【シンプルな家づくり】無垢材、珪藻土、漆喰……。自然素材の家を選ぶなら、知っておきたい3つの素材とそのメリット

心にも体にも優しく、シンプルな暮らしを実現するのであれば、家づくりのベースとなる素材選びにもこだわるべき。それぞれの素材がもつ特徴やメリット、デメリットを正しく知ることで、家への愛着もより強くなるはずです。そこで今回は、自然素材として代表的な3つの素材についてご紹介します。

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3つの天然素材の特徴と、メリット・デメリット

一般的に広く普及していて、比較的取り入れやすい自然素材が、「無垢材」「珪藻土」「漆喰」です。そこで、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

 

無垢材の特徴とメリット・デメリット

リビングルームの写真
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無垢材とは、1本の天然木から切り出した木材のこと。無垢材をフローリングや造作家具などに使用することで、家全体が温かみのある雰囲気になり、リラックス効果 も期待できます。さらに、無垢材には調湿や消臭効果もあるので、快適で健康的な暮らしが実現 できるのです。

また、選ぶ木材によっては雰囲気も変わりますので、自分好みの内装に仕上げることも。たとえば、木目の主張があまりない木材であればシンプルに、節のある木材であれば野趣あふれる雰囲気になるでしょう。色も薄めから濃いものまで、選ぶ木材によって、ナチュラルにも落ち着いたシックなイメージにもなる のです。

無垢材の面白いところは、時間が経つにつれ、木の風合いが変化していく ところ。その変化は、普段の使い方や手入れの仕方によって違ってくるので、その家その家で独特の風合いが出てきます 。このような変化が楽しめるのも、無垢材の家の楽しみ方ですね。

一方でデメリットとしては、無垢材は種類によっては、とても柔らかい素材があります。物を落とすだけですぐに凹みができたり、傷になってしまうことも。このような傷や凹みが気になるようであれば、硬い素材を選んだり、逆に傷や凹みも味わいのひとつと捉えて、自然素材の家を楽しむ のもいいかもしれませんね。

無垢材は呼吸をしているので、乾燥や湿気によって、木が膨張や収縮をします。冬は空気が乾燥しているので、フローリングにささくれができてしまうことも。これを予防するには、ワックスで油分を補ったり、ささくれができてしまったらヤスリなどで削って対処するなど、ある程度のメンテナンスやお手入れが必要になります。ただし、このようにきちんと手入れをすれば、素足でも気持ちよく過ごせるのも魅力。無垢材は冬でもヒヤッと感がなく、素足で過ごすには最適 なのです。

 

珪藻土の特徴と、メリット・デメリット

段差のある家
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珪藻土とは、水中に生息するプランクトンの一種「珪藻(ケイソウ)」の死骸が化石化し、粘土状に変化した泥土から作られている自然素材のこと。調湿性と吸水性を兼ね備えており 、その特徴を生かして、最近ではお風呂マットなどの商品なども販売されています。1990年代後半からは、家の建材としても使われるようになりました。

珪藻土を家づくりの建材として取り入れる場合は、塗り壁や天井などに使用されることがほとんどです。壁や天井に珪藻土を使用することで、室内の湿度を50〜60パーセント程度に調湿してくれるメリット があるのです。湿度が一定に保てたり、カビが生えにくい特徴などを生かして、寝室や子ども部屋、洗面所などに使用するご家庭も多いようです。また、この調湿の効果は半永久的に続き、耐火性や断熱性、さらに脱臭効果も期待できる と言われていますので、キッチンの壁などにも適しています。

一方で、吸水性が優れている性質があることで、醤油など濃い色の液体をこぼしてしまうと、シミになりやすいというデメリット があります。とくに、キッチンなどで使用する場合には注意が必要でしょう。もし、液体で汚れてしまったら、できるだけ早く拭き取るようにしましょう。

また、吸湿効果が高いことで、水分を溜め込んだところに皮脂汚れが加わってしまうと、実はカビが繁殖しやすいというデメリットも あります。カビを予防するためにも、皮脂汚れがつきやすい場所は定期的に水拭きをすることが重要です。

 

漆喰の特徴と、メリット・デメリット

フローリングに木材を使用している写真
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漆喰とは、石灰を由来とした塗り壁の材料のことで、石灰石のサンゴ礁がルーツとなる自然素材です。施工後に、長い年月をかけて硬化していく素材 でもあります。

漆喰は不燃性であり、調湿効果や消臭効果 があります。また、強アルカリ性のため、カビが発生しにくい、埃やゴミが付きにくいなどのメリット があります。そのため、アレルギーを持つ方や、小さなお子さんがいるご家庭でも人気の壁材 となっています。さらに、お城の城壁や神社仏閣などに使われるなど、耐久性が高いというのも大きな特徴でしょう。

漆喰の壁は、左官屋さんの塗り方次第で、洋スタイルにも和スタイルにも、どちらにも合うように仕上げることができます 。壁に表情が作りやすく、その家その家で特徴を出すこともできるのです。

 

自然素材を取り入れる際の、3つの注意点


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① 無垢材は収縮することで、隙間ができてしまう

天然素材は、建材として取り入れられた後も、常に呼吸していると言われています。また、湿度によって木が収縮したり、膨張したりしますので、それに合わせたお手入れが必要 になります。

収縮することで、木と木の間、木と漆喰などに隙間ができてしまうのが、無垢材の特徴でもあります。これも天然素材の特徴だと理解しておけば、それに対する対処もスムーズにできるでしょう。

 

② 色が変化したり、色ムラをあえて楽しむ

無垢材のフローリングや柱、天井などは、年月が経つと、少しずつ色が変化していきます 。新築当初の色合いでイメージしていると、無垢材は徐々に深みのある色合いに変化 していきますので、それを理解しておく必要があります。木材自体の風合いや深みが楽しめる人に、無垢材は向いていると言えます。

また、新築の際に、ダイニングテーブルなど造作家具を作ると、家全体の木材の変化とともに家具の木材も変化 していきます。このことで、家全体の内装にも統一感が生まれます。

 

③お手入れやメンテナンスに手間がかかる場合も

無垢材や珪藻土、漆喰などの天然素材は、耐久性や調湿性などのメリットがある反面、メンテナンスやお手入れに少し手間がかかってしまう ことがあります。きちんと手入れをしないと、そのメリットが損なわれてしまったり、かえって快適な空間から遠のいてしまうことも。

天然素材を取り入れるということは、可能な範囲ではありますが、お手入れやメンテナンスには気を遣う必要があります。もし、こまめな手入れが苦手だったり、仕事などで難しい場合は、それに代用できるメンテナンスがしやすい素材を選ぶのも手 でしょう。

 

③ 費用面で割高になってしまう場合も

天然素材の家は、新築時の費用面では割高になることが多い と言われているので、躊躇してしまうご家庭も多いかもしれません。ただし、天然素材は耐久性に優れた面をもっているので、建材の交換や補修の頻度などを考えると、 トータル面ではあまり変わらない ことも考えられます。新築時の金額が許容範囲であれば、長い目で見て、素材選びをするのもおすすめです。

 

 

暮らしの中に、自然素材を選ぶということ

自然由来でできた建材は、体に優しいという大きなメリットがある上、耐久性に優れているなどの特徴もあります。ただし、その特徴を最大限に活かすためには、手入れをこまめにしたり、メンテナンスをしっかりするなど、少々手間になる ことも。だからこそ、より快適な空間を手に入れられるのかもしれません。

自然素材について正しい知識を取り入れ、メリットとデメリットを理解した上で、素材として取り入れるように しましょう。このように、自分が暮らす家について積極的に知って理解することで、より家への愛着も湧くものです。家をしっかりと手入れをすることで、自然と丁寧な暮らし、シンプルな暮らしが実現するでしょう。

SUHACOでは、無垢材を使用した家づくりを行なっています。ぜひ、オープンハウスの問い合わせ先にご連絡ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。