シンプルな空間に大開口窓のある家。実現するための5つのポイント

大きな窓からたっぷりの陽光が差し込むリビングルームは、健康的で豊かな暮らしができる条件のひとつ。可能であれば大開口窓を設けたいものですが、隣家との兼ね合いや周囲の環境、建物の構造などによっては、難しい場合もありはず。それでも、工夫次第では大きな窓を設けることも可能なのです。

そこで今回は、間取りや建物の構法、設備の選び方などを工夫することで、大開口窓のある家を実現できる5つのポイントを解説。さらに、SUHACOが提案する大開口窓のある家をご紹介します。

 

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<ポイント その①>
大開口窓にすることのメリットを知ろう

大開口のある家
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大きな窓を採用することの最大のメリットは、明るく開放感のあるリビングルームが実現することです。大開口窓は、一般的な掃き出し窓よりも面積が広く、陽光を室内にたっぷり取り込むことができます。また、複数の窓を組み合わせることでも、大開口は実現します。

横に広いワイドなタイプの窓だったり、スライドタイプで大きく解放できる窓を取り入れることで、部屋を広く見せることができます。また、ハイサイドライトや吹き抜けの2階部分まで続く大きな窓を採用すれば、空間が縦の伸びる開放感が得られるでしょう。

 

大開口の家
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大開口窓にすることで、デッキや中庭との一体感が得られるのも魅力のひとつ。大きな窓を開け放てば、外と室内が、まるで同じ空間のように感じられるでしょう。

さらに、デッキや中庭などをアウトドアリビングとして活用したいのであれば、室内との出入り口は大開口にするのがおすすめ。窓を解放しておき、外と中を行ったり来たりできれば、より空間を広く使うことができます。

窓には、ワイドな掃き出し窓やスライドで開け放てるタイプ、折りたたみタイプなどさまざまなので、好みのデザインや開き方のものを選ぶようにしましょう。

 

<ポイント その②>
大開口窓が実現できる構法を選ぶ

大開口の家
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大開口の窓は誰もが憧れるデザインですが、どんな家でも向いているとは言えません。大きな窓は、ある程度広さのある空間だからこそ、バランスよく見えるのです。

また、窓が大きくなってしまうと、どうしても壁や柱が少なくなり、耐震性が低い住宅になってしまう可能性があります。つまり、大空間が実現でき、さらに大開口窓を設けても耐震性を確保できる構造や構法を選ぶことが重要になるのです。

 

大開口の家
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そこで、木造でありながら、大空間と大開口が実現できるのがSE構法。SE構法の家は、強度や品質に優れた「集成材」を「SE金物」で接合し、柱と梁で建物を支えるラーメン構造を木造建築で実現しています。このラーメン構造は、ビルやマンションなどを建てるのと同じ重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造。しっかりと構造計算を行うことで高い耐震性を確保し、柱や壁の少ない、開放的な大空間が可能になります。

 

<ポイント その③>
周囲からの視線を遮る工夫をする

 

大開口窓を設けるということは、陽光がたっぷり入るというメリットもありますが、通りに面した家であれば、必然的に周囲から室内が見えやすくなってしまいます。そうなると、とても暮らしにくい家になってしまうでしょう。

二階リビングからの眺望
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たとえば、高台で目の前に同じ高さの建物がなく、周囲からの視線が気にならないような立地であれば問題ないでしょう。また、別荘地などで林や森に面していれば、それもあまり気にする必要はありません。

ただし住宅地の場合は、周囲の建物や歩行者との関係性を考えて間取りを考えることが大切です。それが自分たち家族にとっても、周囲の人たちにとっても、心地よく過ごすために必要になります。

 

大開口の家
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リビングを二階にして、テラスの壁を高くするなどのアイデアもあります。さらに間取りに中庭を設けて、リビングルームを中庭に面するようにすれば、周囲からの視線は気にならないでしょう。このように、間取りやデザインなどを工夫することで、どんな立地や環境でも、大開口は実現することができるのです。

もし、1階のリビングで庭に面する場合は、庭に植栽などで自然な目隠しをするのもアイデアのひとつです。

 

<ポイント その④>
窓の断熱性を高める工夫をする

日差しが差し込むハイサイドライト
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大きな窓があると、日差しはたっぷり入るものの、室内の熱が逃げやすいという面もあります。そこで、窓の断熱性を高める工夫をしましょう。

そこで、ペアガラスやトリプルガラスなど、複層ガラスを採用するのがおすすめです。ガラスとガラスの間に空間を作り、その間に乾燥空気、または熱伝導率の低いガスを注入することで、室内の熱が外へ逃げるのを防いでくれます。ガラスの間に空気層があることで、ダウンジャケットのような効果を発揮し、断熱効果が高くなるのです。

また、複層ガラスは、結露対策、防音対策、防犯性にも優れているのも特徴。大きな窓は面積が大きい分、周囲の音がよく聞こえてきたり、強い雨風が当たると大きな音が気になることもあるでしょう。また防犯面でも窓が少ない家よりは、リスクが高いかもしれません。そのような場合でも、複層ガラスを取り入れることは、このような不安材料も解消することができるのです。

 

 

<ポイント その⑤>
大開口窓の実例を参考にプランニングする

 

大開口窓と一言で言っても、その種類やデザインはさまざま。窓の組み合わせ方次第で、意外と印象も変わります。そこで、実際の家でどんな大開口窓を取り入れているのかを参考にしてみてください。

 

【実例その①】
スライド窓を開け放って、ダイナミックな大開口

アウトドアリビングの写真
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リビング・ダイニングをL字型で囲んだ大きなデッキのある、こちらのお宅。敷地も広く、周囲にあまり建物がないので、ダイナミックな大開口が実現しています。スライドタイプの窓を採用することで、大きく開けたときに窓枠などが何もなく、スッキリと見せることができます。

 

【実例その②】
テラスの壁を高くして、狭小住宅でも大開口を実現

テラスのある家
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限られた敷地、空間でも、二階リビングにするだけで窓を大きく取ることができます。二階であれば天井を高くすることもできるので、掃き出し窓にプラスしてハイサイドライトを取り入れるのもおすすめ。こちらのお宅のようにテラスの壁を高くすれば、周囲からの視線も気になりません。

 

【実例その③】
天井に近い部分にハイサイドライトを多用

吹き抜けリビングの写真
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大開口とは、掃き出し窓だけのことを言うのではありません。窓を組み合わせて、開口部を大きく取ることもできるのです。人の目線の高さに窓をたくさん取れない場合は、天井近くにハイサイドライトを取り入れるのも効果的。上からの陽光が室内に入り、想像以上に気持ちのよい空間になるでしょう。

 

【実例その④】
中庭に面して設ければ、プライバシーも安心

中庭の写真
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敷地にある程度の広さがあれば、建物の真ん中に中庭を設けて、そこに面して開口部を作ることもできます。中庭に面していれば、周囲からの視線を気にする必要もなく、ダイナミックな大開口が実現します。風が気持ちいい時期であれば、窓を開けたままで気兼ねなく暮らすこともできるはず。

 

【実例その⑤】
天井まで続く大開口窓で、抜群の開放感

吹き抜けリビングの写真
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リビングルームは大きな吹き抜けになっていて、家全体がひとつの空間のようなお宅。建物の一面が天井までの大開口になっていることで、家全体に陽光が届きます。木の温もりが感じられながらも、このような大空間・大開口の家が実現できるのは、SE構法ならではなのです。

 

【実例その⑥】
掃き出し窓を組み合わせてワイドに見せる

大開口のある家
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一般的な掃き出し窓を連続して並べて、壁一面を大開口にしているこちらのお宅。庭の向こう側に建つ隣家の窓が少ないことと、広い庭を挟んでいるので、これだけの大開口でも視線は気になりません。家の奥まで陽光が届き、明るいリビングルームになっています。

 

【実例その⑦】
一方向に開口部をまとめて、プライバシーを確保

大開口の家
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こちらのお宅は、周辺の建物との位置関係で、一面のみに開口部を集中。掃き出し窓と上部のハイサイドライトを組み合わせ、開口部からの陽光をたっぷり取り入れています。一方で、それ以外の面にはほとんど窓を設けず、プライバシーをしっかり確保しています。

 

大開口窓は、大きな空間で、周囲の建物からの視線が気にならない環境であれば、比較的自由に取り入れることができます。しかし、都心部の住宅地であったり、狭小住宅であっても、テラスの壁を高くしたり、窓の位置を工夫することで、たっぷりの陽光が取り込める大開口は可能になる場合も。シンプルで心豊かな暮らしを求めるのであれば、大開口窓のある家を検討してみてはいかがでしょうか。

SUHACOでは、大開口窓のある家づくりを提案しています。ぜひ、オープンハウスでご覧ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。