柱、梁など、高い位置にあるものの掃除がしにくいというデメリットがあります。他の場所と同じように掃除をすることはできないので、少々工夫が必要です。たとえば、吹き抜け専用の長く延びるモップやワイパーなどの掃除器具を用意する、定期的に専門業者に依頼するなどが考えられます。

大切なのは、家づくりの段階で、吹き抜け空間の掃除がしやすいように工夫しておくことです。できるだけ自分たちで掃除ができるように、プランニングの段階で建築士の方や設計会社の方に相談してみましょう。

 

 

素材によって雰囲気が変わる!? 天井デザインの実例

吹き抜けにする際に、天井の素材選びやデザインは、その家全体の雰囲気に大きく関係します。そこで、SUHACOが手掛けた、吹き抜けデザインの実例をご紹介します。

 

<吹き抜け天井の実例その1>
天井はすべて木で仕上げて、温もりのある空間に

ダイニングキッチン
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吹き抜けの天井や柱をすべて木でまとめると、全体的に温もりのある空間に仕上がります。木材の質感や色を変えれば、それだけでもずいぶんと雰囲気が変わるはず。薄い色の木にすれば、よりシンプルな空間に。少しダーク目にすれば、落ち着いた雰囲気になるでしょう。好みに合わせて選ぶことができます。

 

 

<吹き抜け天井の実例 その2>
白い天井に、濃い目の化粧梁がアクセント

吹き抜けのリビングルーム
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白い壁に、ダークグレーの床や階段、キッチンなどを採用した、モダンでシンプルな空間。吹き抜けの天井には、濃い色の化粧梁をリズミカルに配しています。適度に梁を設けることで、天井にアクセントが加わり、空間が一気に引き締まります。

 

 

<吹き抜け天井の実例 その3>
真っ白な天井で、室内を明るく爽やかに

吹き抜けリビングの家
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梁や柱をできるだけ隠し、天井までシンプルにまとめた空間。大開口から陽光が差し込み、その光が白い天井や壁に反射して、室内がさらに明るく感じられる効果があります。

 

 

 

吹き抜けのある空間は、開放感が感じられたり、室内が明るくなるなど、メリットが多いでしょう。一方で、冷暖房が効きにくかったり、掃除がしにくいなどのデメリットも。ただし、対処の方法をあらかじめ知っておけば、吹き抜けのある家で、より快適な暮らしが実現します。

SUHACOでは、吹き抜けのある家づくりを提案しています。オープンハウスなどで、実際にご覧ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。