憧れのパントリーのあるキッチン|メリットとデメリット、間取りづくりのポイントとは

パントリーのあるキッチン…。家づくりをする人にとっては憧れの空間ですよね。食料品や飲料水、日用品、買いだめしたストック類などを収納するためにパントリーがあることで、キッチンもすっきり整理整頓ができて、収納力にも余裕が生まれます。これから家づくりをするのであれば、パントリーのあるキッチンを検討してみてはいかがでしょうか。今回は、パントリーを設けるメリットとデメリット、また間取りのポイントとSUHACOの実例をご紹介します。

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キッチンまわりに設けるパントリーとは

パントリーとは、キッチンの周辺に設けた、常温保存ができる食料品や食器類、日用品などのストック類を収納するスペースのこと。日本語では食品庫などと呼ぶこともあります。もともとは、ホテルの厨房に隣接した配膳室のことを指していましたが、最近は個人の住宅でも、パントリーという呼び名が一般的に使われるようになってきています。

 

パントリーを設置するメリットとデメリットとは

パントリー

キッチンの周辺にパントリーを設けることで、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

<メリット その①>
キッチンの収納力がアップする

パントリーを作る一番のメリットは、収納力がアップすること。食料品や飲料水などはもちろん、日用品などのストック類をたっぷり収納することができます。とくに、大人数のご家庭や、これから育ち盛りのお子さんがいる場合などは、パントリーを設けることでのメリットが大きいでしょう。

パントリーは、基本的に食料品などをしまっておく場所ではありますが、リビングやダイニングで使う細々したものなどを収納しておくのも便利。さらに、普段はあまり使わない、ホームベーカリーやホットプレート、カセットコンロなどの小型の調理器具を置いておくのにも重宝します。

 

<メリット その②>
まとめ買いの食品などをストックできる

キッチン下や背面などの収納は、スペースの関係で限りがあります。よく使う食器類、お鍋など調理器具、料理に使う調味料や乾物類などは、すぐに手が届く場所に置いておくのが便利です。しかし、必要なときだけ取り出せばOKな食品のストックだったり、まとめ買いした日用品などは、パントリーのようにキッチンとは別の場所に置いておく方が使いやすいでしょう。

 

<メリット その③>
防災への備えとして、備蓄品を収納できる

災害に備えて、食品や飲料水などを多めにストックしているという人も多いのではないでしょうか。ただし、備蓄品をどこに置いておくのかは、なかなか悩ましいところです。ウォークインクローゼットや玄関近くの収納などに入れておくご家庭も多いですが、その場合は、賞味期限などをしっかり管理することが重要に。家事をする場所から遠くに置いておくと、普段目にする機会がほとんどなく、いざ使うときになって賞味期限切れになっていた…なんてことにもなりかねません。

そこでおすすめなのが、パントリーでの管理。キッチンの比較的近くで、こまめにチェックできる場所に置いてあることで、ローリングストックとして管理することができます。ローリングストックとは、普段使う食品を多く買いだめしておき、賞味期限が近いものから消費していって、消費したら買い足すようにする方法。保存期間の長い非常食に加えて、このようにローリングストックできるものを併用するのがおすすめです。パントリーがあることで、このような備蓄方法を実践することができ、無駄なく備蓄品を使うことができます。

 

<メリット その④>
整理整頓がしやすく、目的のものが探しやすい

パントリーは、オープン棚になっていることが多いので、ものを見つけやすいというメリットがあります。また、引き出しや扉がないデザインにすれば、サッとものが取り出しやすいのも特徴です。大きなものは棚の並べ、細かなものはカゴ類などを活用して収納すると、整理整頓もしやすいでしょう。

またパントリーがあることで、キッチンに置くものが少なくなり、キッチンをきれいな状態で維持することもできます。すぐに使わないもの、使用頻度が低いものはパントリーへ、よく使うものはキッチン下の収納など、使う頻度に合わせてしまう場所を決めると、整理しやすくなるでしょう。

 

パントリーを設ける場合には、デメリットもあることを確認しておきましょう。

 

<デメリット その①>
キッチンのスペースに、プラスαの空間が必要

パントリーがあれば、収納力はグンとアップしますが、もちろんその分、スペースが必要になります。とくに、ウォークインタイプのパントリーであれば、ある程度の広さが必要になります。そしてその分、キッチンやダイニングの面積が狭くなってしまうことも頭に入れておきましょう。パントリーのスペースを確保した上で、キッチンが使いやすい動線になっているか、広さは十分かどうかを検討するようにしましょう。

 

<デメリット その②>
パントリーを設置する分、余計に費用がかかる

パントリーの広さにもよりますが、収納を作るには費用がかかってしまいます。ウォークインタイプの場合は、内装も必要になりますので、さらに費用は高くなってしまうことも。費用面や間取りの面で無理のないプランニングかどうか、しっかり検討する必要があります。

 

パントリーの間取りを考える際のポイント&実例

キッチンとパントリーをプランニングする際に、どのような間取りにするかは悩ましいところ。そこで、家族の暮らし方に合わせて、実例を参考にしながら間取りを検討してみましょう。

 

<間取りのポイント その①>
広さを確保したいなら、ウォークインタイプ

キッチンの一角にパントリーを設ける場合、オープンタイプにすることで、まずはキッチンとパントリーの行き来がしやすいというメリットがあります。調理中にものを取りに行くときにも、いちいち扉を開ける必要があると、意外と手間がかかってしまうものです。また、買い物から帰ってきて、ストック類などを収納する際にも、扉がない方がスムーズです。

また扉がないので、パントリーの分もキッチンが広く感じられる効果も。しかし、完全にオープンだと収納したものが丸見えになってしまうので、一部分だけをオープンにしたり、リビング・ダイニング側からは見えないような配置にすると、使いやすいパントリーが実現します。

 

【実例1】キッチン近くで、出入りしやすさも◎

パントリー
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こちらのお宅では、キッチンのすぐ横にパントリーを配置。キッチンから数歩で行ける位置にあり、パントリーもオープンタイプなので、行き来もスムーズにできます。一部分のみがオープンになっているため、リビング側からは収納内がわずかに見える程度。生活感もあまり感じさせません。

 

【実例2】広々とした、窓つきタイプ

パントリー
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キッチンの奥側に設置されたパントリー。ウォークインタイプで、広さもたっぷり取っています。小さな窓もあり、換気ができて、電気をつけなくても使うことができるのもポイントです。オープンタイプのパントリーですが、リビング側からは壁に隠れているので、収納内が丸見えになることもありません。

 

<間取りのポイント その②>
生活感を隠すなら、扉付きタイプ

パントリーには、いろいろな食品や日用品を置くことになるので、リビング・ダイニング側から見える位置に配置するのであれば、扉をつける方がいいでしょう。キッチンの背面にパントリーを設ける場合は、スライドタイプの扉にすると、ものが取り出しやすくなります。

 

【実例1】家電も丸ごと隠せる、扉付きタイプ

パントリー
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こちらのお宅の場合は、キッチンの背面に、奥行きのあるパントリーを設置。パントリー内に使いやすくお気に入りの収納棚を置くために、事前に棚のサイズや高さなどを合わせて設計しています。大きなスライド扉を閉めると、収納棚はもちろん、電子レンジや冷蔵庫なども一気に隠すことができます。

 

【実例2】キッチン背面にスリムな収納を

パントリー
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スペースに限りがあり、ウォークインタイプのパントリーを作ることができない場合は、キッチンの背面に収納兼パントリーを。こちらのお宅のように、壁面に棚と引き出しを組み合わせて造作し、それを天井までの扉で隠すようなデザインにすることもできます。このような間取りにすることで、コンパクトなキッチンでも、パントリーのような空間を作ることができます。

 

パントリーを作ることで収納力が上がり、キッチンやダイニングまわりの整理整頓もしやすくなります。また、災害に対して意識が高まる中で、パントリーがあればローリングストックを実践することもでき、食料品の無駄もなくなるかもしれません。

ただし、パントリーはキッチンにプラスαのスペースが必要だったり、費用がかかってしまうなど注意点もあります。家族の暮らしにパントリーが必要かどうか、慎重に検討してみてください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。