注文住宅で間取りをプランニングする際に、どこに水回りを配置するのかは、なかなか悩ましいところ。キッチンや洗面所、バスルームなどの水回りは、暮らしの中で家族が毎日使用する大切な場所であり、その配置によって家事の動線も変わってくるからです。
間取りづくりで、比較的自由度の高い注文住宅では、その家その家の暮らし方に合わせて、間取りの位置を決めることもできます。ですから、配置によっては、使いやすくも、少し使いにくくもなってしまうのです。
そこで、水回りの配置や間取りづくりの際に参考にしたい6つのポイントをご紹介します。
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目次
<水回りの間取りづくり ポイントその①>
一箇所にまとめて、家事動線をコンパクトに
キッチンと洗面所、バスルームを一箇所にまとめたこちらのお宅は、まさに家事動線のコンパクトさを重視した間取りと言えます。キッチンで洗い物や料理などの家事をしながら、その隙間時間で洗濯機を回したり、お風呂の掃除をすることもでき、水回りの家事をスムーズに行うことができるでしょう。また、お子さんがいるご家庭で、1人でお風呂に入りはじめる時期でも、バスルームが近いことでお互いの安心感にもつながります。
キッチンカウンターを仕切りにして、その奥にバスルームを配置し、リビングルーム側とプライベートな空間を自然な形で分けているのもポイント。平屋建て住宅の場合は、ワンフロアにすべての部屋があるので、プライベートな空間を確保するのが難しい場合も。そこで、来客があるスペースと、家族だけのプライベートな空間を、配置によって自然な形で区切っているようです。
また、玄関を入ってすぐの場所に、キッチンやトイレ、洗面所など水回りを配置しているのもポイントです。食料品などを買い物してきて、それを家の中に運んでくるのは、なかなかの重労働。玄関から近い場所にキッチンを設けることで、その悩みも解消します。また、帰ってきてすぐに手洗いやうがいができるように配置を考えたり、お子さんがスポーツなどをやっていれば、玄関からバスルームまでスムーズに行ける動線はとくにおすすめです。
<水回りの間取りづくり ポイントその②>
縦長の間取りにして、動線と風通しを確保
こちらのお宅の洗面所とバスルームは、細長い間取りが特徴。引き戸の扉を開けると、右側にバスルーム、左側に洗面所と収納があり、その先はベランダにつながっています。家事動線を考えた場合に、洗濯機を置いて洗濯をする場所と洗濯物を干すテラスがつながっていると、洗濯にまつわる家事がとてもスムーズになります。
また、こちらのお宅のように広い作業台を設ければ、乾いた洗濯物をここで畳むこともできます。さらに、背面に収納棚を設けて、そのまま家族の衣服などを収納すると、洗濯家事の動線がかなりコンパクトに済むでしょう。 こちらの間取りは、テラスとは反対側にバスルームを配置。どちらにも窓があるので、風通しは抜群です。バスルームでちょっとした洗い物をした際にも、そのままテラスで干すことができるなど、何かと便利に使える間取りと言えそうです。
<水回りの間取りづくり ポイントその③>
帰宅後に直行できるよう、水回りを玄関付近に
水回りは1階に集約され、2階はリビング&ダイニング、キッチンのあるワンフロアという、非常にシンプルな間取り。さらに、1階フロアの半分以上を土間スペースにするという、大胆な間取りのお宅です。
大きな土間玄関を上がると、前方にはバスルームと洗面所が配置されています。玄関のすぐそばに洗面所やバスルームを設けることで、学校や外出先から帰ってきたら、すぐに手を洗えたり、お風呂に入れるようにもなっています。これは、感染症対策にも効果的な間取りと言えるでしょう。
また、庭でガーデニングをしたり、広い土間スペースでDIYや趣味を楽しんだりした後には、そのまま玄関を上がってバスルームに行くこともできます。趣味を思いきり楽しみたい方や、お子さんが庭が屋外で遊ぶ機会が多いご家庭には、このような間取りはおすすめです。
<水回りの間取りづくり ポイントその④>
中庭とつなげて、洗濯しやすい間取りに
建物の一角に中庭があり、L字型に間取りが配置されているこちらのお宅。洗面所を中庭のバルコニーに面した間取りにすることで、中庭のある家らしい家事動線や生活動線が考えられます。
とくに、洗濯物を洗ったり、干したりする動線はとてもスムーズに。バスルームで洗濯物が出たら、そのまま洗濯機を回して、目の前の掃き出し窓から中庭へ。ある程度広い中庭であれば、洗濯スペースにも余裕がありますし、中庭が建物や壁に囲まれていれば、外から洗濯物を見られる心配もありません。また、急な雨が降ってきても、洗面所に洗濯物を避難させることもできます。
中庭でお子さんがプール遊びをしたり、ヨガやストレッチをして汗をかいた後は、そのまま洗面所やバスルームに直行できるのも魅力。夏場は、お風呂で火照った体を、バルコニーでクールダウンすることもできそうですね。 中庭とバスルームをつなげることで、斜め上からの光もたっぷり差し込み、気持ちの良い空間になります。窓を開けっ放しにもできるので、常時換気ができて、衛生面でも安心です。水回りはどうしても北側など光が入りにくい場所に設置されやすいですが、より快適なバスタイムを求めるのであれば、このように日当たりのよい場所に配置してみるのもいいですね。
<水回りの間取りづくり ポイントその⑤>
リビングの一角に、コンパクトなキッチンとバスルーム
こちらはダンススタジオ兼住宅と、通常の住宅とは少し異なる間取りのお宅。リビングルームの一角には、コンパクトなキッチンと洗面所、バスルーム、トイレなどがギュッと一箇所に集約されています。水回りを一箇所にまとめたことで、リビングルームを可能な限り広々と使うことができるのです。
また、キッチンはリビングルームの中でも少し奥まった、あまり目立たない場所に配置されています。そうすることによって、生活感があまり感じられないリビングルームになっているようです。キッチンから洗面所、そしてバスルームと空間をつなげることで、リビングやダイニングからもサッと行ける、便利な水回りになっています。
また、キッチンと洗面所をつなげることで、家事動線もコンパクトになります。住宅と仕事場が一緒になっている場合は、家事に費やせる時間が確保できないことも多いでしょう。このようなライフスタイルの方は、家事動線や生活動線をコンパクトになるように作るといいでしょう。
<水回りの間取りづくり ポイントその⑥>
狭小住宅では、洗面所とトイレを一体型に
一般的に2階建て住宅では、各階にトイレを設置することが多いでしょう。ただし、都心部の狭小住宅などでは、敷地も限られていることもあり、トイレと洗面所を一体型にするお宅も増えています。洗面所にトイレを設置することで、水回りの面積をできるだけコンパクトにできるうえ、空間にゆとりを持つことができ、さらに開放感も抜群です。
小さなお子さんがいるご家庭なら、トイレのうちの1つをバスルームと一体化させることで、バスタイム時も何かと便利に使えるメリットも。また、ご高齢の家族がいる場合は、トイレからバスルームの移動がしやすいという意味でも、メリットがあると言えるでしょう。
ただし、洗面所とトイレを一体型にする場合には、もう一つ、個室のトイレも必ず設置する必要があります。洗面所を使用中にトイレに行けないということもありますし、家族の支度が朝に集中するご家庭では注意が必要です。
キッチンや洗面所、バスルームなど水回りの位置は、一階にするのか二階にするのか、キッチンと洗面所を近くにまとめるか、あえて離すのかなど、さまざまな間取りが考えられます。たとえばフルタイムでウォークデイは忙しいご家庭であれば、キッチンと洗面所が近くだと家事の時短にもつながりますし。逆に、ゆっくりとバスタイムを楽しみたいご家庭であれば、リビングルームとは離れた位置にバスルームを持ってくるのもいいでしょう。
その家その家で、理想的な水回りの位置は変わってきます。間取りづくりの際にはぜひ、家族が普段どんな動きをしているのか、家事をどんな順序で行っているのかなどをイメージしてみて、どの位置に水回りがあると快適なのかを考えてみるのもいいですね。どんな位置が理想的なのかわからないときは、建築家や設計士さんに相談してみるのもいいでしょう。
SUHACOでは、暮らしやすく、シンプルな水回りを提案しています。ぜひ、オープンハウスでご覧ください。