【シンプルな家づくり】工夫次第で開放感アップ。リビングを広く見せる、5つのコツと実例集

限られた敷地でも、できるだけ開放的に暮らしたいもの。家の中でも、一番広さを求めるリビングは、面積を確保できなくても、間取りとデザイン次第で開放感を出すことができます。そこで、リビングを広く見せるための5つのコツと、SUHACOが提案する10の実例集をご紹介します。

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【リビングを広く見せるコツ その1】
天井を高くして、リビングに開放感を出す

部屋の広さは一般的には、縦×横の床面積で表示されますが、人が感じる“部屋の広さ”には高さも大きく影響します。リビングの面積を広く確保できなくても、天井を高くするだけで、上方向に視野が広がり、開放感があると感じることができるのです。

吹き抜けにするというアイデアもありますが、少し天井を高くしたり、二階リビングで天井を作らずに屋根の形状を生かすだけでも、上方向への開放感が得られます。

 

<実例①>

リビングルーム
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こちらは、上階へ続く長いスケルトン階段が印象的なリビング・ダイニング。一階リビングですが、天井を高く設定したこと、またワンフロアすべてをリビング・ダイニングにしたことで開放感は抜群です。窓は決して多くはありませんが、庭に面して天井までの開口部を設けることで、縦方向に目線が抜ける効果があります。

ワンフロアの天井は、面積が大きくなってしまうこともあり、どんなデザインにするかは悩ましいところでしょう。こちらのお宅では、飾り梁をリズミカルに配置し、スケルトン階段の踏み板とリンクさせるデザインを採用。飾り梁が並んでいることで、奥行きを感じさせます。

 

<実例②>

リビングルーム
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こちらは、周囲を隣家で囲まれた、都心の住宅地に建つお宅。限られた敷地ですが、二階にあるリビング・ダイニングの天井を高く設定したことで、広さ以上に快適な空間が広がっています。 周囲の建物の関係で、大きな開口部を作ることはできませんが、曇りガラスのハイサイドライトを連続して設けることで、やわらかな光が二階リビングに入ってきます。また、天井に間接照明を配したり、高い位置だけに開口部を設けたことで、リビングルームに入ったときに視線が上へ上へと行くような効果もあります。

限られた空間をより快適に過ごすためのアイデアはほかにも。壁面にダイレクトに取り付けられたテレビと、宙に浮いたような作り付けの棚のおかげで、テレビ台を置く必要がなく、空間をより有効活用することができます。

 

【リビングを広く見せるコツ その2】
高さのある窓や、ワイドな窓を取り入れる

リビングに大きな開口部があると、視線が窓の外まで広がり、空間も広く感じられます。 さらに、天井までのハイサイドライトを設ければ、家にいながらにして空を眺めることもでき、より開放感を得ることができるでしょう。

 

<実例①>

リビングルーム
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家の前の豊かな緑を借景として取り込める、天井までの大きな開口部を持つこちらのお宅。開口部に向かって天井が高くなっていく形状になっていて、窓側に向かって開放感が得られるデザインになっています。

こちらのように、間取りの関係で窓を一部の面にしか作ることができなくても、天井までの大開口にすることで、視線が外まで抜け、広さ以上に開放感があります。

 

<実例②>

大開口の家
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こちらは、敷地が高台にあり、また二階リビングにすることで、周囲の住宅と生活スペースの高さを変えることができています。そのため、リビングにダイナミックな大開口を設けることができ、リビングの面積以上の広さを感じることができています。

さらに、一階からの階段を家の中央に配置し、階段を上階へ上がっていく際に、空に向かって登っていくような演出も加えています。

 

<リビングを広く見せるコツ その3>
テラスの壁を高くして、広いと錯覚させる

二階リビングなどにテラスを設ける場合に、テラスの壁をぐっと高くすることで、リビングの広さを錯覚させるテクニックもあります。 大きな開口部の先にテラスがあるような間取りの場合、テラスを少し高めの壁でぐるりと囲みます。リビングの床と、テラスの床を同じような素材や色で揃えると、まるでリビングルームがテラスの壁まで続いているように見えるのです。狭小住宅でより開放感を出すためのテクニックでもありますが、周囲からの視線をシャットアウトして、よりプライベートなテラスとして使えるなど、実はさまざまなメリットがあります。

 

<実例①>

リビングルーム
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こちらのお宅は、バルコニーの床とリビングの床の素材や色を統一させることで、リビングが白い外壁まで続いているように見えます。 こうすることで、リビングがより広く感じられる効果があります。また、人の背丈ほどの壁を設けることで、周囲からの視線をしっかり遮ることができ、バルコニー自体も使い勝手のよい空間に。このようなデザインにしたことで、室内側からは白い壁と青い空だけが見え、周囲の喧騒や生活感を感じさせないなどのメリットもあります。

 

<実例②>

リビングルーム
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バルコニーの床をリビングと同じ色にし、高さも揃え、さらに壁をぐっと高くすることで、リビング空間がバルコニー側まで続いて広く感じられる効果があります。 たとえば、日差しがよく入る方角に隣家があっても、このようなデザインにすれば、開口部を大きく取ることができるのです。二階リビングであれば、斜め上からの陽光がたっぷり室内に入るので、周囲の建物が密接して建っていても、採光はしっかりと確保することができます。

 

<リビングを広く見せるコツ その4>
中庭やデッキとつなげて、一体感を出す

リビングと隣接させて、庭やデッキ、バルコニーなどとつなげることで、空間同士のつながりが生まれて、リビングをより広く感じることができます。 また、リビングと外空間がつながっていることで、庭やデッキに出やすくなり、より暮らしを充実させることもできるでしょう。天気のいい日には外で食事をしたり、トレーニングやヨガをしたりと、第二のリビングとして使うのもいいですね。

 

<実例①>

アウトドアリビング
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リビング・ダイニングを囲むように、L字型に作られたデッキ。外とつながる開口部をフルオープンにできるようにしたことで、室内とデッキを同じ空間として使うことができます。 また、リビングの床とデッキの床を揃えたことで、より一体感が得られます。高台の敷地だったり、周囲の建物との距離があれば、ダイナミックな開口部が実現できます。

このようなデザインにすることで、リビング・ダイニングがデッキまで続いているように感じられ、面積以上に広さと開放感が得られるでしょう。

 

<実例②>

植物のある部屋
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壁と建物で囲まれた、完全プライベートな中庭のあるお宅。リビングとダイレクトにつなげたことで、アウトドアリビングとして使うことができます。 さらに、リビング側から見てみると、窓の外にもリビングが続いているように見えます。ぐるりと囲まれた中庭であれば、窓を開け放って気持ちよくつなげることもできるでしょう。

さらに、天井も高くしていることで、縦方向にも視線がのび、より広さを感じます。中庭は高い壁に囲まれていますが、天井までのハイサイドライトを設けたことで、視線が壁よりも外側へと広がっていきます。

 

<リビングを広く見せるコツ その5>
できるだけ空間を区切らずにつなげる

リビングと隣接させて、その一角に和室や多目的ルームなどを作るお宅も多いでしょう。とくに、小さなお子さんがいるご家庭では、シンプルなワンフロアの間取りよりも、区切ることができる空間があると便利。昼寝をしたり、プレイルームとして使ったりと、さまざまな使い方ができます。

ただし、最初から空間を区切ってしまうのではなく、普段はリビングの一角として開放しておき、必要な時にだけ引き戸などで区切れるようにしておくのがおすすめです。引き戸が空いている状態では、リビングルームと同じ空間に見えるので、リビングをより広く見せることができます。

 

<実例①>

ロフトのあるリビングルーム
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階段付近のスペースを活用して、小さな畳空間を設けたこちらのお宅。ちょっとした小さな空間ですが、その上部をロフトにするなど、遊び心と機能性を形にした間取りになっています。プラスαの空間を取り入れながら、リビングと隣接させることで、空間全体をワンフロアとして使うことができています。 できるだけ仕切りを設けず、ひとつの空間として使うことで、限られたスペースを最大限に広く見せることができるでしょう。

 

<実例②>

二階の造作収納
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リビングの一角に、小さな個室を設けているこちらのお宅。仕切り部分を引き戸にすることで、普段はフルオープンにでき、リビングの一部として広く見せることができます。必要に応じて引き戸で仕切れば、個室として使うことも。将来的には完全に仕切ることもできるように間取りを考えておき、ライフスタイルの変化に合わせて使っていくのもいいですね。

リビングの広さは、その敷地の面積や、ほかの部屋との兼ね合いもあり、理想通りの広さを確保できないこともあるでしょう。そうであれば、面積はそのままでも、天井を高くしたり、開口部を大きく取ったり、中庭やデッキとつなげるなど、間取りやデザインを工夫することで、面積以上に広さや開放感を得ることができるのです。ぜひ、家づくりをする際には、参考にしてみてください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。