【シンプルな家づくり】テラスの目隠し問題はデザイン性でカバー。快適な暮らしのための施工事例5選

外と家の中をつないでくれるテラスは、室内からすぐに出られる、プライベートな外空間。この場所を快適に過ごすためには、明るさや風通しなどを確保しつつ、周囲からの視線が気にならないような工夫をする必要があります。テラスを作る際には、この目隠し問題に悩まれる方も多いのではないでしょうか。

シンプルな家づくりをするのであれば、暮らしはじめてからシェードや植栽などで隠して対策するよりも、デザイン性であらかじめ問題を解決しておく方がおすすめ。そこでSUHACOが提案する、テラスの目隠しのための施工事例を5つご紹介します。

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<テラスの施工事例 その①>
高めの壁とメッシュの床で、明るさと風通しを確保

シンボルツリー
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リビングルームに面したテラスやベランダなどを高い壁でぐるりと囲むことで、プライベートな中庭のように使うことができます。周囲からの視線をシャットアウトすることで、ここでランチをしたり、ヨガやストレッチなどを楽しむことができるでしょう。

ただし、あまりにも高い壁にしてしまうと、今度はテラスの内側の明るさが確保できなくなります。日中にどのような角度で日差しが入るのかを確認して、壁の高さを検討するようにします。また、周囲の建物の窓の位置なども考慮して、プランニングすることが必要になります。

こちらのお宅では、ベランダの手すりの外側に外壁を立ち上げたことで、手すりと壁の間に隙間ができています。その隙間があることで、地面から伸びたシンボルツリーが3階まで到達し、リビングルームからもグリーンが楽しめる工夫がされているのです。

さらに風通しを確保するために、床をメッシュ素材にするアイデアも注目したいところ。縦方向に光と風が通り抜け、テラスはもちろん、階下も快適な空間になります。

 

エントランスに中庭を配した写真
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メッシュ素材の床の下は、こちらもプライバシーが守られた外空間になっていて、上階から柔らかな光が差し込みます。また、壁の一部分を空けたことで、光と風通しを確保しています。緩やかに視線を隠すために、大きなシンボルツリーを活用しているのもアイデアの一つですね。

 

<テラスの施工事例 その②>
子どもが安心して遊べるように、壁でぐるりと囲む

プールのあるテラス
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ある程度の広さが確保できる場合は、建物や壁でぐるりとテラスを囲むことで、中庭のように使うことができます。プライバシーをしっかり確保しできれば、休日にはアウトドアリビングとして活躍できるでしょうし、お子さんの遊び場としても重宝するでしょう。リビングルームやダイニングキッチンとダイレクトにつながっていることで、家の中で家事をしながらでも、遊んでいる子どもたちを見守ることもできます。高い壁で完全に囲まれている空間であれば、子どもたちの安全も確保できるので、いつでも安心して遊ばせられるメリットもあります。

ただし、高い壁で中庭を囲む場合は、隣家との関係性や壁の高さ、位置を考慮する必要があります。また、家側の窓の位置や高さ、大きさをしっかりプランニングして、室内にも光が届くような工夫をしましょう。

 

アウトドアリビング
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快適に過ごすことができるアウトドアリビングの第一条件は、プライバシーがしっかり確保されていること。周囲から中が丸見えになってしまうと、室内と同じような感覚で使うことは難しいかもしれません。
そのために、アウトドアリビングとして使いたいのであれば、高い壁で囲んだり、建物でぐるりと囲まれた空間にするなど、周囲から見えないようにする必要があります。

もうひとつのリビングルームであるアウトドアリビングが実現できれば、家での時間がより充実できるものになるでしょう。焚き火台やローテーブル、低めのチェアを置くことで、家にいながらにキャンプ気分が味わえます。日常使いでも、洗濯物を干す場所として、またヨガや軽い運動をしたり、お子さんが遊ぶスペースにしたりと、さまざまな活用方法があります。

 

<テラスの施工事例 その③>
家の中心に設ければ、完全プライベート空間に


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こちらのお宅は、二階の中央に配されたテラスと、屋上の二層構造になっています。テラスが屋上に囲まれていることで、周囲の建物との距離ができ、周囲から覗かれる心配もありません。屋上はオープンに使える場所、テラスはクローズドに使える場所と、きちんと目的と使い方を分けておくのもいいですね。

建物の中心にあり、周囲から見られることもなければ、テラスは室内の一部のように使うこともできます。どの部屋からもつながっていることで、お天気のいい日には椅子やテーブルを部屋から出して、手軽にアウトドアリビングとして楽しむこともできそうです。また、部屋と部屋の行き来をする、廊下のような役割も果たしてくれるでしょう。

こちらも床をメッシュ素材にすることで、風通しも確保。さらに、階下まで光を届けることができます。さらに上下階のつながりも感じられて、家族がどこにいてもお互いに気配が感じられる家です。

 

アウトドアリビングの写真
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建物にぐるりと囲まれた1階部分にある中庭は、大きなシンボルツリーのあるくつろぎ空間になっています。敷地に余裕があれば、こんな作り方も実現できるでしょう。ぐるりと建物に囲まれていれば、周囲から見られる心配もありません。

木陰ができることで、夏でも気持ちよくデッキで過ごすことができます。リラックスチェアや低めのテーブルを置くことで、床に直接座ったり、寝転んだりと、くつろいで過ごせる雰囲気に仕上がっています。このように、リラックスして使うためには、周囲からの視線をしっかりシャットアウトする必要があります。
アウトドアリビングにシンボルツリーなど植栽を取り入れることで、家にいながらでも、外の空気感を楽しむことができます。植栽を落葉樹にすれば、四季折々の移ろいを、家にいながらにして感じられるメリットもあるでしょう。

 

<テラスの施工事例 その④>
真っ白な壁で、室内からは空だけが見えるように

中庭の写真
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人の背丈より少しだけ高さのある壁を設けた、こちらのベランダ。室内側から見ると、周囲の建物は一切見えない高さに設定されています。そうすることで、白い壁と青空のみが眺められ、周囲を意識する必要もなし。心からリラックスできる家づくりができるのです。

また、このような壁には、室内を広く見せる効果もあります。テラスの先に壁があることで、室内が壁まで続いているような錯覚を覚え、室内が広く感じられるのです。また、高い壁があることで、プライバシーがしっかり守られるので、リビング側の大開口が実現できるのです。

 

<テラスの施工事例 その⑤>
中庭も四方を壁で囲めば、使い勝手は抜群!

中庭の写真
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平屋の場合は、生活する場所が外の通りと同じ高さになることが多いので、テラスのプライバシーを守るのが難しい場合も。テラスや庭を通りに面した位置にしてしまうと、テラスに出る際にも、洗濯物を干すにしても、周囲からの視線がどうしても気になってしまいます。

平屋でも、プライバシーが守られて、使い勝手のいいテラスや庭を設けたいのであれば、ロの字型、コの字型でテラスや庭を囲むようにプランニングすることもできます。建物に囲まれたテラスであれば、どの部屋からもアクセスでき、家族のコミュニケーションの場にもなるでしょう。また、このように囲まれたテラスや中庭があると、平屋であっても、各部屋の開口部を大きく取ることができるメリットもあります。

 

和室と洋室
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こちらのお宅のように、周囲を住宅で囲まれた旗竿地では、一階にテラスや庭があっても、周囲からの視線はどうしても気になってしまいます。そこで外壁を設けて、一階部分は庭を囲む壁に、二階部分はデッキを囲む壁にすることで、プライバシーをしっかりと守ることができます。また、壁の一部を空けることで、風通しと光を通せるように工夫しています。

 

テラスを目隠しするには、いくつかの方法がありますが、シンプルな家づくりを求めるのであれば、あらかじめデザイン面で対策をすることができます。テラスの壁を高めに立ち上げる、建物と壁で囲まれた中庭のようなデザインにする、外観を箱型にしてテラスを壁で囲むなど、その土地その土地に合わせたデザインを採用することが大切でしょう。

プライバシーを守るために目隠しをすることで、周囲からの視線をシャットアウトできますが、それ以外にも、陽光と風通しを確保したり、開口部を大きくすることができるなど、さまざまなメリットがあります。テラスをより快適に使えるようにするためには、デザイン性で自由度の高い家づくりができる設計会社を選ぶようにしましょう。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。