憧れの別荘をシンプルでおしゃれに。プランニングに取り入れたい5つのコツ

別荘暮らしや田舎への移住、週末移住の二拠点ライフなど、住む場所の選択肢はここ数年でどんどん広がっています。これは、働き方が変わってきたこと、また多様性のある生き方を選ぶ人が増えているからと言えるでしょう。

しかし、憧れだけではなかなか実現することが難しいのが、別荘の暮らし。その一つの理由に、別荘は一般的な家づくりとは少し違ったプランニングをする必要があるからです。とくに、自然豊かな土地に家を建てるのであれば、その土地や周辺の環境に合わせた作り方をしないと、かえって居心地が悪くなってしまったり、暮らしにくくなってしまうこともあるのです。また、素晴らしい景観を室内に取り込めるような工夫もしたいところ。そこで今回は、シンプルでおしゃれな別荘のプランニングのために、取り入れたい5つのコツをご紹介します。

 

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<別荘の家づくりのコツ その1>
まわりの風景に馴染むようなフォルムの外観にする

家の外観
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山の中や海の目の前、周囲に家が少ない郊外の土地だからと言って、自由にどんな家を作ってもいいというわけではありません。やはり、自然の中に家を建てるのであれば、周囲の自然環境へ配慮し、その土地に馴染むような家を設計することが大切です。

例えば、自然豊かな山間部や郊外であれば、周囲にたくさんの建物がない分、遠くからでも家がよく見えることが多いですよね。ということは、周囲の山や森林、または海などの景観の一部として、家が見られているということです。そんな時に、あまりにも奇抜なデザインだったり、周囲とあまり馴染まないデザインにしてしまうと、その地域や場所のイメージそのものにも影響してしまうこともあるのです。

そこで、別荘の家づくりでは、シンプルな形状の家を選ぶ施主の方も多いようです。シンプルな箱型の家や片流れの家、土地に沿うように作られた平屋の家など、その土地に合うようなデザインを採用するのがいいでしょう。土地の特徴を知ったうえで、建築家の方に外観のデザインなど提案してもらうのがベストです。

このような考え方が、別荘で暮らす、自然の中で心豊かに暮らすための重要なポイントになり、さらにその土地や自然へのリスペクトにもなるのです。

緑と隣り合ったエントランス
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せっかく、自然の中で暮らすのですから、周囲の自然を身近に感じられるデザインにすることも大切です。例えばこちらのお宅は、土地が緑の斜面に面していることもあり、その特徴を生かしたプランニングがされています。玄関を斜面側に配置することで、通り側や周囲の建物から玄関先を見られることもなく、また玄関を開けた時に室内から緑を眺めることもできます。

 

 

<別荘の家づくりのコツ その2>
周囲とのバランスや、掃除がしやすいサイズにする

別荘地の建築現場
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別荘はサイズ感も重要になります。いくら土地が広いからと言って、必要以上に大きな家を作るのは考えもの。しかし、普段暮らしている家では叶わない要望を別荘に多く求めてしまい、つい家を大きくプランニングしてしまう場合も多いでしょう。

大切なのは、そこを使用する人数や目的、部屋数などに合わせて、使いやすいサイズの家をプランニングすること。また、周囲の景観を邪魔しないように、なるべくコンパクトにしたり、平屋建てにしたりと、周囲との一体感を重要視するようにします。

必要以上に建物を大きくしてしまうと、一番大変なのは掃除やメンテナンスです。家が広ければそれだけ、掃除にかかる時間も負担も大きくなります。例えば、別荘には週末だけ、もしくは月に1度訪れるだけなど、通う頻度が低い場合は、滞在中は家の掃除に追われてしまうなんてこともよく聞く話。せっかく癒しを求めたり、ゆったりとした時間を過ごすために建てた家なのに、行く度に掃除ばかりしていたのでは、元も子もありませんよね。

別荘では、家族と共にのんびり時間を過ごしたり、目の前の自然を楽しむなど、ここでしかできないことを思う存分にしましょう。そのためにも、自分たちで掃除がしやすいサイズ感の家にすることが重要になります。

 

 

<別荘の家づくりのコツ その3>
周囲の環境に合った素材選びやデザインにする

アウトドアリビングの写真
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自然豊かな環境に建つ家であれば、その場所に馴染む素材選びをすることも大切です。無垢材をふんだんに使った外観などは、周囲との馴染もよく、また年月を重ねると風合いも出てくるでしょう。ただし、無垢材の場合はメンテナンスが必要になるので、それがきちんとできることが条件になります。

また、別荘地は山の中であったり、海の近くだったりと、自然環境が厳しい場所であることが多いでしょう。そのような環境に合う素材選びをすることも大切です。好みのデザインや素材を伝えることも必要ですが、別荘作りのプロである専門家の意見を聞きながら、その場所や環境に合った素材選びをしてみましょう。外観の色選びに関しても、無垢材の自然の色を生かしたものや、シンプルでナチュラルな家選びをすると、周囲の景観を損ないません。

リビングルームの写真
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さらに、その土地の気候に合わせた家づくりもしっかり考えたいもの。山や森の別荘地では冬は寒く夏は涼しかったり、海の目の前は日差しが強く照りつけるなど、その土地その土地で気候にも特徴があります。それに合わせた冷暖房や空調、設備の取り入れ方などをしっかり考えることは、別荘で快適に過ごすための大切な条件になるでしょう。

 

 

<別荘の家づくりのコツ その4>
風景を存分に楽しめる開口部を設ける

ハイサイドライトがあるリビングルーム
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別荘の魅力と言えば、何と言っても、室内から眺められる外の景色。別荘を建てるのであれば、家にいながらにして、自然をいつでも感じていられるデザインがいいですよね。

別荘地であれば、周囲の建物との距離が比較的離れていることが多く、また家の周りの通りを多くの人が歩くということもあまりありません。そのため、周囲からの視線を考慮しながら開口部をデザインするというよりは、周囲の自然をいかに美しく見えるような開口部として意識するかが重要になります。

例えばこちらのお宅であれば、庭側に大きな開口部を設けているのに加えて、山側の天井近くにハイサイドライトを設けています。明かり取りとしてはもちろん、ここから緑が見えることで、室内の雰囲気はガラリと変わります。このように、ハイサイドライトを室内のどこに作るかによって、緑が見えるのか、空が見えるのかが変わってくるのです。それを考えながら、開口部をプランニングするのも楽しいものです。

 

大開口のある家
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こちらのお宅は、家の前が林になっていて、その景観を存分の楽しめるようなデザインに。天井までのダイナミックな大開口にすることで、四季で変化する木々の様子や、その向こう側に広がる空も一緒に楽しむことができるのです。

個室の写真
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寝室や個室からも、自然に近い立地を活かし、室内から緑が眺められるように窓を配置。内装はできるだけ白の配分を多くすることで、緑が映えるような工夫がされています。あえてバルコニーの手すりは細いデザインを採用し、景色を遮らないようにしています。

 

 

<別荘の家づくりのコツ その5>
外と中をつなぐデッキや土間スペースを作る

ウッドデッキの写真
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別荘で過ごす時間は、自然と屋外にいる時間も増えるもの。庭を大きく取ってガーデニングを楽しむのもいいですが、お手入れをするのが苦手なお宅であれば、ダイナミックなデッキを設けるのもおすすめです。デッキを敷いてしまえば、庭の手入れに多くの時間を費やさなくてもいいですし、何より裸足で外空間に出られるのが最大の魅力でしょう。

ここでバーベキューをしたり、ヨガやストレッチをしたり、お子さんがのびのびと遊ぶのにもぴったり。室内とフラットにつなげることで、リビングダイニングを広く見せることもできますし、アウトドアリビングとして活用することもできるでしょう。

 

土間のあるワンフロアの家
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別荘の家によく見られるのが、土間スペース。別荘ではガーデニングやDIY、アウトドアを楽しみたいというご家庭なら、室内と外の間に、土間スペースがあるとかなり便利です。

ガーデニングやアウトドアのアイテムなどを、一時的に置いておくスペースにしたり、雨の日なら土間で作業をすることもできるでしょう。別荘の暮らしは、室内に置くものよりも、どちらかというと外作業のアイテムが多くなる傾向があります。そのようなアイテムを置いておく場所をしっかり確保することも大切になります。

 

 

別荘での暮らしを、シンプルで心豊かなものにするためには、その土地に合った外観デザイン、周囲と調和する素材、外の景色を美しく見せつ開口部の取り方など、いくつかのコツがあります。また、別荘での時間を確保するために、あまり広すぎない、ちょうど良いサイズ感にすることも重要です。

SUHACOでは、周囲の自然と調和した、シンプルな別荘の家をご提案しています。ぜひ、オープンハウスなどで実際にご覧ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。