小さな家でも快適に暮らそう。実践したい6つの間取りアイデア

都心部で一戸建てを建てるとなると、敷地に限りがあることが多いでしょう。このような狭小住宅の家づくりでは、限られた中でどれだけ快適で、便利に暮らせるかが重要。たとえば、小さなデッドスペースでも上手に活用してみたり、生活動線をできるだけコンパクトにするなど、小さな家ならではのコツや工夫があるはず。そこで今回は、小さな家だからこそ取り入れたい、間取りやデザインのアイデアをご紹介します。

 

>>> 素箱(suhaco)TOPページはコチラから。

 

<小さな家の間取りアイデア その①>
隙間空間を活用して、リモートワークの部屋を作る

リモートワークスペース
>>この物件をもっと見る

リモートワークの機会が増えて、家の中に自分だけの個室が必要になった方も多いでしょう。とはいえ、ある程度広さのある個室や書斎を設けるまでもない……という場合も。そこで、家の中のデッドスペースやちょっとした隙間空間を利用して、リモートワークができる場所を確保するのもアイデアのひとつ。書斎で仕事をしたり、リモートワークをするには、広い場所よりも少し狭い空間の方が集中できるという人もいますよね。こちらのお宅のように窓を設ければ、明るさと通風を確保でき、狭くても快適に過ごすことができます。

また、このようなちょっとした余白スペースは、リモートワークなどで使わなくなった際にも、収納部屋にしたり、お子さんが大きくなったら勉強部屋にしたりと、さまざまな活用方法があるのです。

 

リモートワークスペース
>>この物件をもっと見る

個室やリビングルームの一角に、このようなリモートワークスペースを設けるお宅も。ここにローテーブルや椅子を置けば、周囲を気にせずに仕事や勉強に集中できそうです。仕事以外でも、趣味や読書に没頭したり、ちょっと昼寝をする場所にしてもいいですね。

小さなスペースを扉などで完全な個室にしてしまうと、閉塞感を感じてしまう場合もあります。しかし、このようにオープンなデザインにして、周囲から少しだけ隔てられた空間にすることで、適度な“おこもり感”で過ごすことができます。

 

ワークスペース
>>この物件をもっと見る

こちらは、玄関の脇に設けられたワークスペース。奥側にはテーブルが造作され、壁には棚が設置されているなど、作業スペースとして利用できます。玄関の隣に作られた空間ですが、引き戸で区切れば、普段は玄関側からは見えません。

完全に個室にすればリモートワークや書斎、趣味の部屋として使えますし、オープンにしておけば玄関がより広い空間に感じられるはず。この場所にあることで、大きな荷物やストック類などの一時置き場としても重宝します。

 

 

<小さな家の間取りアイデア その②>
デッドスペースをロフトとして活用する

二階リビングの写真
>>この物件をもっと見る

限られた敷地での家づくりでは、いかに居住スペースを確保するかが鍵。しかしその分、収納スペースが減ってしまっては、洋服や荷物の置き場所がなくなって、快適な暮らしとは言えません。そこで、家の中のデッドスペースや屋根裏部分などを収納場所にすることで、居住スペースは確保しつつ、収納場所を作ることができます。

こちらのお宅は、二階リビングにあるキッチンの上がロフトスペースに。キッチンは手元の照明が必要だったり、換気扇を設置する関係で、高い天井は避けられることが多いです。そこで、キッチンの上部分をロフトにしているご家庭も見られますね。

 

ロフトのあるリビングルーム
>>この物件をもっと見る

こちらのお宅では、リビングルーム横の畳スペースの上をロフトに。ちょっとしたおこもり空間にもなるロフトは、収納場所以外にも、お子さんの遊び場としても人気。リビング内のロフトであれば、ご両親の目の行き届く範囲で遊ぶことができます。このように、空間を二層にすることで、限られた空間を有効活用することができるのです。

 

 

<小さな家の間取りアイデア その③>
造作家具で、コンパクトで使いやすいキッチンに

リビングルームの写真
>>この物件をもっと見る

キッチンとダイニングテーブルを造作して一体化させることで、キッチンまわりをキュッとコンパクトにすることができます。これによって、リビングルームをより広く取ることができるでしょう。

また、キッチンとテーブルが隣り合わせになっていることで、生活動線もコンパクトに。料理を作ってお皿に盛り付け、そのまま横のテーブルに配膳。食べ終わったらそのままスライドさせて片付けるなど、無駄な動きがありません。狭小住宅では、生活動線をコンパクトにすることも重要です。

 

シンプルなキッチン
>>この物件をもっと見る

家族と会話をしながら料理や家事ができるアイランドキッチンは、機能面でもデザイン面でもメリットが多いですが、ある程度の広さが必要。そこで、広さに限りのある狭小住宅では、多目的に使える作業台を取り入れるアイデアがおすすめです。

こちらのお宅では、I形キッチンを壁側に設置して、ダイニングとの間に作業台を造作。こうすることで、リビング側を向きながら料理をすることができるうえ、調理や配膳以外にもさまざまな目的で活用できる場所になっています。たとえば、ここでアイロンをかけたり、裁縫をしたり、書き物をするなど、ワークスペースとして存分に活用できそうです。

アイランドキッチンと同じようにデザイン面でのメリットがありながら、家事スペースとしての機能を持ち合わせることで、キッチンでできることを増やすことができ、結果的に空間を有効活用することができるのです。

 

 

 

<小さな家の間取りアイデア その④>
デッドスペースにぴったりハマる、造作家具を作る

造作家具の写真
>>この物件をもっと見る

狭小住宅では、ちょっとした空きスペースやデッドスペースを、いかに上手く活用するかが重要です。たとえば、このような空きスペースがあっても、既製品の家具が合わなければ、無駄な空間になってしまいます。そこで、造作家具をこのサイズに合わせて作ることで、立派なスタディスペースに仕上がります。

 


>>この物件をもっと見る

こちらのお宅では、引き出して使うタイプの机を窓の下に造作。使わないときは畳んでおき、使うときだけ引き出して使うことができるので、限られたスペースを最大限に活用できます。窓の下は本棚としても使うことができるなど、造作家具はデザイン次第で、さまざまなアイデアが詰まっています。

 

 

 

<小さな家の間取りアイデア その⑤>
螺旋階段や、スケルトン階段で空間を広く見せる

螺旋階段の写真
>>この物件をもっと見る

狭小住宅では、できるだけ居住スペースを確保するために、階段のデザインにも工夫が見られます。最も小さな面積で設置できるのが、螺旋階段。螺旋状に縦に伸びていくデザインは、まるでオブジェのようで、デザイン面でも人気があります。上階から光と風が通り抜け、1階と2階のつながりが感じられます。さらに、螺旋階段は向こう側が見えるので、圧迫感がないのも特徴です。

 

玄関の写真
>>この物件をもっと見る

こちらのお宅では、階段の下を玄関土間として活用し、限られた空間を有効活用。階段をスケルトンにすることで、上下の空間が完全に遮られず、圧迫感や閉塞感がありません。このように、狭小住宅では、できるだけ視界を遮らない工夫も必要です。階段下は土間として活用でき、想像以上に広い土間玄関が実現するでしょう。

 

 

<小さな家の間取りアイデアその⑥>
洗面所やトイレをコンパクトにまとめる

壁がブルーの洗面所
>>この物件をもっと見る

家族だけが使うトイレであれば、洗面所と一体型にすることで、スペースを最小限にすることができます。小さなお子さんがいるご家庭であれば、脱衣所とトイレが一体型になっているデザインは何かと便利。その場合は、タンクレスを選んだり、洗面ボウルなどもシンプルなデザインにすることで、空間をより広く見せることができます。

 

階段下のトイレ
>>この物件をもっと見る

来客用にもう一つのトイレがあれば、家族用には、階段下のデッドスペースを活用するというアイデアも。小さくても窓を設けることで、日中でも明るい空間になり、視覚的にも狭さを感じさせない効果があります。小さな洗面ボウルを個室内に設置したことで、使い勝手もアップ。天井が低めのトイレの場合は、こちらもタンクレスタイプを採用すると、空間が広く感じられます。

 

 

小さいながらも、家は家族にとって快適で、心地よい空間であるべき。そのためにも、限られた空間をどのように使うのかを、プランニングの段階でじっくり検討するといいでしょう。さらに、狭小住宅でのさまざまなアイデアを実例から参考にして、自分たちに合いそうなものを取り入れてみるのもいいですね。

このように、敷地が限れている場合は、ある程度のリクエストに応えてもらえて、間取りの自由度が高い、注文住宅での家づくりがよりおすすめです。SUHACOでは、狭小住宅の家づくりや間取りのアイデアを多く提案しています。ぜひ、オープンハウスなどで実際にご覧ください。

施工事例をもっとみる

著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。