室内にデザイン性を出しておしゃれに見せたり、ちょっと個性を出したいのであれば、選択肢のひとつに、ガラスドアやガラスの仕切りを検討してみてはいかがでしょうか。実はデザイン性だけでなく、ガラスを取り入れることで空間を広く見せたり、光を取り入れるなどの効果もあります。
ただし、ガラスドアなどを室内に取り入れる際には、メリットとデメリットもあります。さらに、実際にはどんな取り入れ方をすればよいか、参考にしたいSUHACOの5つの実例をご紹介します。
ガラスドアやガラス窓を室内に取り入れる、メリットとは
デザイン性に注目されがちですが、ガラスドアやガラスの仕切りを取り入れることで、さまざまな効果が期待できます。まずは、メリットをご紹介します。
<メリット その①>
扉や仕切りをガラスにすることで、空間が広く感じられる
通常であれば、扉で遮られたり、壁になるべき場所を透明なガラス素材にすることで、先まで視界が通り、まるで空間がつながっているように感じられます。
このようなデザインは、狭小住宅などでも効果的です。同じ広さでも、仕切りがなく目線が透過していることで、室内が広く開放的に感じられます。
<メリット その②>
ガラス扉を採用することで、採光が取りやすい
ガラスドアやガラスの仕切りであれば、光を通すので、採光が取りやすいのもメリットのひとつです。たとえば、玄関に窓を設けることができない場合は、リビングと玄関をつなげるリビングドアをガラス素材にすることで、リビングの光が玄関まで届きます。
<メリット その③>
ガラス素材がポイントになり、デザイン性が上がる
ガラス製のドアは、その素材感も相まって存在感があり、スタイリッシュさや高級感があります。素材選びは、室内のインテリアにも大きく関わりますが、ガラス製品を取り入れることでも、室内の印象も大きく変わります。
ガラスドアを取り入れる際のデメリットと注意点
メリットも多いですが、ガラスドアを取り入れることには、その素材の性質上、デメリットもあります。それを踏まえた上で、デザインに取り入れてみましょう。
<デメリット その①>
プライバシーがしっかり守られないことがある
家の中に透明なガラスドアなどを採用することで、視線が広がって開放感が得られる一方で、プライバシーが守られにくいということもあります。場所によっては、プライバシーの観点から、ガラスドアを避けた方がいいことも。
ガラスドアやガラスの仕切りを採用する場合は、家族のライフスタイルなどをイメージして、そこがガラスでも問題ないかを確認しましょう。
また、どうしてもガラス素材を使用したいのであれば、目隠し効果のある「曇りガラス」や、チェック柄の凹凸が入った「チェッカーガラス」などを採用するという手もあります。
<デメリット その②>
シンプルな扉よりコストが高くなってしまう
一般的に、ガラスは木材よりもコストが高くなります。大きな一枚板のガラスを加工するため、シンプルなドアよりも技術が必要になります。また、ガラスドアは重量もあるので、開閉するためのヒンジ(扉などを開閉を支える部品)やレールにも強度が求められます。
さらに、ガラスドアの場合は、ドアがゆっくり閉まる「ソフトクローズ機能」などを備えると、ドアが勢いよく閉まったり、それによっての破損などを防ぐことができます。
ガラスを室内に取り入れたい場合は、少し予算を多く見積もっておくと安心です。
<デメリット その③>
指紋など汚れが目立ちやすい
ガラスは手でベタベタと触ってしまうと、当然ながら汚れが目立ちます。小さなお子さんがいるご家庭では、手で何度も触ってしまって汚れがつきやすいことが考えられます。清潔に、気持ちよく使うためにはこまめな掃除が必要になることを考慮したうえで、ガラス素材を取り入れるかを検討しましょう。
<デメリット その④>
ガラスが割れてしまう可能性もある
素材がガラスのため、割れてしまう可能性もあります。それを防ぐためには、室内でガラスドアやガラスの仕切りを設置する際に、強度の高いガラスを選ぶことが重要になります。
室内で使うガラスには、「熱処理ガラス」と呼ばれる強化ガラスが一般的に採用されています。通常のガラスに比べて、3〜5倍の強度があり、ハンマーで叩いても割れないほど強いので、普通に使っていて割れる可能性は極めて低いと言われています。
プランニングの際に参考にしたい、SUHACOの5つの実例
ガラスドアやガラスの仕切りのある家を希望したとしても、実際にどんな場所に取り入れたら効果的なのでしょうか。そこで、SUHACOの実例をご紹介します。
<実例 その①>
採光を取り入れるために、壁の一部をガラス窓に
こちらのお宅は、3階部分にロフトスペースを設けていますが、外に向けての開口部は小さな窓1つのみ。このままでは、光があまり入らず、いつも暗いイメージの空間になってしまいます。
そこで、リビング側の吹き抜けに向けて、壁の一部をはめ込みタイプのガラスに。このようなデザインにすることで、リビングに入る採光がロフトスペースまで届き、昼は照明をつけなくてもある程度の明るさを確保することができます。
また、ロフト側からも、壁だけに囲まれると圧迫感がありますが、一部分がガラスになっていることで、実際の広さよりも広く感じられる効果もあります。
ロフトにいても、リビングにいる家族の様子を見ることができますし、逆にリビング側からロフトの様子を見ることができるので、家族の様子を感じられるメリットもあります。
<実例 その②>
スケルトン階段と室内の間にガラスの仕切りを
スケルトン階段をリビングルームなどに取り入れる際に、手すりの間からお子さんが落下しないかなどは気になるところです。おしゃれだからと取り入れたアイアンの手すりも、お子さんにとって危険が潜んでいるのであれば、元も子もありません。
そこで、手すりのすぐ脇の部分にガラスの仕切りを設置すると落下を防ぐことができ、さらに空間の広がりを邪魔しません。ガラスは光も通すので、上階からの光を階下まで届けることもできるのです。
<実例 その③>
愛車を愛でるために、ガレージとの扉をガラス製に
ガレージと隣り合った玄関ホールには、ガレージと行き来できる引き戸を設置しています。ここをガラスの扉にしたことで、家の中にいながらも、愛車をいつでも愛でて楽しむことができます。
また、ここがガラスになっていることで、限られた玄関スペースが面積よりも広く感じられる効果も期待できます。
玄関側に照明がついていれば、ガレージ側にも光が入るので、車にちょっと物を取りに行く際も、わざわざ電気をつけなくてもいいというメリットもあります。
<実例 その④>
浴室の扉をガラス製にして、バスルームに開放感を
ガラス張りのバスルームは、ラグジュアリーなホテルなどで見かけるデザインですが、最近は一般家庭でも取り入れられつつあります。扉をガラスにする最大のメリットは、浴室と洗面所を一つの空間のように広く使えること。視覚的に広く感じるので、開放感が得られます。狭小住宅などで、水回りの広さを確保できない場合は、このようなアイデアもおすすめです。
ただし、お子さんのいるご家庭などでは、年齢が上がってくると使いにくくなることも考えられます。また、来客が多いご家庭でも注意が必要です。
<実例 その⑤>
ガラスのリビングドアで、ご家族の様子が見えるように
リビングドアをガラスにするデザインは、比較的取り入れやすいデザインといえます。リビングにいても、ガラス扉の向こうに玄関の様子が見えることは、お子さんがいるご家庭であれば安心です。
また、リビングの電気がついていれば、玄関まで光が届くことも大きなメリットです。暗い玄関よりも、光が届いている玄関の方が、ご家族にとっても安心感があります。
ただし、玄関から入った時に、ダイレクトにリビング内が見えてしまう配置の場合は、プライバシーの観点からガラスドア以外にするか、曇りガラスやチェッカーガラスを採用することも検討してみてください。
ガラスドアやガラスの仕切りを家の中に取り入れることで、デザイン面でのよさはもちろんですが、開放感が得られる視覚的な効果や、採光などのメリットがあります。ただし、ガラス素材にすることで、プライベートな部分で考慮が必要になりますので、自分たちのライフスタイルに合っているかどうかをしっかり検討してみることが大切です。