コートハウスの間取りには、暮らしをより楽しむためのヒントがあった

コートハウスとは、間取りに中庭やパティオを取り入れた家のこと。リビングルームの先に設けられた中庭が、建物や壁でぐるりと囲まれていることで、外に向けてオープンになっているベランダやデッキとは違った楽しみ方ができます。また、間取りに中庭があることは、ゆとりを持って暮らすことにもつながります。今回は、コートハウスで楽しく暮らすヒントをご紹介しましょう。

 

 

中庭やリビングルームから、空の移ろいを感じる


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都心部の住宅密集地で、外に向かって開かれたデッキやベランダを作っても、周囲の建物と視線がバッティングしてしまうことはよくあります。同じ広さの外空間を作るのであれば、壁や建物に囲まれた中庭にするのがおすすめ。周囲の建物が隠れる高さまで壁を立ち上げることで、中庭からは空だけを眺めて楽しむことができます。さらに、リビングルームの開口部にハイサイドライトを設ければ、室内からはいつでも空が眺められ、1日の移ろいを感じることができるでしょう。

 

 

子どもたちの絶好の遊び場になる


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完全に壁に建物で囲まれた中庭は、子どもたちやペットの遊び場として最適。昼間はプールや水鉄砲遊びをしたり、夜はテントを張ってアウトドアごっこや天体観測など、室内ではできない遊びが家の内部で手軽に楽しむことができます。コロナ禍でなかなか遊びに行けない時期でも、家族が家の中でのびのびと遊ぶことができるのは、コートハウスの特権といえます。また、リビングルームやキッチンなど室内から、お子さんが遊んでいる様子を常に見守ってあげることができるのも、中庭があることのメリットのひとつです。

 

 

 

家族でゆっくり過ごす、憩いのスペースに

SUHACO/素箱の中庭のある家~コートハウスの内観
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中庭の床素材によって、空間の使い方は変わります。たとえば、中庭の床にデッキを敷けば、ごろりと寝転んだり、裸足で歩きまわることも。グリーンを植えて木陰を作れば、その下で読書をしたり、イスやテーブルを出してお茶をするのもいいでしょう。ヨガマットを敷いてヨガをしたり、昼寝をするのも気持ちいい時間。お気に入りのアイテムを置いて、家族がよりリラックスできる癒しの空間にすることもできます。

 

 

 

お天気のいい日には外ごはんを楽しむ


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リビングルームから延長上に設けられた中庭は、高い壁に囲まれていることで、ベランダやデッキよりも使い勝手が広がります。また、リビングルームの開口部をダイナミックに開け放つことができれば、外と中がつながる大空間として使うことも。テーブルとイスを置いて、家族で外ごはんを楽しんでもいいですし、大人数でホームパーティーを楽しむのもいいでしょう。中庭の床部分をメッシュ素材にすることで、風が心地よく循環します。

 

 

 

床をあえて作らず、自然を身近に感じる中庭に


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中庭に床を作れば、室内と同じ高さで使うことができますし、アクセスもスムーズ。しかし、より自然と近くで暮らしたいのであれば、あえて床を作らずに、土に触れ合える庭として使うのもいいでしょう。リビングルームや子ども部屋、洗面ルームなどに面した中庭であれば、家のどこからでも出入りもしやすく、さらに見守りもしやすいのもメリット。子どもたちが庭で遊んだり、運動をしたり、ガーデニングで汗をかいても、すぐに洗面所に行けるのも便利ですね。また、中庭はプライバシーも確保されているので、洗濯物を干すのにも最適な場所です。

 

 

 

玄関アプローチに中庭を設けて、来客を迎える


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中庭は、居住スペースの中だけにこだわる必要はありません。たとえばこちらのお宅のように、玄関アプローチの途中に中庭を設けるアイデアも。風と光が通り抜ける中庭空間が出迎えてくれることは、来客にとっても印象深いもの。家の中に招くことができないときでも、ここで来客の対応をすることもできます。こちらのお宅の中庭は適度に日陰になっているので、DIYをしたり、自転車の手入れをするなど、さまざまな使い方ができそうです。

 

 

知っておきたい、コートハウスのメリット&デメリット


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中庭を間取りの中に取り入れるコートハウスには、メリットとデメリットがあります。家族にとって使いやすい中庭を作らなければ、無駄な外空間になってしまう可能性もあります。中庭のある家を検討している場合は、自分たちの暮らしにどんなメリットがあるのかを慎重に検討する必要があるでしょう。

 

<コートハウスのメリット>

・外空間でありながら、プラベートな時間が楽しめる
・中庭に向かって開口を設けることで、室内が明るくなる
・気兼ねなく窓をオープンにできて、風通しが確保できる
・アウトドアリビングとして、さまざまな活用ができる
・防犯面でも安心感がある
・洗濯物を干すのも、近所の目が気にならない
・子どもやペットを安心して遊ばせることができる
・コロナ禍において、家にいながらに外遊びができる

 

<コートハウスのデメリット>

・建物の形が複雑になり、建築費用がかかってしまう可能性がある
・中庭を設ける分、居住面積が狭くなってしまう
・中庭に面して開口部が多くなると、室内の断熱性が下がってしまう
・中庭も掃除や手入れ、メンテナンスが必要になる
・外に向かっての開放感がないので、景色があまり楽しめない

 

 

コートハウスの間取りを採用することで、中庭を活用した、ゆとりのある暮らしが実現します。子どもの遊び場として、家族でリラックスしたり外ごはんを楽しむ場として、心地よく風と光が通る空間として、暮らしをよりよくしてくれるはずです。

 

SUHACOでは、コートハウスの設計・施工実績を多くもっています。ぜひ一度、中庭のある家をご覧ください。

 

文/内田あり

 

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。