シンプルな家は外観でキマる!かっこいい家づくりのための3つのコツと実例集

家の印象を決定づけるのは、何と言っても家の顔でもある“外観”です。さらに外観のデザインは、住む人のセンスや人柄が出やすい場所でもあるのです。そこでおすすめなのが、究極にシンプルな外観の家。まっさらなキャンパスのような外観であれば、自分らしいエッセンスを少しずつ足しながら暮らすことができます。そこで、無駄を省いたシンプルな家を建てるためのコツと、素敵な外観の実例集をご紹介します。

 

家の顔にもなる「外観」の役割とは


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家の外観は、住む人にとっては我が家の“顔”。そして、訪れる人にとってはその家の第一印象となり、近所に暮らす人にとっては住む人そのものの印象にも繋がるのです。つまり、家の外観はその家らしさを表現できる要素であり、デザイン次第では、素敵な暮らしを想像させることもできます。だからこそ、シンプルな暮らしを実現するには、家の外観からしっかりこだわって作ることが大切なのです。

また、外観を考える際には、周囲の環境との調和もしっかり考える必要があります。家は街の風景の一部になるのですから、極端に奇抜なフォルムや色にして、街並みの調和を崩してしまうのは考えもの。周囲の家や街路樹、景観を踏まえたうえで、外観をデザインするようにします。

さらに、これから何十年も住む家ですから、メンテナンスのことも考慮してデザインしたり、素材選びをしましょう。5年後、10年後、20年後と、定期的に外壁の塗装や補修などをすることも頭に入れておくことも大切です。

 

 

シンプルな外観にするための、3つのコツ

家づくりで外観を考える際には、大きく3つの要素を決めていきます。シンプルでかっこいいデザインの家を実現するためには、選び方のコツを知っておくといいでしょう。

 

<1>
家のフォルムはスッキリシンプルに!


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第一に考えるのが、「家のフォルム」です。箱型の家や、三角の家、丸みのあるデザインなど、全体のフォルムを考えます。フォルムによって、外観の印象は大きく変わるでしょう。

たとえば、勾配屋根の三角フォルムは、一般的にスタイリッシュな印象を与えます。勾配が強ければ強いほどシャープな印象になり、勾配が緩ければ優しい印象にもなります。また、箱型の家は個性的でおしゃれな印象に。真四角のキューブ型だったり、細長い箱型など、形によっても印象は変わります。

どんな印象の家にしたいかによって、外観のデザインも決めていきましょう。シンプルな家を建てたいのであれば、できるだけ余計な飾りのない、シンプルなフォルムの家を選ぶようにします。

 

<2>
窓の数と大きさはできるだけコンパクトに!


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次に、開口部の数や大きさを決めます。通りから家の正面を見たときに、大きな開口部があるよりも、できるだけ小さな開口部にして数を抑えることで、外壁の面積が大きくなり、外観のシンプルさが際立ちます。開口部が大きく、数が多いと、どうしても生活感が出てしまうということがあります。

たとえば、こちらのお宅のように、一階は小さな窓をひとつ設けて、二階部分は高い壁で囲んだ中庭のある間取りに。こうすることで、中庭に面して大きな開口部を作ることができ、外からは大きな箱が浮いているような、個性的な外観にすることができます。フォルムは少し複雑な形をしていますが、開口部が少ないことで、スッキリと見せることに成功している実例です。

 

<3>
外壁は単色のベーシックカラーで!


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3つ目の要素は、「素材と色」です。最近は、外観に二色を使うツートンカラーの家も多いですが、シンプルな家を目指すのであれば、一色でまとめるのがおすすめ。たとえば、真っ白なオフホワイトの家は、青空によく映えます。ベージュのような色を選ぶと、少し温かみのある雰囲気の外観に仕上がります。白い家は、外構まわりの植栽がよく映えたり、駐車場に置く車の色を選ばないなど、さまざまなメリットがあります。

また、素材もマットなものを選べば、よりシンプルに。逆に、少し素材感のあるものを選ぶと、より個性が出る外観になります。色選びや素材選びは、なかなか完成のイメージをするのが難しいですが、住宅メーカーや設計会社にイメージ画を出してもらい、雰囲気を確認するといいでしょう。

シンプルな家を実現させるには、この3つの要素を検討する際に、できるだけスッキリとシンプルに見える選び方をすると良いでしょう。

 

 

外構や玄関まわりもシンプルに統一

家の外観を見た後に、次に目が行くのが外構や玄関まわりでしょう。シンプルな家を実現させるためには、家の外観だけではなく、外構や玄関まわりのデザインにもこだわりたいもの。玄関扉は外観の一部になりますし、どんなデザインや素材のものを選ぶかで、外観の印象も大きく変わります。


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たとえばこちらのお宅は、外観デザインと合わせた雰囲気で、玄関ドアの色や素材感をチョイス。白とグレーをバランスよくミックスさせて、モダンでシンプルに仕上げています。こういったシンプルなデザインにすることで、外構で植えられた植栽がよく映えるでしょう。門柱やポストなども、外観にスッと馴染むデザインを採用していますね。

 


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もしくはあえて異素材でポイントにするのもあり。こちらのお宅では、シンプルな外観に、木の扉を選択。スッキリした外観だからこそ、扉の存在感もしっかりあり、うまく調和しています。木を取り入れることで、少し温もりのある優しい印象になりますね。

 

 

お手本にしたい、シンプルな外観の実例集

外観は家を印象付ける大きな要素であるからこそ、外観のデザイン選びはなかなか難しいものです。注文住宅であれば選択肢の自由度も高くなり、なおさら悩ましいところ。そこで、実際にシンプルな外観の実例をご紹介します。

 

<シンプルな家の実例1>
箱型の家で、とことんシンプルを追求する!


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住宅街を歩いていて、似たような色やデザインの家が多く並ぶなかで、人の目を引く印象的な家は、究極にシンプルな家であることも多いでしょう。たとえばこちらのお宅のように、フォルムが非常にシンプルで、開口部がほとんどない家は、それだけでパッと目を引く存在感があります。真っ白な外観に、ビビットカラーのポストや、可愛い形の植栽など、何かポイントを置いても素敵ですね。

 

<シンプルな家の実例2>
開口部を一切設けず、生活感を感じさせないデザインに


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真四角の外観に玄関扉がひとつあるだけの、非常にシンプルな外観の家。開口部が全くない分、扉の向こう側にはどんな人が住んでいるんだろう、どんな空間が広がっているんだろうと、想像力が掻き立てられます。そして、閉じられた外観と、一歩家に入った時のギャップに、訪れた人を目で楽しませてくれる家です。

 

<シンプルな家の実例3>
2つの白い箱がバランスよく調和する家


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2つの箱が並んだ、個性的な外観の家。開口部は内側に集中させ、通りから見える部分はできるだけ窓を少なくしてプライバシーを確保。直線が多用されたデザインのため、全体的にシャープな印象を与えますが、室内は木のぬくもりが感じられる空間が広がるという、とても魅力的な建物です。通りからは2つの建物が重なって見え、まるでひとつの建物になっているように錯覚します。

 

<シンプルな家の実例4>
大きな箱が存在感満点の、スタイリッシュな家


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こちらのお宅は、二階部分の突出部分が中庭になっているデザイン。遠くから見ると、大きな箱が上に乗っているように見えますが、その一部がくり抜かれているユニークな形をしています。家の中から外を望むと、真っ白な壁の一部分に外の通りのグリーンが見える仕掛けになっていて、家の中と外の景色をつなぐトンネルのような役割をしています。

 

<シンプルな家の実例5>
夜のライトアップで、外壁の表情も美しく!


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シンプルな外観の家は、実は夜の姿も素敵だったりします。小さな開口部から温かな光が漏れ、さらに玄関先や植栽の中からスポットライトで照らすことで、雰囲気のある外観に演出できます。開口部が少なく、外壁部分が大きいことで、ライトで照らし出された壁が美しく見え、夜でも通りを歩いている人の目を引きます。

 

<シンプルな家の実例6>
カラーの選び方次第で、落ち着いた雰囲気にも


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クールな印象の外観にするなら、こちらのお宅のように、少しダークな色をセレクトしてみるのもおすすめです。落ち着いた色味を選べば、周囲の町並みともしっくりと馴染みます。フォルムをフラットにすることで、シンプルに見せることができ、また開口部の数は多いものの、できるだけ小さな窓に抑え、生活感の出ないデザインにしています。

 

<シンプルな家の実例7>
箱を組み合わせたような個性派デザイン


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複数の黒い箱を組み合わせたような、個性的なデザインの家。フォルムが少し複雑でも、素材や色に統一感を出せば、シンプルな外観は実現できます。白一色の家は、シンプルでスッキリとした印象がありますが、黒一色を選ぶと、一気にカッコいい雰囲気に変わります。

 

注文住宅での家づくりは、選択する自由度が高い分、外観のデザインを決めるときには迷ってしまうもの。シンプルな暮らしをしたいのであれば、そんな暮らしを想像させるような、シンプルな外観の家を建てるのがおすすめです。実例集を参考にイメージをして、設計士さんや住宅メーカーの方に相談しながら、素敵な外観のシンプルな家を実現させてみてくださいね。

文/内田あり

 

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。