シンプルだから印象に残る、アイアン階段のある家。そのメリットと5つの実例

家を建てる際に、「どんな階段にすればいいかな」と、悩まれる方も多いはず。かつては、上下階を行き来するための実用的要素が強かった階段ですが、今では階段のデザインそのものが、室内の印象に大きく影響を与えます。それだけ、階段の存在は大きいと言えます。

木のシンプルな家を建てるのであれば、どんな階段が似合うのでしょうか。同じく木の素材を採用して、ナチュラルに仕上げるのもいいですが、より印象的に見せたいのであれば、アイアン素材を使った階段がおすすめです。アイアンを使った階段は、木の家との相性もいいでしょう。

そこで今回は、手すりや骨組みにアイアン素材を採用した階段のメリットや、さまざまな実例をご紹介します。

 

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アイアンを階段に採用するメリットとは

階段の素材には、かつては木材が多く使われていました。しかし現代の家づくりでは、個性的でデザイン性の高い階段が求められ、その素材にもさまざまなものが使われるようになりました。なかでも、シンプルで強度に優れたアイアンは、手すりやを骨組みに採用される素材として近年人気を集めています。そこで、アイアンの手すりとして採用することのメリットを知っておきましょう。

 

<メリット その①>
手すりがスッキリしたデザインになり、圧迫感がない

アイアンの階段
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アイアンは、ほかの材料に比べて強度に優れているため、線の細いデザインが実現できます。スケルトン階段で太めの手すりをつけてしまうと、その存在感が強く、またシンプルで洗練された印象から遠のいてしまいます。その点、細いアイアンの手すりであれば、空間の邪魔をせずスッキリ見せることができます。

また、安全面のことを考えれば、手すりは縦や横に何重にも設置するほうが安心です。そういった面でも、細いアイアンでデザインすることで、安全ながらもシンプルで素敵な階段にすることができるでしょう。

 

<メリット その②>
キリッとした直線で、空間にメリハリがつく

オリジナリティのあるキッチンカウンターのあるリビングルーム
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アイアンの手すりや踏み板を固定する骨組みは、直線的なラインや素材の特徴、はっきりとした色合いから、空間にキリッとした印象を与えます。白やナチュラルな木で構成された室内に、アイアンの素材をプラスすることで、メリハリのある空間に仕上げることができるのです。

例えばこちらのお宅のように、白と木材でシンプルにまとめられた空間に、黒いアイアンの手すりと骨組み、そして黒いサッシを組み合わせたことで、全体的に引き締まった印象に仕上がっています。

同じ素材ばかりを使うのではなく、異素材をうまくミックスさせることで、ピリッとスパイスの効いたおしゃれな空間にすることができます。

 

<メリット その③>
階段のデザインの個性を出すことができる

階段の写真
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階段のデザイン性をもっとも出すことができるのが、手すり部分。手すりはそもそも、階段を安全に上り下りするために設置するものですが、素材やフォルム、手すりの太さや細さを選ぶことで、室内の表情の決め手となります。

少し存在感のあるアイアンの手すりを選べば、無骨でかっこいい印象。逆に細いアイアンを選べば、繊細で洗練された印象に。どんな雰囲気の空間にしたいかによって、素材を選んでみるのもいいでしょう。また、アイアンであれば比較的加工がしやすく、ちょっとしたデザインを施すことも可能です。

 

 

家づくりの参考にしたい、アイアン製の階段&手すり

アイアン製の階段を検討しているのであれば、ぜひさまざまな実例をチェックしてみましょう。アイアンの階段と言っても、そのデザインによって表情も印象も大きく変わります。ぜひ、たくさんの実例を見て検討してみてください。

<実例①>
フローリングの色に合わせて着色してもOK

ペンダントライトの写真
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天井高のリビングルームは、まるで倉庫のような雰囲気。この家の上下階をダイナミックにつなぐスケルトン階段は、一直線ではなく、途中で踊り場を設けたデザインに。そのため、手すりが少し複雑な形になっていますが、細いアイアンを採用していることでスッキリ見えます。

また、リビングルームの天井が高く、階段が長い分、どうしても階段の存在感は大きくなってしまいますが、手すり部分を細くすることで、階段がシンプルに見えるように工夫されています。

さらに、アイアンの色もフローリングの色に合わせてグレーに着色。黒のアイアンよりも、少し柔らかな印象を与えます。

<実例②>
曲線美が楽しめる、アイアンの螺旋階段

アイアンの螺旋階段
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螺旋階段はそのデザイン性の高さから、モダンな家で多く採用されたり、コンパクトな空間に設置できることで、狭小住宅でもよく使われています。そのフォルムの特徴から、とにかく存在感は抜群ですが、気をつけなくてはいけないのが、空間に対するボリューム感です。空間の広さに対して、螺旋階段の存在感が大きなウエイトを占めてしまうと、もしかしたら違和感を覚えてしまうかもしれません。とくに、狭小住宅では注意が必要ですね。

そこで螺旋階段であれば、一般的にはアイアンやスチールを使用することが多いでしょう。それらの素材であれば、繊細な手すりにすることも可能で、空間の邪魔になりません。

さらに、手すりや踏み板が螺旋状になっているデザインの美しさは、螺旋階段を設置することの醍醐味と言えるでしょう。

 

<実例③>
フロアの真ん中には、細く繊細な手すりを

アイアンの手すり
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こちらのお宅では、リビングルームの真ん中に、階下から上がってくる階段のある間取り。そうなると、どうしても手すりが空間の邪魔をしてしまいます。そこで、できるだけ細いアイアン手すりを採用。室内を見渡したときにも、向こう側がダイレクトに見えるようなデザインになっています。

アイアンがシンプルに組み合わさった手すりは、実はちょっとした空間のアクセントにもなっています。広々としたワンフロアのリビングルームは、そのままでは少し間延びした印象に。このオブジェのような手すりがあることで、空間にメリハリが生まれます。また、ダイニングルームとリビングルームを自然な形で分けるという役割も果たしています。

 

<実例④>
より繊細に見せるために、ワイヤーというアイデアも

アイアンの階段
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階段の手すりに、より繊細なラインを求めるのであれば、アイアン素材と組み合わせて、ワイヤーを採用するアイデアもあります。手すりと並行して張られたワイヤーは、ピンと一直線で美しささえ感じられるはず。また、スケルトン階段に光が差し込むと、踏み板のリズミカルな影が楽しめ、暮らしがより素敵に演出されます。

手すりのデザインは、安全性を確保しながらも、シンプルでスッキリ見せられるものがおすすめ。とくに、お子さんやペットのいるご家庭であれば、家族が安心して暮らせるように配慮することが大切です。

 

<実例⑤>
空中廊下を素敵に見せる、アイアンの手すり

アイアンの手すり
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階段を上がると、リビングルームの上部に浮かぶ空中廊下があり、その先にはフリースペースとして活用できる空間が広がっています。廊下からフリースペースにかけて、ダイナミックに吹き抜け空間とつながっていることで、壁の代わりには手すりがついています。

アイアンの手すりを採用したことで、空間が壁によって遮らず、家全体がつながっているように感じられます。また、光と風が通り抜けるので、フリースペースや空中廊下部分も非常に明るくなっています。

 

 

階段のデザインや素材選びは、実はインテリアに大きな影響を与えます。シンプルな木の家、こだわりのシンプルな暮らしを求めているご家庭であれば、主張しすぎずにシンプルに見せてくれる、アイアン階段を検討してみてはいかがでしょうか。

SUHACOでは、さまざまなアイアンの手すりや骨組みを採用しています。ぜひ、プランニングの際に画像を参考にしてみたり、オープンハウスで実際にご覧になってください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。