断熱性能、気密性、適度な換気…。冬も快適に暮らすための家づくり、5つのポイント

新しい家で快適に暮らすためには、外観や間取り、デザインにこだわるだけではなく、断熱性や気密性にも注目して、高性能な家づくりをするべき。注文住宅での家づくりであれば、どこに依頼するかによって、どんな断熱方式を採用しているのかも変わってきます。まずは、家の性能に関する5つのポイントを抑えておき、設計事務所や住宅メーカー選びの参考にしてみましょう。きちんと知識をもつことで、冬でも暖かく、快適に暮らすことができる家が実現できるのです。

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<ポイント その①>
快適な家づくりには、「断熱」がキーワードに

吹き抜けリビング
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家づくりをするなかで、必ずキーワードとして出てくるのが「断熱性能」。快適さを求めるのであれば、断熱性能が高い家づくりが必要になります。この「断熱」とは、外気と住宅内との間での、熱の移動を遮断することを指しています。

熱は、温度が高いところから低いところへ移動する特性をもっています。夏であれば、温度の高い外気から住宅内へ。逆に冬であれば、暖房器具などで温められた住宅内の熱が外側に移動しようとするのです。

この熱の移動ができるだけないように、家を建てる段階で断熱材などを用いて、しっかりと遮断をします。これが、いわゆる建築における「断熱」です。この断熱性能の高さが、入居してからいかに快適に過ごせるかの、大切なポイントになるのです。

 

 

<ポイント その②>
高断熱に加えて、気密性の高さも重要に


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断熱性能とともによく耳にするのが、「気密性の高い家」ではないでしょうか。住宅における「気密」とは、建物のすき間をできるだけなくして、外と住居内の空気の出入りを少なくした状態のことを指します。そして、この気密性の高さも、快適に暮らすための条件の1つと言えます。

気密性の高い家づくりでは、精度の高い建築部材や防湿シート、断熱材、気密テープなどを使い、さらに施工時の段階では隙間を丁寧に埋める作業が必要になります。そのため、施工に時間がかかったり、コストが高くなったりするケースがあるのです。

気密性の高い家づくりは、とくに冬の寒さが厳しい地域ではとても重要になります。家の気密性が高くなればなるほど、外気の影響を受けにくく、室内の温度がより快適に保たれるのです。

 

 

 

<ポイント その③>
断熱性能の高い断熱方式を選ぶ

 

「断熱」とは、断熱材を建物の内部に入れることで、外気と住宅内の熱の出入りを遮断することを指します。この断熱材をどこに設置するのかによって、2つの断熱方式にわかれます。外断熱方式は、断熱材が建物全体をすっぽりと覆い、家の全外周面で熱の出入りを断つ方法です。一方で内断熱方式は、柱の間に断熱材を設置する方法になります。

外断熱は建物全体を断熱材で覆うため、熱の伝わり方が均一になりますが、内断熱の場合は柱の間に断熱材を入れるため、断熱できるのが部分的になってしまいます。そのため、熱の伝わり方にムラができてしまったり、柱と断熱材の間に隙間ができてしまいます。

イラスト

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SUHACOの家では、外断熱方式を採用しています。外断熱方式には、さまざまなメリットがありますが、そのひとつには、建物全体を断熱材で包み込んでいることで、気密性が高いということが挙げられます。

また、構造材として用いられる木材や基礎コンクリートなどの部材は、それぞれ熱伝導率が異なるので、素材ごとに温度差が生じてしまいます。実はこれが結露の原因になるのですが、異なる素材からなる構造体を魔法瓶のように包んで断熱することで、外断熱の場合は結露の発生を抑えることができるのです。

結露が発生しにくいということは、カビや錆などによる住宅そのものの劣化を抑えることにもつながります。断熱材が建物全体を覆っているので、構造体をしっかり守っているとも言えます。

ただし、外断熱方式と内断熱方式には、それぞれにメリットとデメリットもあります。それを知ったうえで、建てたい家に合わせて選ぶこともできます。

 

【外断熱方式のメリット】

・気密性の高い家にすることができる

・暖房費を抑え、省エネの家にすることができる

・結露を抑制することができる

・カビや錆を抑えることができる

・家の劣化を防ぐことができる

 

【外断熱方式のデメリット】

・外壁が厚くなってしまう

・内断熱よりもコストがかかってしまうことが多い

・狭小地など敷地に限りがある場合は向かない

・デザインが複雑な間取りには向かない

・しっかり換気ができる換気計画が必要になる

 

【内断熱方式のメリット】

・柱の間に断熱材を設置するので、外壁が厚くならない

・狭小地でも、デザイン性を損なうことがない

・外断熱よりも費用が安く済む

 

【内断熱方式のデメリット】

・外断熱に比べて、気密性が低くなってしまう

・建物全体を包み込んでいないため、隙間ができてしまう

・結露が発生しやすく、建物の劣化につながる

 

 

 

<ポイント その④>
冬暖かい家にするには、暖房設備選びも重要

フローリング
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気密性が高く、断熱性に優れた家にするだけでは、冬に暖かい家は実現しません。家を温める暖房設備の選び方も重要です。

SUHACOの家は、「TES温水床暖房」を標準装備。給湯器でつくったお湯を各部屋に循環させ、キッチンやお風呂、床暖房、浴室暖房乾燥機に利用することができます。

床暖房は、エアコンに比べて空気が乾燥しにくく、温風によって皮膚の水分を奪わないので、肌や喉にやさしい暖房。また風が出ないので、ホコリやダニなどのハウスダストを舞い上げる心配もなく、小さなお子さんのいるご家庭でも安心です。床暖房は、足元から部屋全体をムラなく暖めてくれるうえ、健康によいとされる「頭寒足熱」を実現します。

また、床暖房は自然な空気の流れができるため、部屋の中の温度ムラが少ないという特徴があります。さらに、エアコンなどの暖房器具による熱は上へ上がってしまうため、天井付近が温かくなってしまいがちですが、床暖房は足元を中心に温めるので、必要な場所をしっかり温めてくれます。吹き抜けのある大空間の家などでは、床暖房を上手に取り入れるのがおすすめです。

 

 

<ポイント その⑤>
適切な換気ができる開口部を設ける

リビングルーム
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住宅の「換気」とは、部屋の中の空気と、外の空気を入れ換えること。ホコリや花粉などで汚れた空気、またさまざまな理由で発生する悪臭を外に排除することで、外の新鮮でキレイな空気を室内に取り込むことができるのです。また、水蒸気を外へ排出し、結露やカビが発生するのを防ぐ効果もあります。

断熱性能が高く、さらに気密性の高い住宅では、適切に換気ができる開口部を設けることが大切になります。一般的に、ただ窓を開けることが換気と思っている方も多いかもしれませんが、室内のすべての空気が外気と入れ替わることを指します。換気の目的は基本的には空気の入れ替えですが、換気をすることによって、実はさまざまな効果やメリットがあります。

室内の空気は、人間の健康面にも影響があると言われています。人間が1日に摂取するものの中で最も多いのが空気であり、その中でも室内の空気が一番多いのだそう。つまり、健康を維持するためには、室内の空気をクリーンにしておくことが大切です。エアコンや空気清浄機では、空気の入れ替えをすることはできません。そこで、適切な換気をすることが必要になるのです。

正しい換気の方法は、窓などで風を通す「自然換気」と、換気扇を使って空気を入れ替える「強制換気」、さらにこの2つを組み合わせる方法があります。しっかりと換気を行うためには、このような空気の流れをつくることが重要になるのです。この流れを作るための開口部の設け方は、設計士さんと相談するようにしましょう。とくに、吹き抜けなどの大空間の家であれば、高い位置に開口部を設けることで空気の循環が生まれます。

換気自体は、直接的には家の暖かさに関係するわけではありません。しかし、断熱性能が高く、さらに気密性の高い住宅では、換気が欠かせないことを知っておきましょう。

 

 

 

冬を暖かく過ごせる家は、暮らしていく中で快適さを実感することができるでしょう。そのためにも、まずは家の性能について基本的な知識をもち、ご家族が納得できる選び方ができることがベストです。

SUHACOの家では、実際に家の設備や環境を体感していただけます。ぜひ、オープンハウスでご覧ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。