オレンジ色で温かみのある間接照明は、空間を明るくするだけが役割ではありません。一部分を照らして素材の質感を際立たせたり、空間を広く立体的に見せたり、時には癒しの空間を演出したりと、さまざまな役割があります。このように日々の暮らしをワンランクアップさせるためには、間接照明を上手に取り入れるのがおすすめ。今回は、リビングルームの間接照明についてご紹介しましょう。
間接照明と直接照明の違いとは
照明には、間接照明と直接照明という、役割の異なる2種類があります。直接照明とは、照明器具から放つ光源で部屋全体を直接明るくするもので、具体的にはシーリングライトやペンダントライトがそれにあたります。
一方で間接照明とは、光源で天井や壁などを照らし、その反射光で空間を明るくする照明のこと。間接照明だけで空間全体を明るくすることはできないので、ペンダントライトと組み合わせたり、ダウンライトやスポットライトなどと合わせて使うのが一般的です。
吹き抜けや勾配天井などでは、シーリングライトやペンダントライトを設置するのが難しいことも。そこで、ダウンライトやスポットライトなどと併用しながら、間接照明を上手に使ってみましょう。間接照明は見えない場所に設置されたり、デザイン自体もスッキリとしたものが多いので、シンプルなインテリアや家づくりに最適です。
リビングルームに間接照明を取り入れる4つのメリット
シンプルでありながら、印象的なリビングルームにするには、間接照明を取り入れるのが最適です。そこで、4つのメリットをご紹介しましょう。
<メリットその1>
空間を立体的に見せてくれる
間接照明が天井や壁を照らすことで、光がグラレーション状に広がり、陰影が生まれます。すると、天井まわりが立体的に見え、空間に奥行きや広がりが感じられるでしょう。狭小住宅のリビングルームなどでは、できるだけ空間を広く見せるための手法として用いられます。
こちらのお宅では、リビングルームの天井と壁の境目部分に間接照明を設置。勾配天井を上に向かって照らすことで、空間に広がりが感じられます。
直接照明のみで照らすよりも、間接照明を上手に活用することで、室内が立体的で、雰囲気のある空間にすることができます。
<メリットその2>
勾配天井でも明るさを確保できる
勾配天井には、シーリングライトやペンダントライトのような、大き目の照明をつけることはできません。そのため、吹き抜けや勾配天井のある家では、天井に向かっての間接照明やダウンライト、スポットライトなどを併用することが多いでしょう。こちらのお宅でも、ロフト部分や造作収納の上部などを上手に使って、上に向かって照らす間接照明を設置。さらに、ダウンライトを複数設置して、天井をスッキリ見せています。
<メリットその3>
天井や壁を照らして、質感を楽しむ
こちらのお宅は、キッチンの天井部分をリビング側に少しだけせり出させて、その上部に間接照明を設置。照明はそこからのびていく勾配天井を照らしていて、天井の木や梁の質感を美しく見せてくれます。さらに、平らな天井になっているキッチンとロフト部分にのみダウンライトを設置したり、和室との境目にはスポットライトを設けて、リビングルームの明るさを確保しています。
<メリットその4>
優しい明かりで、リラックス効果が得られる
間接照明の場合、光が目に直接入らず、天井や壁などに反射したやわらかい光が目に届くので、リラックスや癒しの効果があります。
勉強や読書をする時、料理や食事をする時などは、ある程度の明るさを必要とします。しかし、一日の終わりの眠る前の時間や、テレビを見ている時間などは、少し部屋だけ照明を落としてみると、明るすぎない空間でリラックスすることができます。
間接照明やダウンライト、スポットライトなどを組み合わせたリビングルームは、明るさの微妙な調整がしやすいのがメリットですね。読書をする時はスポットライトを、夜眠る前にヨガなどをするなら、間接照明だけにしてみるなど、使い分けてみましょう。
間接照明と併用することの多いスポットライトやダウンライトは、デザインもスッキリで、シンプルな家づくりには欠かせない設備ですが、電気代にはご注意を。そこで、電球をLEDにすることで、電気代をグッと節約できます。また、家中をダウンライトの設備にしてしまうのも、電気代が高くなる原因に。必要な場所に、必要な数だけ設置するようにしましょう。
SUHACOでは、間接照明を上手に活用した家づくりをご提案しています。オープンハウスなどで、ぜひご覧ください。