【シンプルな家づくり】ロフトのある家をスッキリ見せるための、7つのポイント

吹き抜け空間の一部やデッドスペースを有効活用するために、ロフトを間取りに取り入れるご家庭が増えています。狭小住宅などでは敷地も限られてしまい、収納場所を思うように確保できなかったり、部屋数をしっかり確保できない場合もあるでしょう。そんな時に、ロフトを上手に活用しているお宅も多いようです。ただし、シンプルな家づくりの際には、ロフトのデザインや見せ方にはちょっとしたコツがあります。そこで、プランニングをする前に、7つのポイントを抑えておきましょう。

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ロフトを取り入れることのメリットとデメリットとは

リビングルームの中に畳スペースがある
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間取りにロフトを設けることで、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

 

 

<ロフトのある家のメリット>
・ロフトを収納スペースとして有効活用できる
・延べ面積に入らない、小さな部屋やフリースペースをもつことができる
・天井を貼らないので、空間が広々と感じられる
・ちょっとした特別感、おこもり感が味わえる
・キッチン上や収納上などのデッドスペースを空間として活用できる

<ロフトのある家のデメリット>
・ハシゴや急な階段の場合、上り下りが大変になる
・掃除がしにくい
・小さな子どもがいると、階段やハシゴが危険な場合がある
・窓がないと暗くて閉鎖的な空間になってしまう
・温かい空気が上へ溜まるので、夏は暑くなってしまう
・冬はロフト自体が温まりやすいが、下の階は温まりにくい

 

 

シンプルな家に、ロフトを取り入れる際の7つのポイント

ロフトを間取りに取り入れる際に、抑えておきたいポイントを7つご紹介します。ロフトのデメリットや悩みを解消するためのヒントにもしてみましょう。

 

<シンプルな家のロフト ポイント①>
ハシゴを収納内に隠せば、スッキリシンプルに

ロフトのあるリビングルーム
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ロフトを作る場合に、一番頭を悩ませるのがロフトにのぼるためのハシゴです。ハシゴをどの位置に設置するか、またどんなタイプやデザインのものを採用するのかで、室内の印象も変わります。しっかりとした階段を設けると、費用もかさみスペースも必要になってしまいます。一方で簡易的なハシゴでは、上り下りが大変になってしまう場合もあるでしょう。

こちらのお宅では、ロフトの下が収納スペースになっていて、その一角にハシゴを設置しています。こうすることで、普段は収納の扉で隠れていますし、小さなお子さんがいる場合にもこのデザインは安心です。また、壁に斜めに立てかけて使うハシゴは、ある程度のスペースを必要としますが、壁に取り付けられた垂直にのぼるハシゴであれば、スペースは必要ありません。

ただし、このような壁に取り付けたハシゴの場合は、大きな荷物を運ぶのには適していません。また、家族が年齢を重ねると、ハシゴをのぼるのが大変になってしまうことも多いでしょう。そのためにも、使う人の年齢なども考慮して、ロフトのハシゴや階段を選ぶことが大切です。

 

<シンプルな家のロフト ポイント②>
窓やエアコンを設けると、より快適な空間に

大きなロフトのあるリビングルーム
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ロフトはその特性上、どうしても暗くなりがち。また、温かい空気が上に溜まってしまうことで、夏はとても暑くなってしまいます。このような悩みが出てしまうロフトスペースですが、換気や陽光を取り入れられる窓を設けたり、エアコンを設置することで、ロフトでも快適に過ごすことができるようになります。一つの部屋として使うことを目的にするのであれば、しっかりとプランニングをする必要があるでしょう。

こちらのお宅では、ロフトスペースにも窓を設けて、明るさをキープ。リビング側もオープンになっているので、風通しも確保できます。エアコンや照明なども設置すれば、将来的にお子さんの個室にしたり、ご主人の書斎にするなど、活用方法も広がるでしょう。

ロフトを設ける場合は、どんな使い方ができそうか、誰がどんな風に使うのかを考慮しながら、プランニングをするのがいいですね。

 

<シンプルな家のロフト ポイント③>
梯子や手すりはシンプルな素材をセレクト

ロフト
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ロフトをシンプルに見せたいのであれば、デザイン性にもこだわりたいもの。デザイン性で差をつけるのであれば、手すりやハシゴ、階段などの素材選びが重要になってきます。

存在感のある素材を選ぶよりも、できるだけ繊細かつシンプルなものを選ぶといいでしょう。そうすることで、空間を邪魔しない、シンプルな家にぴったりのロフトになるはずです。

例えばこちらのお宅のように、ハシゴは内装と合わせて木の素材にしてみたり、手すりは階段と合わせてみたりと、統一感を出すのもいいですね。手すりの直径も太すぎないものを選ぶと、全体的にスッキリと見せる効果があります。

このように、高い天井のリビングルームであれば、一角をロフトにするのは有効です。上はオープンなロフト、下は収納力抜群の収納スペースなどにすることで、家の使い勝手もよくなり、生活感の出る細々したものを収納するのにも重宝します。

 

<シンプルな家のロフト ポイント④>
普段はクローズドにしておくロフトも

ロフト
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ロフトの使用頻度が低いと想定される場合は、ハシゴを常時出しておくよりも、引き出しタイプにしておくのがおすすめです。こちらのお宅は、キッチンの上部分をロフトスペースに。完全にフルオープンな空間なので、収納として活用するというよりは、ちょっと日向ぼっこをしたり、サンルームのように使うこともできるでしょう。

また、高い位置にある窓の掃除をしたり、たまに換気をする際に、ハシゴを引き出してロフトを利用する、という実用的な使い方も考えられます。

 

<シンプルな家のロフト ポイント⑤>
フルオープンにして、明るさと開放感を確保


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二階リビングであれば、屋根裏部分を活用して、ロフトのある間取りを自由にプランニングすることができます。こちらのお宅は、しっかりとした階段を設けて、誰でもロフトにのぼりやすいように設計。リビングルームを囲むようにロフトを配置し、自由に動き回れたり、上からリビングルームを見下ろしたりと、広々としたワンフロアとして活用することができます。

このように、比較的広めのロフトを作ることで、家族の成長に合わせて、さまざまな使い方ができるのも特徴です。将来的に区切って個室にしたり、趣味の部屋にしたりと、その家その家の活用方法があるでしょう。

また、リビングルームと隣接したフルオープンのロフトであることで、子どもたちがロフトスペースで遊んでいても、家事をしながら子どもたちの様子をいつでも見守ることができます

このように、ロフトに壁などを設けず、大胆なフルオープンにすれば、いつでも家族の気配を感じていられます。また、空間の上部がつながっているので、リビングルームに一体感があり、広々と感じられるでしょう。

 

<シンプルな家のロフト ポイント⑥>
機能性も備わった、キッチン上のロフト

リビングルーム
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天井高の吹き抜けリビングの場合、キッチンだけは、天井を低くしているご家庭も多いです。キッチンは換気扇を設置したり、吊り戸棚を取り付けたりする必要があります。その場合に、天井が高いと設置するのに制限が出てしまいます。

そこで、上部をロフトの間取りにすることで、上は収納スペースに、その下をキッチンとして活用することができます。このように、機能性を重視するためにロフトを設ける場合もあるのです。

 

<シンプルな家のロフト ポイント⑦>
ロフトで階層を増やし、立体感のあるデザインに

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二階リビングから、さらに上階への階段を上がると、小さいながらも使い勝手のよいロフトスペースのある、こちらのお宅。あえて手すりなどを設けず、少し壁を立ち上げることで、スッキリとシンプルに見せています。ここに座ると家全体が見渡せて、ちょっとした特等席に。このように、ロフトを使って層のあるデザインにすることで、空間に立体感が生まれ、いつもと違った角度で暮らしを楽しむことができます

また、開放的で明るいロフトにすることで、収納だけが目的にならず、リモートワークの専用ルームにしたり、昼寝や読書、趣味ができる空間にするなど、さまざまな使い方が考えられます。

 

 

シンプルな家で、ロフトスペースを活用したり、その空間を楽しむためには、いくつかのポイントがあります。具体的には、ハシゴや階段のデザインを工夫したり、窓を設けて陽光と通風を確保することで、快適な空間にすることができるのです。

ロフトを上手に取り入れることで、都心部の狭小住宅でも、限られた空間を有効活用できます。最近はリモートワークも定着しつつありますので、小さな書斎スペースとしても、仕事の合間にちょっと休めるスペースとしても、ロフトはきっと活躍するはずです。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。