ここ数年で働き方も大きく変わり、リモートワークはスタンダードになりつつあります。しかし、家の中で自分だけの空間を確保するのに、苦労している方も多いのではないでしょうか。とくに狭小住宅では、自分専用の書斎やワークスペースを確保するのはなかなか難しいものです。
そこで、これから家づくりをするのであれば、リモートワークができる空間を間取りやデザインに取り入れてみるのがおすすめです。仕事だけでなく、趣味や家事をするのにも活用できるかもしれません。今回は、シンプルな家でリモートワークができるスペースを確保するための、10のアイデアをご紹介します。
目次
- 1 <アイデア その①> 隙間空間を活用して、完全個室の書斎に
- 2 <アイデア その②> リビングを見下ろせる特等席を書斎に活用
- 3 <アイデア その③> リビングの一部に小上がり風の書斎スペースを
- 4 <アイデア その④> 玄関脇に、使い勝手抜群のフリースペースを
- 5 <アイデア その⑤> 階段の踊り場を広めにして、家族とつながる書斎に
- 6 <アイデア その⑥> 日中はあまり使わない洗面所が、立派な書斎に変身
- 7 <アイデア その⑦> 引き出しタイプの造作机で、シンプルに見せる
- 8 <アイデア その⑧> リビングに固定のスタディスペースを造作
- 9 <アイデア その⑨> 狭小住宅なら、ロフトや和室などを上手に活用
- 10 <アイデア その⑩> 壁で囲まれた中庭なら、アウトドアで仕事を
- 11 関連
<アイデア その①>
隙間空間を活用して、完全個室の書斎に
一般的なサイズの個室をつくるほどではないけれど、完全に自分だけの空間を確保したい場合は、デッドスペースやちょっとした隙間空間を利用して、リモートワークができる場所を確保してみては?
たとえばこちらは、細長く非常に使いにくいデッドスペース。ところが、ここに奥行きが浅めのデスクを造作して椅子を置くだけで、たちまち立派な書斎に早変わり。広い空間よりも、狭い方が集中しやすいという方なら、こんなデッドスペースを活用した書斎にするのもおすすめです。
また、窓を設けて採光や風通しを確保したり、エアコンも設置しておけば、お子さんの勉強部屋や趣味の部屋、家事の部屋としても活用できるかもしれません。
<アイデア その②>
リビングを見下ろせる特等席を書斎に活用
二階リビングから階段を上がると、ガラス張りの個室空間。通常の個室よりも天井が低くなっていますが、寝室とワークスペースとして使うのであれば、十分かもしれません。リビングとの壁をガラス張りにしたことで、リビングルームにいる家族の様子を眺めながら仕事ができるのもメリットのひとつ。扉付きの個室になっているので、リビングの音をしっかりシャットアウトできます。
このような空間をロフトにする場合は、壁や扉をつくらないデザインにすることも多いですが、リモートワークにしっかり集中したい場合は、個室にしてしまうのもおすすめ。ロフトは夏になるとどうしても温度が高くなってしまいますが、個室にしてエアコンを設置すれば、快適に過ごすことができます。
<アイデア その③>
リビングの一部に小上がり風の書斎スペースを
間取りの中にリモートワーク用の個室をつくるのが難しい場合は、リビングルームの一角を活用するのも手。たとえばこちらのお宅では、リビングの隅っこに数段の階段で上り下りができる、小上がり風の空間をつくっています。扉はついていないので周囲の声は聞こえますが、リビング側からは奥まっていて見えないので、ちょっとしたおこもり空間になっています。仕事以外でも、趣味や読書に没頭したり、軽く昼寝をする場所として、家族みんなが便利に使える空間です。お子さんにとっては、秘密基地のようにワクワクするようなスペースになるかもしれません。
小さなスペースに無理に扉をつけると、閉塞感を感じてしまったり、費用面でもコストがかかってしまいます。こちらのようにオープンなデザインにして、周囲から少しだけ隔てられた空間にすることで、適度な“おこもり感”で仕事をすることができるはず。また、リビングルームの空間も広く見せる効果も期待できますよ。
<アイデア その④>
玄関脇に、使い勝手抜群のフリースペースを
こちらは、なかなかユニークな間取りのアイデア。玄関の脇に小上がりのようなデザインのフリースペースを設けて、ワークスペースとしても活用しています。一番奥にテーブルを造作したり、前の壁に棚を設けることで、仕事のスペースとして使いやすさがアップ。
さらに、引き戸で入口を区切れば、普段は玄関側からは見えないようにすることも。完全に個室にすればリモートワークや書斎、趣味の部屋として使えますし、オープンにしておけば玄関がより広い空間に感じられるはず。
このように、玄関脇にフリースペースがあることで、大きな荷物やストック類などの一時置き場としても重宝します。将来的にもう一つ部屋が必要になった場合は、リフォームで壁と扉をつくって個室にすることも可能です。
<アイデア その⑤>
階段の踊り場を広めにして、家族とつながる書斎に
クローズドな書斎でなくてもいいのであれば、階段の踊り場や、廊下の一角を活用するのもアイデアのひとつ。こちらのお宅は、階段の踊り場に広さをもたせたデザインで、スキップフロアのような役割も果たしています。ここに小さめのデスクを置いて、仕事をするのもいいでしょう。
窓があり、風も通り抜ける踊り場は、リビングとのつながりも感じられるはず。家族とある程度の距離を保ちながらも、いざという時には家族の声が聞こえる場所に仕事スペースを確保することができます。育児をしながらリモートワークをしている、フリーランスのママなどにはおすすめのアイデアです。
<アイデア その⑥>
日中はあまり使わない洗面所が、立派な書斎に変身
こちらは、固定観念にとらわれない、ちょっと斬新な書斎のアイデア。広々としたこの空間は、普段は家族が使う洗面所ですが、日中はワークスペースに早変わり。造作した洗面台は、仕事ができるようにデスクも兼ね備えたデザインにしています。朝はメイクをする場所として、日中はリモートワークができる場所、そして夜は乾いた洗濯物を畳むなど家事ができる場所など、いくつかの目的で活用しているのもポイントです。家の中に独立した洗面所がほかにあって、日中はほとんど洗面所を使わないというお宅であれば、このようなアイデアもおすすめです。
<アイデア その⑦>
引き出しタイプの造作机で、シンプルに見せる
自宅でのリモートワークの頻度がそこまで高くないのであれば、デスクを常設する必要はありませんよね。そのようなご家庭なら、引き出しタイプの机を造作してみるのもおすすめです。仕事をする時には引き出してデスクにし、使わないときは折りたたんでおけば、空間の邪魔にはなりません。また、お子さんがお絵描きをしたり、宿題をする際にも重宝するでしょう。
限られた空間での家づくりでは、自分たちのライフスタイルに合わせて、デザインを工夫することも大切です。また、シンプルな家での暮らしを求めているご家庭なら、こちらのお宅のようにデザイン性を重視するのもいいですよね。
<アイデア その⑧>
リビングに固定のスタディスペースを造作
リビングルームの一角に、スタディスペースを造作するご家庭も増えています。お子さんが小さい頃は、大人のワークスペースとして使ってもいいですし、将来的にはお子さんがリビング勉強をする場所に活用できるでしょう。さらに、お子さんが成長したあとは、ここで書き物をしたり、本を読んだりと、家族みんなが使える共有デスクとして便利に使えるはずです。
<アイデア その⑨>
狭小住宅なら、ロフトや和室などを上手に活用
こちらのお宅のように、リビングの一角に小さな畳スペースを設けたり、その上にロフトをつくることで、限られた空間でもワークスペースを確保することもできます。畳スペースは普段はオープンにしておき、ロールスクリーンなどで軽く仕切れるようにしておくと、使い勝手もアップしますよ。日中はここでリモートワークをしたり、夕方にはお子さんが昼寝をしたり、洗濯物やアイロンなどの家事をしたりと、さまざまな活用方法が考えられます。
また、少し高さに余裕のあるロフトであれば、ローテーブルなどを置いて、ワークスペースとして使えます。空間に限りのある狭小住宅などでは、このようにちょっとした空間でも最大限に活用してみましょう。
<アイデア その⑩>
壁で囲まれた中庭なら、アウトドアで仕事を
仕事に煮詰まって気分を変えたいなら、ときには中庭で仕事をしてみるのはいかが?建物で囲まれた中庭なら、外に声が漏れる心配もほとんどありません。一日中、家でリモートワークをするのは、なかなか大変なこと。そこで、場所を変えてみたり、思いきって外に出て仕事をしてみるのもいいですよね。中庭であれば、通信環境の心配もありませんから、屋外で仕事をするのにも適しています。
リモートワーク専用にしっかりとした個室をつくるという考え方もありますが、将来的には無駄な部屋になってしまったり、働き方が変われば必要がなくなることもあります。そうならないためにも、リモートワーク以外でも家族がさまざまな目的に使える、フリースペースを書斎として活用するのがおすすめです。
注文住宅での家づくりであれば、自分たちのライフスタイルや働き方に合わせて、書斎やワークスペースをプランニングしてもらうことができます。たとえばSUHACOでは、玄関横のフリースペースやロフト、畳スペース、洗面所、中庭などを仕事場にもしてしまう、固定概念にとらわれないユニークなアイデアを提案しています。ぜひ、オープンハウスなどで実際にご覧になってください。