コートハウスの間取り、5つの実例集。中庭の位置で暮らしはどう変わる?

コートハウスとは、家の中心や一角に、建物や壁で囲まれた中庭やテラスがある家のこと。このように、家の中に外空間を設けることで、暮らしの質は大きく変わります。さらに、コートハウスの大きな特徴でもある囲まれた中庭であることで、オープンになっている庭やテラスとは違った楽しみ方があるのです。今回は、SUHACOの5つの実例を見ながら、中庭の位置によって暮らしがどう変わるのかをご紹介します。

 

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コートハウスの特徴と、メリットとデメリットとは

コートハウスの家
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コートハウスという言葉、あまり聞きなれないという方も多いかもしれません。しかし、これから家づくりをするのであれは、ぜひ知っておきたいワード。まずは、コートハウスの特徴や、間取りに取り入れることによるメリット、さらにデメリットもご紹介します。

 

<コートハウスとは>
コートハウスとは、家の中心もしくは一角に、建物や壁で囲まれた中庭やテラスを設けた家のことを指します。中庭が高い壁などで囲まれていることで、周囲からの視線をシャットアウトし、プライバシーが保たれていることが大きな特徴。さらに、その場所が家族間のコミュニケーションの場となるなどのメリットもあります。

コートハウスはそもそも、ギリシャやイスラム圏の国々、そしてヨーロッパの都市部などで、昔からよく見られる住宅スタイル。日本では、京都の町屋もこのスタイルを取り入れた住宅といわれています。

最近は、家で過ごす時間を大切にするご家族も増え、中庭のある家が再び注目されはじめています。また、人気のアウトドアリビングとしても、コートハウスは最適です。

 

<コートハウスのメリット>
・外空間でありながら、プラベートな時間が楽しめる
・中庭に向かって開口を設けることで、室内が明るくなる
・気兼ねなく窓をオープンにできて、風通しが確保できる
・アウトドアリビングとして、さまざまな活用ができる
・防犯面でも安心感がある
・洗濯物を干すのも、近所の目が気にならない
・子どもやペットを安心して遊ばせることができる
・コロナ禍において、家にいながらに外遊びができる

 

<コートハウスのデメリット>
・建物の形が複雑になり、建築費用がかかってしまう
・中庭を設ける分、居住面積が狭くなってしまう
・窓がたくさんあることで、断熱性が下がってしまう
・中庭も掃除や手入れ、メンテナンスが必要になる
・外に向かっての開放感がないので、景色はあまり楽しめない

 

 

 

中庭の位置によって、暮らし方はこう変わる【5つの実例】

 

<コートハウス  実例その①>
ワイルドに使える一階中庭は、洗面所につなげて

中庭の写真
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こちらのお宅は、余裕のある敷地に建つ平屋建て住宅。敷地が広ければオープンな庭を設けることもできますが、あえて建物と壁で囲まれた中庭のある間取りにしています。こうすることで、完全にプライベートな庭として使うことができ、周囲の視線を気にせずに過ごすことができます。

また、一階に設けた中庭にデッキを張るご家庭も多いですが、あえて土のままにしていることで、中庭の活用方法も幅が広がります。たとえば、植物や花を植えて楽しんだり、四季を感じさせるシンボルツリーを植えたりと、自然を身近に感じることができます。さらに、お子さんが土いじりをして遊ぶことができたり、ペットを自由に走り回らせたり、地面に近い暮らしが楽しめるでしょう。もちろん、アウトドア気分で外ご飯を楽しむのもいいですね

このように、土いじりができる中庭であれば、洗面所をつなげる間取りにするのがおすすめ。手足が汚れたらすぐにお風呂場や洗面所に行けるのは、何かと便利ですね。とくに、小さなお子さんやペットのいるご家庭では重宝するはず。さらに、中庭は洗濯物を干すスペースとしても使えるので、洗濯機のある洗面所が隣にあるのは、生活動線の面でもメリットが大きいでしょう。

 

 

<コートハウス  実例その②>
一階中庭でデッキを張れば、木陰のある癒し空間に

アウトドアリビングの写真
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一階に設ける中庭でも、デッキを張るだけで、土のある庭とはまた違った使い方ができます。テーブルやリラックスチェア、ベンチなどを置けば、ただの中庭が癒し空間に早変わり。デッキがあれば、ヨガマットを敷いてヨガやストレッチをしたり、ゴロンと横になってくつろぐこともできるでしょう。

また、一階の中庭であれば、デッキを張っていてもシンボルツリーを配することができます。こちらのお宅では、中庭の真ん中に大きなシンボルツリーを植えて、適度な木陰を作っています。夏は上からの日差しが強く暑くなるので、このようなアイデアを取り入れてみるのもおすすめです。

シンボルツリーは家が年月を刻むとともに少しずつ成長し、二階からも楽しめるようになります。常緑の木もいいですが、あえて落葉樹のシンボルツリーを選べば、四季折々の移り変わりを楽しむこともできます。中庭は、家にいながらにして四季を感じることができるのです。

 

 

<コートハウス  実例その③>
二階中庭は、部屋同士をつなぐコミュニケーションの場に

中庭の写真
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二階住宅のコートハウスの場合は、二階部分に中庭を設けることが多いでしょう。その方がよりプライバシーがしっかり守られた空間になり、日当たりの良さも確保しやすいでしょう。

また、建物に囲まれた中庭は、コミュニケーションの場としても大事な役割を果たします。家の中心に中庭空間を配することで、部屋と部屋を行き来することができ、自然と家族が集まってくる場所にもなります。お天気のいい日には、窓を大きく解放すれば、家全体がひと続きに。家族の声や気配がいつも感じられるでしょう。このような間取りは、アウトドアリビングとしても活用できます。

さらに、中庭に向かって開口部を作ることができるので、どの部屋も陽光が確保できるのも特徴です。まわりの道路に向かっては小さな開口部のみにすれば、プライバシーもしっかり確保できます。

 

 

<コートハウス  実例その④>
リビングの延長上にテラスを設けて、開放感アップ!

中庭の写真
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テラスとリビングルームとを隣り合わせに配置した間取りの場合、テラスを高い壁で囲んでいることで、視覚的に空間が広く見えるというメリットが生まれます。たとえばこちらのお宅では、テラスがあることでリビングが延長されているように見え、窓の先の白い壁までリビングが続いているように見えます。

さらに、床の素材を室内と外でなるべく揃えることで、この視覚的な効果は大きく感じられるでしょう。高い壁があることで、周囲から見られる心配もなく、大開口も実現できます。

また、テラスを挟んでいることで、前の道路との距離も確保でき、周囲の“音”をある程度カットすることができます。都心部ではどうしても、まわりの音が気になることも多いので、このような住宅環境ではコートハウスを検討してみるのもいいでしょう。

 

 

<コートハウス  実例その⑤>
エントランスに中庭を設けて、ウェルカムスペースに

エントランスに中庭を配した写真
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中庭とリビングが隣り合うお宅は多いですが、こちらは、玄関と中庭をつなげたユニークな間取り。エントランスの階段を上がってくると、まずはこの中庭空間が出迎えてくれます。ちょっとしたテーブルセットを置いておけば、ここで来客と話をすることもできそうです。シンボルツリーの緑があり、上階からの日差しも入り、そして適度な木陰のある、心地よい空間になっています。

また、これだけの広さがあれば、ここでDIYを楽しんだり、自転車いじりをすることもできるでしょう。玄関に近い部分に中庭を設けることで、ガレージのような使い方もできます。

この中庭は、個室にもつながるような間取りになっていることで、室内との行き来もスムーズ。大きな家具や荷物を家の中に運ぶのにも、便利に使えます。荷物の一時置き場としても、中庭は重宝しますね。

 

 

 

コートハウスとひと言で言っても、中庭やテラスを間取りのどこに配するかによって、使い勝手や楽しみ方は変わってきます。家族構成やライフスタイルによって、また中庭をどんな使い方をしたいかによって、間取りを考えてみるのがいいでしょう。

SUHACOでは、中庭のあるコートハウスを数多く手がけています。ぜひ、オープンハウスなどでご覧ください。

 

 

 

 

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。