シンボルツリーやオブジェのような外階段…。おしゃれに見える、中庭のある家の実例集

プライベートな空間でありながら、青空の下で風を感じながら過ごすことができる、中庭のある家での暮らし。外ごはんを楽しんだり、ヨガやストレッチをしたり、ガーデニングやDIY、読書をしたりと、さまざまな過ごし方ができます。そんな空間が家の中にあることで、暮らしがより豊かになることこそ、中庭のある家の醍醐味です。

しかし、ただ中庭空間を作ればいいというものではありません。家の中心にある中庭だからこそ、空間をおしゃれに見せたり、中庭をより楽しむためのアイテムを選んだりと、ちょっとした工夫が必要に。そこで、空間をより楽しむための、中庭のデザイン例や実例集をご紹介します。
 

中庭のある家のメリットと、その特徴とは

間取りに中庭がある家は、外から見ると特徴的な外観をしています。それは、外に向かってほとんど開口部がなく、内側にある中庭に向かって大きな開口部を設けている点。そのため、通りから見ると窓が極端に少なく、非常にシンプルな外観をしています。

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シンプルで開口部が少ない外観は、家族のプライバシーを守り、周囲の家からの視線をシャットアウトする意味でのメリットが大きいでしょう。また、通りに面して大きな開口部を設けるのは難しいですが、中庭に向かってであれば、ダイナミックな窓の取り方が実現できます。

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<中庭があることでのメリット>
・外気を感じながらも、プラベートな時間が過ごせる
・中庭に向かって大きな開口部を設けられるので、狭小住宅などでも室内が明るくなる
・中央に向かって開口していることで、家族の気配をいつでも感じられる
・夏場などは気兼ねなく窓をオープンでき、風通しが確保できる
・アウトドアリビングとして、外で食事をしたりとさまざまな活用ができる
・防犯面でも安心できる
・洗濯物を干しても、近所の目が気にならない
・子どもやペットを安心して遊ばせることができる

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また、これからのニューノーマルな暮らしでは、家での楽しみが増える中庭はますます注目されていくでしょう。リモートワークの普及で家での時間が増えるため、仕事の合間や仕事終わりに気分転換ができる空間としても活用できそうです。また、外遊びがなかなかできなかったり、週末に出かけられなくても、家に外空間があることで、家時間をより楽しむことができます。
 

中庭を作る前に、知っておきたいデメリットとは

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間取りに中庭のある家を建てるということは、およそ、ひと部屋分の居住スペースを削って中庭を作ることになります。もちろん、メリットだけを考えれば、ワクワクするような素敵な暮らしを送ることができそうですが、そこにはデメリットがあることも忘れずに。

<中庭があることでのデメリット>
・中庭も掃除や手入れ、メンテナンスが必要になる
・中庭を設ける分、居住面積が狭くなってしまう
・中庭に面して開口部が多くなると、室内の断熱性が下がってしまう
・建物の形が複雑になり、建築費用がかかってしまう可能性がある
・外に向かっての開放感がないので、景色があまり楽しめない

たとえば、中庭を作ってみたものの、日の当たる時間が短かったり、風通しが悪く湿気がたまりやすいなど、実際に暮らしてみてから中庭の欠点が見えてくる場合もあります。そうなると、結局はほとんど使わない無駄な空間になってしまうことも。頻繁に中庭に出なくなると、だんだんと汚れてきてしまい、素敵な空間から程遠くなってしまうことも考えられます。

そうならないためにも、日当たりや風通しなどは間取りやデザインの段階で、しっかりと検討して対策をしておくことが大切。中庭の使い道をあらかじめ想定しておいて、作る位置や広さを考えておきましょう。
 

中庭のデザインや素材選びで雰囲気は変わる!

中庭は選ぶ素材やデザインによって、雰囲気はがらりと変わります。実際に、どんな素材を選ぶと、イメージ通りの中庭になるのかを知るには実例を見るのが一番。そこで、デザインや素材の実例集をご紹介します。

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フローリングとデッキの色と床の高さを揃えると、室内からの広がりが感じられる効果があります。中庭の壁を高く、そして室内と同じ白で統一することで、より空間が広がっているように感じられるでしょう。

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中庭の床をすべてメッシュにすることで、上下の開放感が得られます。床で完全に区切ってしまうのではなく、風と光を通すメッシュで仕切ることで、上下のつながりが感じられるでしょう。このような素材選びは、狭小住宅などでよく使われるアイデアで、階下にも光が届くメリットがあります。

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都市部の狭小住宅地などでは、中庭を作るスペースさえ確保できない場合も。そんなときは、屋上部分を中庭のようにするのも、ひとつのアイデアです。壁を少し高めにすれば、周囲からの視線も気になりません。青空の下でリクライニングチェアやソファに寝そべる時間は格別です。

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中庭の床素材には、メッシュと木製の2種類を併用。こうすることで、リビング側とのつながりを感じながらも、風と光が上下に通り抜けるという、一石二鳥の中庭アイデアです。植栽が見えるようにデザインを工夫して、家にいながらにも自然を感じられるのもいいですね。

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建物と壁に囲まれた中庭と、その上には開放感のある屋上。外空間を二層にしたことで、家の中に立体感が生まれました。完全にプライベートな中庭と、周囲の景色が楽しめる屋上と、楽しみ方も倍に。さらに、中庭部分をメッシュにしたことで、上下に光と風が通り抜ける、開放感抜群の家になっています。
 

中庭に置くアイテム選びで、センスに差が出る

中庭をただの空間だけにしておくのは、実はとてももったいないのです。中庭スペースに、自然が感じられるシンボルツリーや、ちょっとしたアイテムやモチーフを取り入れることで、空間がおしゃれに変わります。実際に、中庭の暮らしを楽しんでいるみなさんが、どんな中庭ライフを送っているのかをご紹介します。

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中庭を広めに取れるのであれば、大きなシンボルツリーを植えたり、外階段をつけてみると、中庭の雰囲気がグッと素敵に変わります。また、印象的なチェアを置くのもおすすめ。こんな素敵な空間で、木陰で読書をしたり、ゴロンとデッキに寝そべったり、お天気のいい日にはお茶やランチをするのもいいですね。一階部分に中庭を作るのであれば、上下の広がりが感じられるのもメリットです。

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こちらは、あえて床材をがらりと変えて、室内と中庭をしっかり区切っています。コンクリート打ちっ放しの壁が、モダンでシンプルな印象。また、中庭の壁部分に開口部を設けたり、上階の床をメッシュ素材にすることで、風と光が通り抜けるように。このデザインのおかげで、中庭が明るく気持ちのよい空間になります。

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デッキにテーブルと椅子を置けば、いつでも外ごはんやお茶が楽しめます。外壁が高ければ、周囲からの視線も気になりません。また、開口部はフルオープンにできるタイプを選ぶと、室内との一体感も楽しめます。

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広い敷地にどっしりと構えた平屋の家。そんな平屋の中庭は、子供たちやペットが楽しめるような工夫を随所にされています。人工芝部分とデッキ部分を両方用意することで、楽しみ方に幅をもたせたり、少し段差を設けることで腰掛けることも。大きなシェードを設置すれば、適度な日陰も確保できます。
 

中庭はシンプルに空間だけにしておいてもいいですが、プラスαでアイテムを加えると、より楽しみが増えます。また、素材やデザイン選び次第では、空間がよりおしゃれに見えたり、家族が心地よく使えるスペースになることも。中庭のある家づくりを検討している方は、ぜひ素敵な中庭の実例を参考にしてみてくださいね。

文/内田あり

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。