木の家は、温もりのある雰囲気と、ほのかに香る木の匂いが魅力。さらに、木の家で暮らすことによって、癒しやリラックス効果も期待できます。とはいえ、内装に木をふんだんに使うと、木の主張が強すぎてしまい、シンプルな暮らしが実現できなくなってしまうことも。木の家でシンプルに暮らすのであれば、その取り入れ方にちょっとしたコツがあるのです。今回は、木の家で暮らすことのメリットと、取り入れ方の5つのコツをご紹介します。
木の家で暮らすメリットと注意点とは
構造自体に木材を使っている木造住宅はもちろんですが、床や天井、柱、梁などで無垢材などの木が使われていたり、木製の造作家具がポイントに置かれたりと、家のさまざまな場所に木が使われた家を、一般的には「木の家」と呼びます。
木の家には、見た目で木の温もりが感じられるという最大の魅力がありますが、実はそれだけではありません。ここでは、木の家で暮らすことによるメリットを5つご紹介します。
<木の家のメリット その①>
木の清々しい香りに癒される
木の香りには、気分が爽快になったり、ストレスの解消、心身をリラックスさせるなどの効果があると言われています。森の中で深呼吸をした時に、清々しさや爽快感を得たことがある人は多いのではないでしょうか。これは、木材の中に含まれる「フィトンチッド」という精油成分が揮発して、空気中に香りが漂っているのです。木の種類によってフィトンチッドの種類や含有量が違っていることで、さまざまな個性の香りが存在するとも言われています。ただし一般的に、香りがある樹木はスギやヒノキなどの針葉樹。ナラやメープルなどの広葉樹にほとんど香りはありません。
ところで木で建てられた家では、木の香りをどのぐらいの年月、感じていられるのでしょうか。木の香りの強さは、その樹木の種類によって異なるのですが、針葉樹をふんだんに使っている家であれば、築5年以上経っても香りは持続すると言われています。また、その家に暮らしていると香りに慣れてしまい、住んでいる人は次第に香りを感じることは少なくなってきてしまいます。一方で、来客は木の香りを感じるということも多いようです。また、旅行などで数日家を離れると、家に帰ってきた時に木の香りを感じることもよくあります。
<木の家のメリットその②>
夏やサラッと気持ちよく、冬は適温に
床が無垢材の家は、裸足で歩くととても気持ちがいいのをご存知でしょうか。夏はとくに、裸足で歩くのがおすすめの季節。一般的なフローリングでは、湿気の多い時期はベタベタと不快に感じてしまうこともあるかもしれません。しかし無垢材であれば、サラッとした感触で、梅雨の時期でも快適に過ごすことができるのです。
逆に冬は、裸足で歩いてもひんやりとした冷たさを感じることがあまりありません。これは、無垢材には繊維質があり、木の内側に十分な気泡や空気層があるので、寒さを遮ってくれるからなのです。
<木の家のメリットその③>
木の調湿作用で室内が快適になる
木材には調湿効果があると言われています。室内の温度をできるだけ一定に保つために、木は空気中の水分を吸収したり、放出をして呼吸をしているのです。これによって、室内の湿気や乾燥を家自体が調節してくれるのです。
具体的には、空気が乾燥している冬は、木が水分を放出するので収縮します。逆に湿気の多い夏は、木が水分を吸収するので膨張しています。そのため、無垢材の床は冬になるとひび割れなどを起こすことがあります。
木の家に住んでいると、無垢材の床などは、季節によって変化しているのが感じられます。このような家の姿を実際に感じながら暮らすことができるのも、木の家の醍醐味と言えるでしょう。
<木の家のメリットその④>
断熱性が高い家づくりができる
木には、鉄筋やコンクリートの素材に比べると、熱を伝えにくいという性質があります。そのため、断熱性の高い家づくりができると言われています。実際に、木は空気をたくさん含んでいるため、外の空気の影響を受けづらく、冬は暖かく夏は涼しい室温が保たれるのです。よく、コンクリートの家は足元が冷えやすいと言われますが、逆に木の家は足元が冷えにくいというメリットがあります。
<木の家のメリットその⑤>
年月とともに木に味わいが出てくる
経年劣化という言葉があるように、家自体や設備などは、使いはじめが一番きれいで美しい状態ですが、年月とともに徐々に古くなっていきます。しかし無垢材は、3年、5年、10年と使い込んでいくにつれて、だんだんと色に深みが出たり、味わいが出てきます。これを経年変化と呼びます。
木に家は、新しい状態だけがきれいで美しいのではなく、年月を重ねるとともに違った魅力や味わいが出てくるのです。それを楽しめるのも、木の家の魅力と言えるでしょう。
一方で、木の家にすることで注意点もあります。
・天然の素材のため、こまめなメンテナンスが必要
・冬は木が収縮するため、ひび割れやササクレが起こりやすい
・やわらかい木材の場合、傷がつきやすい
このような注意点は、定期的なメンテナンスをしたり、ワックスがけをしたりすれば、ある程度は解決できるもの。さらに、やわらかい木材は傷つきやすさもありますが、傷も味わいのひとつと楽しむぐらいに考えてみてはいかがでしょうか。
木の家をおしゃれでシンプルに見せるための5つのコツ
家の間取りが決まったら、床材や天井、壁の素材などを決めていきます。その際に、木の種類や分量、デザインなども選んでいうことになりますが、実はおしゃれでシンプルに見せるコツがいくつかあります。今回は5つのコツに絞ってご紹介しましょう。
<シンプルに見せるコツ その①>
天井に張った木のデザインで表情を出す
森の中に建ち、大開口と大空間をもつこちらの木の家。室内には木材をふんだんに使っていますが、とてもシンプルでモダンな印象を与えます。これは、落ち着いた色合いで、さらに節のない木材を選んだことによるもの。また上を見上げると、細い木材を線のように用い、伝統建築の格子を彷彿させるようなデザインになっていて、和の雰囲気をも感じられます。
天井全面に木を張ってしまうと、種類によっては木が主張しすぎてしまうことがあります。こちらのお宅のように、明るい色合いで節のない種類を選ぶと、非常にシンプルな空間に見せることができます。また、柱や梁、化粧梁の素材や太さによっても、空間の雰囲気は大きく変わってくることを知っておきましょう。
<シンプルに見せるコツ その②>
家具のように存在感のある木製キッチンを
シンプルな空間づくりをするのであれば、壁や天井は白いクロスですっきりまとめて、木をポイントにしてみるのもおすすめです。そこで取り入れたいのが、木製のキッチン。オリジナリティがありながら、しっかりと存在感もあり、まるで家具のように見せることができます。
明るい色のフローリングと同色の木材が張られたキッチン。色と素材感を揃えることで、インテリアに統一感が出ます。キッチンのワークトップをステンレスにしたことで、ステンレス×木材の異素材ミックスが実現。注文住宅だからこそ実現できるダイニングキッチンです。
<シンプルに見せるコツ その③>
木の造作家具をポイントにする
二階を見上げると、手すり部分がスクエアで仕切られたシェルフになっている、こちらのお宅。壁の役目を果たしながら、光と風を通してくれて、さらに二階にいる家族の気配が感じられます。
また、吹き抜け部分には、存在感のある太い梁がぐるりと囲むようにデザインされています。壁は白いクロスで統一し、大きな梁をあえて目立つようにすることで、メリハリのある空間になっています。
<シンプルに見せるコツ その④>
印象的な木の階段で、おしゃれ度アップ
家を縦方向で緩やかにつなげる、スキップフロア風の階段が印象的なこちらのお宅。内装は白で統一してシンプルにしている分、フロアごとに木の種類や色を変えるという遊び心が良いアクセントになっています。縦につながりがあることで、家族同士で声が掛けやすい、風通しの良い空間です。
黒の手すりとフレーム、そして木の踏み板で、シンプルでモダンなスケルトン階段。木の踏み板がリズミカルに見え、上階からの光が階段下の玄関ホールまで届きます。また、扉には素材を変えてウォルナットを選んだことで、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
<シンプルに見せるコツ その⑤>
異素材を組み合わせて個性のある空間に
シンプルなステンレスのキッチンと、木製テーブルを組み合わせた造作家具。あえて異素材にして並べていることで、自然な形でキッチンとダイニングの仕切りを表現しています。
フローリングにはナチュラルな色、天井は節のない種類、キッチンはウォルナット色を採用。木の種類や色をあえて変えることで、さまざまな表情が楽しめる空間になっています。一見するとちぐはぐになってしまいそうですが、シンプルな木目に統一していることで、自然と一体感があります。
木の家は、木の種類や分量などの取り入れ方を工夫することで、主張しすぎず、シンプルでおしゃれな空間を実現することができます。そのためには、木の家の特徴やメリットを理解し、自分たちの暮らしにフィットするアイデアを採用してみましょう。
ストレスの多い毎日を送っているという人は、家に木を取り入れることで、癒しやリラックス効果を得てみるのもいいかもしれません。SUHACOではさまざまな木の家をご提案しています。ぜひ、オープンハウスで実際に見てみてはいかがでしょうか。