【シンプルな家づくり】ダウンフロアをリビングやキッチンに取り入れる、メリットとデメリット&活用のポイント

限られた敷地で、できるだけ空間を広く見せる工夫やデザインはいろいろあります。そのひとつが、床の一部分だけを低くする「ダウンフロアリビング」。この手法を取り入れるご家庭は、近年だんだんと増えてきています。

そこで、ダウンフロアリビングを間取りに取り入れる際のメリットやデメリット、さらに活用の仕方などをご紹介します。床にちょっとした高さの変化があることで、どんな効果があるのでしょうか。

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ダウンフロアリビングとは

リビング
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「ダウンフロア」とは、他の部分よりも一段下がった床面のこと。そして、このデザインをリビングの一部に取り入れたのが、「ダウンフロアリビング」と言い、最近の新築住宅では多く採用されるようになってきました。別名では、「ピットリビング」や「ステップダウンリビング」とも呼ばれています。

リビングルームの一部分が、一段高くなっているデザインを「小上がり」と言いますが、それの逆バージョンとイメージするとわかりやすいでしょう。

 

ダウンフロアリビングのメリットとは

ダウンフロアリビング
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床が他の部分よりも一段下がっている「ダウンフロアリビング」には、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

<メリット その1>
空間を面積以上に広く見せることができる

床が下がっていることで、天井までの距離が高くなり、縦方向に空間が広がります。一段下がったリビングにいると、他の場所によりも空間の広がりを感じることができるでしょう。床面積はそのままなのに、空間を広く見せることができることこそ、ダウンフロアの最大のメリットと言えます。吹き抜け天井や勾配天井などを作ることができない場合は、ダウンフロアリビングを取り入れることで、天井高の空間が実現します。

また、キッチンやダイニングからダウンフロアになっているリビング部分を見た時に、LDK全体が広く感じるという効果もあります。

 

<メリット その2>
家のシンボル的な場所になり、家族が集まる

ダウンフロアリビングは、一般的な建売住宅では、あまり取り入れられていないデザイン。そのため、インテリアにこだわりをもっていたり、リビングに個性を求めるなどで、注文住宅であえて間取りに取り入れる方が多いようです。

このようなこだわりをもって作った空間であるからこそ、家の中でも中心となり、シンボル的な場所になることが多いようです。さらに、少し目線が下がることで、ちょっとしたおこもり感が得られたり、リラックスできる空間にも。ラグを敷いて大きなクッションなどを置けば、家族が集まり、ごろりとくつろげるとっておきの空間に仕上がります。

 

<メリット その3>
段差を活用して、収納にすることができる

小上がりの場合もそうですが、段差が生まれることで、そこに収納を作ることができます。ダウンフロアの場合は、段差下に引き出しを作ったり、オープンシェルフにしておくのもいいでしょう。リビングで読む本や雑誌をしまったり、お子さんのおもちゃなどを入れる引き出しにすることも。リビングでよく使うアイテムをしまっておくと便利です。

このような段差の収納があれば、それ以外で収納家具を置く必要がないので、空間を有効活用できます。狭小住宅などでは、このような理由でダウンフロアを取り入れてみるのはおすすめです。

 

<メリット その4>
段差部分に腰掛けて、ソファ代わりに

ダウンフロアリビングを作って、その中にソファを置いているご家庭もあります。ただ、あまりスペースが取れないようなら、段差をベンチ代わりにして使うのもおすすめです。

段差で座れる部分が、ダウンフロアリビングをぐるりと囲むようになるので、ご家族で思い思い、好きな場所に座ることができます。ときには、段差部分が、お子さんの宿題場所になったり、絵を描いたり、工作をしたりと、テーブル代わりに。また、このようなベンチタイプだと大人数でも座ることができるので、来客があったときにも重宝します。

 

<メリット その5>
空間を自然な形で区切ることができる

リビングからダイニング、そしてキッチンがワンフロアの間取りになっていると、空間を区切るものがないので、かえって使いにくくなってしまったり、無駄な空間が出てきてしまうことがあります。

そこで、リビングルームをダウンフロアにすることで、開放感は得られたまま、空間を自然に区切ることができます。キッチンとダイニングは生活スペースとすると、リビングはリラックススペースと捉え、これを段差を使ってゆるやかに区切ることで、メリハリのある空間づくりも可能になります。

リビングとダイニングの間に、腰高の収納を置いたり、ソファなどで空間を区切るご家庭もありますが、このようなデザインを取り入れるだけで、自然な形で空間を区切りることができます。そうすることで、よりスッキリ感のあるシンプルな家づくりができるのです。

 

<メリット その6>
立体感が生まれて、空間のアクセントになる

床面の高さを変えることで、空間に立体感が生まれます。とくに、リビングダイニングがワンフロアになっていると、少し変化に乏しい印象になりかねません。あまり、いろいろと家具を置きたくないというご家庭なら、ダウンフロアでアクセントをつけてみるのもおすすめです。

 

ダウンフロアリビングのデメリットとは

ダウンフロアリビングには、空間を広く見せたり、段差を収納として活用できるなどのメリットがある一方で、デメリットもあります。メリットとデメリットを両方知ったうえで、ダウンフロアリビングを採用するかどうかを検討してみましょう。

 

<デメリット その1>
つまづいたり転んだりする危険がある

リビング内に段差があることで、転んだりつまづいたりするリスクが生まれます。とくに、赤ちゃんや小さいお子さん、高齢者が家族にいる場合は、そのリスクを考慮したうえで、取り入れるかどうかを決めるようにしましょう。

段差が高めのダウンフロアの場合は、一部分を階段状にするというのも、アイデアのひとつです。そうすることで、お子さんでも上り下りがしやすくなります。

 

<デメリット その2>
家具の配置が限定されてしまう

リビング・ダイニングの中に段差があるので、段差部分には家具を置くことができませんし、床が低くなっている部分の面積によっては、そこに家具を置くことが難しい場合もあります。ダウンフロアをプランニングする際には、そこに家具を置くのか置かないのか、どんな使い方をするのかをイメージすることが大切です。

また、ダウンフロアリビングを作ってしまうと、リビングのスペースが限定的になってしまいます。ワンフロアのリビングダイニングの場合は、将来的に、リビングをダイニング側に広げて使う、といったこともできます。しかし、ダウンフロアリビングにするとそれができないことを認識しておきましょう。さらに、模様替えがしにくかったり、ラグの選び方が難しくなってしまうなどのデメリットもあります。

 

<デメリット その3>
掃除の手間がかかってしまう

床に段差があると、それだけで掃除の手間が増えてしまいます。ホコリがどうしても四隅などに溜まりやすいので、よりホコリが目立ちやすいということもあるからです。また、段差があるとロボット掃除機を使いにくいということもあるので、その点をしっかり考慮しておきましょう。

 

<デメリット その4>
長期優良住宅認定が受けられない場合がある

ダウンフロアを間取りに採用し、床下空間の有効高さが330mm以下になってしまった場合には、長期優良住宅の認定を受けられない場合があります。というのも、住宅の劣化対策として、その基準となる「床下空間の有効高さ330mm以上」という条件をクリアする必要があるからです。

長期優良住宅の認定を考えているお宅であれば、施工会社や設計事務所などに相談をするのがよいでしょう。

 

キッチンにも取り入れられる、ダウンフロア

木の家
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こちらのお宅では、キッチンスペースをダウンフロアに。キッチンの床を下げることで、床の素材をタイルなどに変えて、掃除がしやすくなるなどのメリットがあります。また、キッチンに立つ人と、ダイニングテーブルに座る人の目線が同じになるというのもポイント。調理や家事をしながら、家族ともコミュニケーションをとることができます。さらに、段差があることで、仕切りがなくても空間が区切られるという効果もあります。

このようにキッチンの場合は、ダウンフロアリビングとはまた違ったメリットがあるのです。

 

家づくりをする際に、間取りや内装などにこだわりをもってプランニングをしますが、より空間を広く見せるようなデザインを取り入れることも大切です。そのためのひとつのアイデアとして検討したいのが、ダウンフロアリビング。メリットはもちろんですが、デメリットをしっかり考慮したうえで、間取りに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。