【シンプルな家づくり】素敵な庭のある家をもつなら、知っておきたい3つのデザインポイント

家がどんなに素敵でも、お庭がなんとなく殺風景だったり、雑草で荒れてしまっていると、せっかくの家も台無し。家とお庭はセットで考えるべき です。自分たちで本格的に庭づくりを行うのは、建物が完成して落ち着いてからというご家庭も多いですが、家のプランニングの段階でも大まかな庭づくりははじまっているのです 。そこで今回は、プランニングの段階で、庭づくりに関して知っておくべきこと、決めておきたいポイント3つをご紹介します。

 

庭づくりをはじめるタイミングは、家づくりの段階から

庭のある家
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敷地の広さや建物の大きさにもよりますが、ガーデニングや家庭菜園をしたい、庭に広めのデッキを設けたいなど、お庭ライフを楽しみたいのであれば、それに合った広さの敷地選びも重要になってきます。ですから、家を建てようと決めた段階で、どんな庭にしたいのかをイメージしておくことが大切 になるのです。それを踏まえた上で土地探しをし、家のプランニングをしていく中で、庭の広さもだいたい決まってくるでしょう。

ただし、広い庭のある家を建てる場合には、それをきちんと管理したり、ある程度の手間や時間をかけられるかを検討しておく必要があります。 これには、家族構成やライフスタイルも関わってくるでしょう。たとえば、これからお子さんが生まれたり、今現在小さなお子さんがいるご家庭であれば、子育てに時間が取られてしまいます。また共働き夫婦も毎日忙しく、庭に出る時間もなかなか取れない場合もあるかもしれません。

庭の管理に時間が取れない場合は、芝生や花壇など手入れが必要なスペースを少なくし、比較的手間のかからないレンガやタイルを敷いたり、デッキを作るなどの工夫をするのもおすすめ です。

<事前に検討しておきたいポイント>
・どのぐらいの広さの庭が欲しいのか
・庭でどんなことをしたいのか
・芝生や植栽の手入れを定期的にできるか
・周囲の建物や通りからの視線が気になるかどうか

 

事前にイメージしておきたい、庭デザインの3つのポイント

庭のある家
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家をデザインするように、庭も好みに合わせて、また家に雰囲気に合わせてデザインしてみましょう。エクステリアを依頼する場合にも、イメージを伝えるのにも必要になります。そこで、どんな選び方ができるのか、庭デザインを3つのポイントに分けてご紹介します。

 

【ポイントその1】
オープンにするか、クローズドにするかを決める

シンプルな家の外観
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<オープンなお庭>

高い壁やフェンス、生垣などで家の周りを囲まない外溝を「オープン外構」 と言います。これは、隣と隣の境界線をきっちり区切らず、また通りと敷地の境目にも壁を設けないなど、欧米でよく見かけるスタイル。日本ではかつて、ブロック壁や生垣などでぐるりと家が囲まれていて、門扉もしっかり閉じられている庭や外構が主流でした。

しかし最近の住宅は、都心部などを中心に限られた敷地で家を建てるケースも多く、できるだけ敷地を広く使えるなどを考慮して、オープン外構が主流に なってきています。外構がオープンな家は解放的で明るい印象を与えますが、一方で、簡単に敷地内に侵入できてしまうというデメリットも 。また、玄関の扉前は丸見えになってしまうので、一部だけを門扉や植栽などで隠すなど、セミクローズドのデザインを採用 している家も見られます。

 

<クローズドなお庭>

住宅の敷地境界線に、壁やフェンス、生け垣などでぐるりと囲むデザインを「クローズド外構」と言います。このデザインを採用することによって、外部からの侵入者を防ぐ、隣の家との境界線を明確にする、周囲からの視線を遮ってプライバシーが守られるなどのメリットがあります。クローズド外構にすることで、庭でバーベキューをしたり、デッキでヨガやエクササイズをするなど、周囲からの視線を気にせずに外に出ることができるでしょう。また、外に出られないようになっていれば、お子さんも安心して遊ばせられますね。ただし、クローズドの庭は一旦侵入されてしまうと、通りから死角になってしまうというデメリットもあるので、防犯対策はしっかり行う必要があります。

 

【ポイントその2】
お庭の雰囲気やテイストを決める

ウッドデッキの写真
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<洋風・ナチュラルなお庭>

どんな雰囲気の庭にしたいのか、どんなテイストでまとめたいのかを考えるときに、「洋風・ナチュラル」と「和風」でざっくりとイメージすることができます 。それには、家との調和も重要になってくる ことも知っておきましょう。

家がモダンでシンプルな家であれば、庭も統一して洋風・ナチュラルな雰囲気はすんなりとマッチしますし、家が和風や和モダンであれば、和風のお庭を合わせるのもいいでしょう。ただし、シンプルでモダンな家であれば、和モダンの庭も素敵です。家と外構の雰囲気やテイストは、エクステリアの専門家と相談しながら決めるのもいいかもしれません。

洋風・ナチュラルな雰囲気に仕上げるのであれば、エクステリアの選び方は重要ですが、庭にどんな植栽を植えるのかによっても変わってきますオリーブやユーカリ、シマトネリコ、ミモザアカシヤなど、洋風やナチュラルな雰囲気に似合う植栽やシンボルツリーを選んでみましょう 。常緑樹を選べば一年中楽しむことができますし、落葉樹を選べば、季節によって移ろいゆく姿を観察することも。常緑樹と落葉樹を混ぜてみても、庭のさまざまな表情を楽しめるでしょう。

また、レンガやタイルの小径をデザインしてみたり、デッキを作ったり、枕木風のエクステリアなどアイテムを使うことで、より洋風やナチュラルな雰囲気に仕上げる こともできます。

 

<和風のお庭>

建物が和風や和モダンの場合は、やはり、和風のお庭でまとめるのは素敵ですね。石畳や敷石、飛び石を配したり、化粧砂利を用いたり、一部を苔庭にしたりと、和風の庭こそ、実はさまざまなデザインが楽しめる のです。また、樹木も和の雰囲気のものを取り入れることで、和風の庭に仕上がります。たとえば、ツバキやモクレンなど花の咲く樹木や、モミジやカエデなど紅葉する樹木を植えれば、それだけでグッと和風の庭に近づきます

また、和モダンな庭であれば、シンプルな家にも似合います。和モダンの庭の雰囲気が好みであれば、家はシンプルな外観にして、庭に少し和の要素をプラスしてみるのはいかがでしょうか。

 

【ポイントその3】
庭でどんなことをしたいか、目的を決める


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<ガーデニングを楽しむお庭>

好きな植栽や草花を庭に植えて、季節の移ろいを感じられる……。プランターでしかガーデニングが楽しめないマンションとは違って、直接土に触れられる一軒家でのガーデニングは、自由度がグッと高まります。

ガーデニングのデザインも、自然な美しさを生かしたナチュラルガーデンや、きっちり整えられたイングリッシュガーデン、多肉植物とアンティークの小物などを組み合わせたジャンクガーデンなど、好みに合わせて作り上げることができます。

ただし初心者の場合は、広い庭を自分たちでデザインしてガーデニングを行うのは難易度が高いかもしれません。デッキやレンガの小径、タイル、芝生などを大まかにデザインしてから、花壇でガーデニングを楽しむのがおすすめ。その場合は、プロの業者さんにデザインや施工をお任せするのもいいですね。広い庭の場合は、アイテムを組み合わせて、メリハリのあるデザインにするのが、素敵な庭にするポイントです。

 

<家庭菜園を楽しむお庭>

郊外で家を建てたり、別荘地などでセカンドハウスを建てるときに、広い庭を持って家庭菜園を楽しみたいというご家庭も多いのではないでしょうか。お子さんも交えて、家の庭で野菜作りをするのは、食育にも最適です。

家庭菜園を庭の一角で楽しむ程度であれば、少し大きめの花壇を確保して、そこで好きな野菜を植えたりするのも手軽でいいでしょう。 野菜のほかにもハーブ類などを植えてみるのもおすすめ。料理に使えて、香りも良く、常緑ですので一年中目でも楽しめます。

また、最近話題になっているのが「ポタジェガーデン」。ポタジェとはフランス語で菜園や家庭菜園を意味し、野菜と花を一緒に楽しめるガーデンのこと を言います。

従来の家庭菜園では、庭の中で畑にしたいエリアを決めて、そこに畝を作るのが一般的。しかしポタジェガーデンは、菜園部分も庭の一部と考えて、野菜やハーブなどと一緒に、草花も植えて楽しみます。つまり、実用性とガーデニングの楽しみを兼ねたお庭と言えます。

 

<バーベキューやヨガを楽しむお庭>

庭で週末にバーベキューをしたり、外で朝食を楽しんだり、ヨガやストレッチをしたりと、さまざまな目的で庭を使いたいのであれば、デッキを大きめに取るのがおすすめ です。デッキを設けることで、庭の面積は狭くなりますが、芝生などの手入れが難しいご家庭であれば、デッキやタイルで芝生部分を作らないというのも選択肢のひとつ です。

シンプルで素敵な家を完成させるためには、庭づくりも実はとても重要です。そして、家が完成した後の暮らしをより充実させるためにも、庭をどのように仕上げるか、どのように使うのかが大切になってきます。もし、庭のある家づくりを検討しているのであれば、家のプランニングの段階で、どんな庭づくりをしようかとイメージしておきましょう。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。