照明ひとつでも、インテリアの雰囲気はずいぶん変わります。とくに、家の中で一番広い面積を占めるリビング・ダイニングは、どこに、どんな照明を付けるのかで迷われる方も多いのではないでしょうか。さらに、天井の高い吹き抜け空間の場合、どんなデザインの照明を選ぶと、空間がより素敵に見えるのかは悩ましいところ。今回は、吹き抜け空間におすすめの照明の種類と、それぞれの特徴や取り入れ方のコツをご紹介します。
目次
吹き抜けリビングに選びたい照明とは
吹き抜け空間で天井が高かったり、天井が勾配になっているリビング・ダイニングの場合、どんな照明が適しているのでしょうか。照明の種類とその特徴をご紹介します
<ダウンライト>
天井埋め込み式で、空間がスッキリ見える
ダウンライトとは、天井に光源を埋め込んだ照明器具のことを指します。吊り下げるタイプの照明と違い、天井に埋め込まれていてフラットになるため、空間をスッキリ見せることができるのが、ダウンライトの大きな特徴。また、デザインにクセがないので、モダン、ナチュラル、和風など、どんな雰囲気のインテリアにも合わせやすいというメリットもあります。
ペンダントライトやシーリングライトの補助的に使われることもありますが、数を増やせば、広いリビングルームなどのメイン照明としても充分に光を確保してくれます。
ダウンライトの数などは、その空間の面積によって異なりますので、設計時に提案されることが多いでしょう。目安として知っておきたいのが、一般的にダウンライト1灯あたりの明るさは、60W=1~1.3畳、100W=2畳と言われています。
ダウンライトの数を多く設置してしまうと、照明が明るすぎて、余計な電気代がかかってしまいますし、見た目にもスタイリッシュではありません。適した位置に、適した数を配置するのがベストです。このあたりは、設計士さんなどにお任せするのがいいでしょう。
ちなみに、ダウンライトには「交換型」と「一体型」の二種類があります。交換型の電球は、自分で交換することもできますが、天井が高い場合は、業者さんにお願いするのがおすすめです。一体型の場合は、電球が切れてしまったら、業者に依頼するしかありません。ただし、どちらのタイプも、寿命は10年ほどと言われていますので、そこまで頻繁に交換する機会はないと考えていいでしょう。
<スポットライト>
明るさが必要な場所を重点的に照らしたい場合に
スポットライトは、特定の場所を集中的に照らすための照明です。壁や梁などにレールを取り付けておけば、スポットライトの位置を自由に動かしたり、角度を変えることができ、光をコントロールして当てたい場所をしっかり照らすことができます。
天井が高い吹き抜け空間の場合は、天井のダウンライトと合わせて取り入れるご家庭も多いでしょう。全体を照らすときは天井のダウンライト、ダイニングテーブルなど一箇所を重点的に照らしたい場合はスポットライトと、使い分けるのがおすすめです。
また、オブジェやアートボードなど、何か際立てて見せたいときにもスポットライトを使うことができます。このような使い方をすると、インテリアにメリハリが生まれ、ちょっと素敵な空間に見えるはずです。さらに、スポットライトを壁に向けて壁を照らすことで、反射光を使った間接照明として使うことができます。このように、スポットライトは直接照明にも、間接照明にもなり、当てたいものや用途に合わせて使い分けることができるのです。
<ペンダントライト>
デザイン性が高く、インテリアのポイントにも
天井から吊り下げるタイプの照明が、ペンダントライト。「シェード」「灯具」「電球」を組み合わせて使います。コードは多少長くなってしまいますが、天井高の空間でも取り付けることは可能です。ダイニングテーブルの上や、リビングルームの中央に取り付けるご家庭も多いでしょう。
ペンダントライトの最大の魅力は、シェードのデザイン性。この選び方によって、インテリアのポイントにもなります。シェードの形や素材はバリエーションも豊富なので、選ぶものによってインテリアの印象も変わってきます。
ペンダントライトはシェードのあるなしや形状によって、明るさが異なってきます。シェードがなく、全方向を照らすタイプであれば、吹き抜け空間全体を照らしてくれます。一方で、シェードがついているタイプの場合は、天井方向を照らすことはできないので、ダウンライトや間接照明などと併用するのがいいでしょう。
シェードにデザイン性があり、ある程度存在感のあるものであれば、内装はできるだけシンプルにまとめるようにすると、インテリア全体のバランスがよくなります。
<間接照明>
全体を優しく照らし、天井に表情が生まれる
間接照明とは、照明を梁の内側などに隠し、天井や壁などに光を当て、その反射光を利用して周囲を照らす照明器具のことです。反射することで、光がより柔らかくなり、室内が温かみのある印象に仕上がります。
吹き抜け空間や勾配天井などで間接照明を効果的に使えば、部屋全体に陰影が生まれ、室内に立体感が出ます。室内をより広く見せたいときにも効果的に使える方法です。
また、飾り梁と間接照明を組み合わせてみるのもおすすめ。全く何もない天井よりも、梁と間接照明が組み合わさることで、天井に表情が生まれます。天井が高く、面積も広いリビング空間の場合、なんとなくだだっ広い空間に見えてしまいますが、天井に表情をつけることで、メリハリのある空間になります。
間接照明は、ダウンライトやペンダントライトなどと組み合わせて使うことが多いでしょう。夜はちょっと明かりを落として過ごしたい時などは、間接照明が活躍します。
<ブラケットライト(壁掛け照明)>
インテリアに個性が加わり、空間を素敵に演出
ブラケットライトは、壁に取り付けて使用する照明器具で、壁掛け照明とも呼ばれています。吹き抜けなどで天井が高かったり、勾配天井の場合は、天井のライトだけを考えるのではなく、壁面の照明も一緒に検討するのがいいでしょう。
壁に取り付ける照明器具は、デザイン性の富んだ商品が多く、選び方によってインテリアに個性がプラスされます。また、壁面に何もないよりも、照明をつけることによって、空間を華やかに演出することも。吹き抜けのリビングルームは、どうしても壁の面積が大きくなりますので、このようにブラケットライトを上手に活用するのがおすすめです。
また、壁面を照らすことで部屋に奥行きが生まれ、空間に広さを感じることができるのも魅力のひとつでしょう。
壁面に取り付けて、その周辺を照らすタイプもありますが、壁面からアームが伸びて、その先にシェードがついたタイプも人気です。天井が高い吹き抜け空間などでは、ダイニングテーブルの上を照らしたり、ソファーの上を照らすなどで、取り入れるご家庭も多いでしょう。アームを動かせば、位置を変えられるので、自由度が高く使い勝手のいい照明です。
こちらも、それぞれにデザイン性があるので、インテリアのひとつとして楽しむことができそうです。
ライフスタイルに合わせた照明選びを
照明を選ぶときには、まずは、家族がどんな暮らしをしているのかもイメージしてみるといいでしょう。夜の時間は照明を落として、リラックスした時間を過ごしたいのであれば、間接照明を多めに取り入れたり。逆に、まだお子さんが小さくてしっかり明るさを確保したいのであれば、ダウンライトとスポットライトやペンダントライトなどを併用して取り入れるなど、さまざまなパターンが考えられます。
吹き抜け空間は天井が高い分、照明の選び方には注意が必要。暮らしはじめてから、照明が暗すぎて明るさが足りない、逆に、明るすぎて照明を調節する必要が出てくることも考えられます。そうならないためにも、設計士さんやインテリアコーディネーターさんと相談しながら、自分たちの暮らしに合う、そしてシンプルで素敵に見える照明選びをしてみてください。