子育てファミリーが暮らしやすい、8つの間取りのコツ

小さなお子さんがいるファミリーが家づくりをする際には、“子育てしやすい家”を第一に考えることが多いでしょう。安全面の考慮はもちろんですが、子どもたちが自由に遊べるスペースを作ったり、家族みんなが集える場所があったりと、さまざまなアイデアを盛り込みたくなるものです。でも、すべての希望を叶えることはなかなか難しいので、取捨選択は必要。ここでは、子育てファミリーにとって、暮らしやすく、快適な間取りのコツをご紹介します。

 

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<子育て家族の家づくり その①>
間取りを自由に変えられるフリースペースを設ける

フリースペースの写真
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お子さんが小さい頃は、子ども部屋としての個室はしばらく必要ありません。その代わり、自由に動き回って遊ぶことができたり、それ以外にもさまざまな用途に使え、さらに大人の目が行き届くオープンなスペースがあると便利です。

そこで、将来的には個室として区切って使うことができるフリースペースを作っておくご家庭も多いでしょう。その際に、収納をしっかり確保しておいたり、暖房器具などをあらかじめ設置できるように作っておく必要があります。

また、新築時にお子さんが一人でも、将来はお子さんが増える可能性もあるでしょう。その場合に、人数によってフレキシブルに間取り変更ができるようにしておくと、あとでリフォームに高い費用がかかることを避けることができます。

 

<子育て家族の家づくり その②>
リビングの一角にロフトや畳スペースを設ける

ロフトのあるリビングルーム
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子育て中のご家庭では、暮らしの中心がリビングルームになることが多いでしょう。その場合、リビングの間取りやデザインにちょっとした工夫があると、子育てがぐっとしやすくなります。

お子さんが小さい頃は、リビングの隣に和室や畳スペースがあると、お昼寝やオムツ替えなどに重宝します。お子さんが昼寝をしていても、すぐそばのキッチンで家事や料理ができれば安心ですよね。畳スペースとリビングの間に引き戸などがあると、音や光をある程度シャットアウトすることができます。

また、こちらのお宅のように、ロフトスペースを設けるのもおすすめの間取り。お子さんがもう少し大きくなったときに、ちょっとした遊び場として活用することもできます。ただし、ロフトは上り下りなどで安全面の考慮が必要になります。

ロフトは、収納場所としても重宝します。家族の人数が多ければ多いほど、洋服や大型の荷物などが増えますので、ロフトに収納できるのは便利ですね。

 

<子育て家族の家づくり その③>
玄関を前の通りに面して作らない

緑と隣り合ったエントランス
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お子さんがいるご家庭では、玄関の位置は意外にも注意が必要です。幼児期の頃は、玄関先で出かける準備をしている間に、突然外に出てしまうこともあるでしょう。玄関が通りに面していると、子どもが道路に出てしまい、とても危険です。そこで、玄関を通りから入ったところに設ければ、ダイレクトに外に出てしまう危険は減るでしょう。

また、お子さんが家の前で遊んだり、庭で遊んだりと、玄関扉を開けたり閉めたり、ときには開けっ放しにしてしまうことも多いもの。プライバシーをしっかり守るためにも、通りから見える場所ではなく、少し目隠しできるところに玄関を設けると、安全面でもプライバシーの面でも安心です。

 

<子育て家族の家づくり その④>
家族が自由に使える本棚を設ける

個室の入り口
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お子さんがいつでも自由に本を手に取ることができる環境づくりは、知育の面でもメリットが大きいでしょう。そこで、家族が集まるリビングルームやフリースペースなどに、家族が共有して使える本棚を設けるのがおすすめです。

子ども部屋などの個室にある本棚よりも、オープンなスペースに本棚があれば、思いついたときにパッと、本を手にすることができます。そうすることで、読書の機会は格段に増えるものです。また、絵本がすぐ近くにあれば、親子で読み聞かせをしたり、自分一人で本に熱中したり、本に触れる時間が自然と長くなります。

こちらのお宅では、個室の入り口のちょっとしたフリースペースに造作収納を設置。この棚を置くことで、何もなかったフリースペースが有効な空間へと変わるはずです。

 

<子育て家族の家づくり その⑤>
スキップフロア風にして、階段の安全性を高める

スキップフロア風の階段
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お子さんのいるご家庭では、毎日上り下りする階段も、危険な場所になりえます。できるだけリスクを少なくするために、階段の間取りやデザインに工夫をすることができます。

たとえば、階段の勾配を緩やかに設定したり、折れ階段にして階段の段数をなるべく少なくするのもいいでしょう。こちらのお宅では、階段をスキップフロア風のデザインにして、階段の段数を分散させています。

このようなデザインにすると、踊り場も生活空間の一部になります。ギャラリーのように使ってもいいですし、雨の日は洗濯物を乾かす場所に活用することもできます。

 

<子育て家族の家づくり その⑥>
建物や壁に囲まれた中庭やテラスを作る

中庭の写真
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四方を壁で囲まれた中庭は、完全プライベートな空間になっていて、お子さんを安心して遊ばせることができます。土のままにしておけば、土いじりをしたり、植物を愛でたりと、自然を身近に感じながら暮らすことができるでしょう。デッキを敷けば、そこで寝転がって絵本を読んだり、プール遊びをしたりと、遊び方も広がるはず。中庭で子どもたちが遊んでいるのを、室内で家事をしながら見守ることもできるでしょう。

あまり外出がままならない今の時期だからこそ、このように思いきり体を動かして遊べる場所が家の中にあることは、とても貴重ですね。遊び以外でも、家族でバーベキューをしたり、テントを張ってキャンプ気分を楽しむなど、さまざまな使い方ができるでしょう。

中庭の場合、どんな使い方をするかによって、デッキを張るか、芝生や土のままにするかを選ぶようにするといいですね。

 

<子育て家族の家づくり その⑦>
上下階につながりのある間取りにする

リビングルームの写真
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お子さんが大きく成長してくると、生活の場所が各部屋に散らばっていきます。もちろん、食事をしたり、テレビを観たりと、家族団欒の場所はリビングルームですが、子どもたちそれぞれが個室で過ごす時間も増えていくでしょう。

そうなった時でも、いつでも家族の声が近くに聞こえている状況がベスト。そこで、1階と2階との壁をなるべく少なくして、1つの空間のような間取りやデザインにするのがおすすめです。

たとえばこちらのお宅は、2階の廊下部分が1階と完全に区切られていないので、上下階でつながりが感じられます。下から声をかければ、個室にいる子どもたちに声が届いたり、上からリビングをのぞいたり…。大きくなっても、家族同士のコミュニケーションが育まれている家になっています。

 

<子育て家族の家づくり その⑧>
リビング勉強がしやすいデザインにする

キッチンとダイニングテーブル
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お子さんが小学校、中学校に上がると、学習する場所が自然と決まってきます。それが、自分の個室であるのか、リビングであるのかは、その子によって違うことが多いでしょう。最近は、リビング学習を好むお子さんも多いですね。

家事をしながら、テーブルで勉強をするお子さんを見守ってあげられ、ときには宿題を見てあげることができる環境をあらかじめ作っておくのもおすすめです。キッチンとテーブルが一体化しているデザインは、リビング学習の面でも、または配膳のしやすさなどにもメリットがあります。

さらに、キッチンとダイニングテーブルがつながっていたり、近くにある間取りにすることで、お子さんが配膳や片付けのお手伝いをしやすいというメリットも。キッチンも広く使えるので、料理やお菓子作りなどを親子で楽しむこともできます。

 

 

家づくりをはじめるときに、子育て中のご家庭や、これからお子さんを望んでいるご家庭の場合は、お子さんと一緒に暮らしやすく、安全性の高い家づくりを検討する必要があるでしょう。また、お子さんが家で暮らす期間は限りがあるので、将来を見据えて考えることも大切です。

フリースペースを個室としてフレキシブルに区切ることができる、安心して遊べる中庭やデッキを設ける、安全性の高い階段にする、玄関の位置などを工夫するなど、いくつかのコツがあります。すべてを取り入れるのは難しくても、ご家族のライフスタイルに合わせて優先順位を設け、家づくりに取り入れてみてください。

SUHACOでは、子育て世代の家づくりも提案しています。ぜひ、オープンハウスなどでご覧ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。