目的や用途を決めず、家族がフレキシブルに使うことができるフリースペース。小さなお子さんがいるご家庭では、成長に合わせて使い方を変えることできたり、多趣味なご夫婦であれば、さまざまな用途に使えるなど、とにかく万能な空間になります。しかし一方で、いつの間にかあまり使わなくなってしまった……という声も。そこで、フリースペースのメリットやデメリット、後悔しないためのデザインや間取りのコツをご紹介します。
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目次
プラスαの空間が、家のゆとりになる
最近の家づくりでは、子ども部屋や寝室などと明確な目的を決めていない、いわゆるフリースペースを設ける間取りが増えています。フリースペースとは、二階のホールやリビングルームの一角を活用して、書斎やワークスペース、お子さんのプレイルームなど、さまざまな用途に使える空間のこと。家族みんなで共有して使うことができるので、コミュニケーションの場にもなります。
また、廊下の一部やロフトの下などデッドスペースができた場合に、その空間を活用してフリースペースにする場合もあります。デッドスペースが生まれないようにきちきちに部屋を作るのではなく、誰もが使えるプラスαの空間があることで、家の中に“ゆとり”が生まれるのです。
さらに、ここ近年ではリモートワークが増えて、夫婦それぞれが仕事をする場所に困っているというご家庭も多いでしょう。そのような場合でも、フリースペースのようなプラスαの空間があることで、誰にも邪魔されずに仕事をすることもできるでしょう。
<フリースペースのおもな用途>
・子どもの遊び場
・兄弟で使える勉強スペース
・リモートなどで使えるワークスペース
・ライブラリースペース
・雨の日の洗濯物干し場
・DIYや趣味を楽しむ場所
・ピアノなど楽器を弾く場所
<フリースペースのメリット>
・お子さんが小さい頃はプレールームとして使い、将来的には壁を作って個室へ間取りの変更ができる
・オープンな空間なので、小さなお子さんを見守ることができる
・家族が増えたときに、リフォームして個室を増やすことができる
・リモートワークの場所として使える
・雨の日は、洗濯物干しスペースとして活用できる
・プライバシーが確保できている空間であれば、来客用の部屋として活用できる
しかし、フリースペースは何かと便利な一方で、ご家族によってはだんだんと使わない空間になってしまうこともあります。そこで、どんな問題点が出てくるのかを知っておき、家づくりの参考にしてみましょう。
<フリースペースの、よくある後悔ポイント>
・エアコンが設置されていないと、暑かったり寒かったりで快適に使えない
・部屋として区切られていないので、落ち着かない場合もある
・階下とつながっていると、リビングなどの音が筒抜けになる
・使い勝手が悪いと、いつの間にか物置になってしまった
・明るさが確保できていないので、快適に使えなかった
・窓がない空間なので、通気ができない
後悔しないフリースペースのための5つのコツ
快適で、さらに使い勝手のよいフリースペースを設けるためには、いくつかのコツがあります。ぜひ、プランニングの際の参考にしてみましょう。
<コツその1>
階下からの視線を遮って、適度にプライバシー確保
上階のロフト部分などを利用したフリースペースは、リビング側から見上げると、丸見えになってしまう場合も。お子さんを見守る目的であればいいですが、そうでないなら、適度に目隠しがある方が使い勝手がいいでしょう。リビングに来客があっても、上階で視線を気にせずに過ごすことができます。
フリースペースの壁は適度な高さにすることで、下からの視線を遮りながら、声でのコミュニケーションを取ることができます。上階にいる子どもたちの様子を確認したり、帰ってきた家族と会話をしたりと、上下階でつながりを感じることができます。
<コツその2>
明るさや冷暖房をしっかり確保する
フリースペースでは、お子さんが遊んだり、勉強をしたり、仕事をしたりと、さまざまな用途に使えます。ただし、その場所が明るく快適でないと、居心地がいいとはいえませんよね。とくに日中も使用したいのであれば、窓を設けて、明るさを確保するといいでしょう。
また、忘れてはいけないのが冷暖房のこと。フリースペースだからといって、冷暖房がない空間では、夏は暑く、冬は寒くなってしまいます。その場所が快適でないと、家族がだんだんと使わなくなり、いつの間にか無駄なスペースになってしまう可能性もありますね。
ある程度目的をもって使うのであれば、冷暖房は設置しておくと安心です。また、将来的に壁などを作って子ども部屋など個室に変更する予定であれば、冷暖房はもちろん、収納や採光などもしっかり確保しておきましょう。
<コツその3>
ちょっとした空き空間をフリースペースに
リビングルームの一角にデッドスペースができたら、フリースペースをつくるのもおすすめです。こちらのお宅では、階段脇の空間に2畳ほどの畳スペースをつくり、ちょっと昼寝をしたり、お子さんが遊んだりできる場所になっています。さらにその上にはロフトを設けて、二層に分けるという空間活用のアイデアも。あえてつくるのではなく、デッドスペースを活用するのであれば、気軽にフリースペースを取り入れられます。
階段の踊り場をフリースペースにするというアイデアも。例えばこちらのお宅では、階段をスキップフロアのようなデザインにして、途中の踊り場に掃き出し窓を設置。そこからデッキに出ることができるので、ここで洗濯物を取り込んで畳んだり、アイロンをかけるといった家事をするのに便利です。
あえてフリースペースの空間を設けるのではなく、ほかの空間と兼用させることで、“階段の踊り場”と“フリースペース”という二つの役割で使うことができます。
<コツその4>
子ども部屋の入り口付近に、フリースペースを
フリースペースを取り入れたいときに、間取りのどこにするかは迷うところ。そこで比較的使いやすいのが、子ども部屋などの入り口付近を広く取り、そこをフリースペースにするアイデアです。お子さんがそれぞれの個室とは別に、共有で使える空間があることで、ここで遊んだり、宿題をしたりと兄弟一緒に過ごす時間が増えるでしょう。こちらのお宅のように造作収納を作れば、本棚やおもちゃ置き場になり、よりこの場所が有効な空間になります。
<コツその5>
開放的なフリースペースで、空間を広く見せる
二階部分に視線が抜けるようなフリースペースを設ければ、上下階がつながり、空間を広く見せる効果があります。壁で区切らないことで、帰宅して上階へ上がっていく家族との会話も増えるはず。空間の広がり以上に、家族のコミュニケーションが深められる間取りです。
こちらは上階の壁面をガラスにすることで、空間を広く見せるとともに、家の隅々まで光が届くようなつくりになっています。お子さんが遊んでいる様子などをいつでもリビングから見ることができますが、将来的には壁にして個室にするなど、デザイン変更がしやすいようにつくられています。
フリースペースは、さまざまな用途があって便利な一方で、目的がはっきり決まっていないことで無駄なスペースになってしまう可能性もあります。後悔しないためにも、家族が快適に使えるフリースペースをプランニングしましょう。そのためには、明るさや冷暖房を確保したり、フレキシブルに間取り変更ができるようにデザインしておくことが大切です。
SUHACOでは、個性豊かなフリースペースのある家をご提案しています。ぜひ、オープンハウスでご覧ください。
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