使いやすく、暮らしやすい家をつくるためには、「生活動線」を意識してみましょう。生活する上で室内を移動しやすいと、無駄な動きがなくなり、時短にもつながります。共働きで夫婦ともに忙しい毎日を送るご家庭や、お子さんが小さくて育児に手がかかるご家庭、高齢者の家族がいるご家庭などは、生活動線がいいと、より暮らしやすく快適な家になります。そこで今回は、生活動線がいい家の間取りのアイデアと実例を8つ、ご紹介します。
目次
- 1 暮らしやすさに重要な「生活動線」とは
- 2 生活動線がいい、間取りのアイデア&実例8選
- 2.1 <間取りのアイデアと実例①> 全身鏡や上着の収納場所を玄関先にまとめる
- 2.2 <間取りのアイデアと実例②> 玄関スペースに洗面台を設置する
- 2.3 <間取りのアイデアと実例③> 洗面所に衣類をしまえる収納棚を設置する
- 2.4 <間取りのアイデアと実例④> 中庭からもアクセスできる洗面&バスルーム
- 2.5 <間取りのアイデアと実例⑤> 家族分の衣類をクローゼットに集約させる
- 2.6 <間取りのアイデアと実例⑥> 個室と洗面所を近くに配置する
- 2.7 <間取りのアイデアと実例⑦> キッチンと洗面スペースをつなげる
- 2.8 <間取りのアイデアと実例⑧> 玄関周辺に、洗面所やバスルームを設ける
- 2.9 関連
暮らしやすさに重要な「生活動線」とは
生活動線とは、家で生活する中で、人が移動する経路を線にしたもの。たとえば、“家に帰ってきて手を洗い、服を脱いで、洗面所に行くまでの経路”や、“夜眠る前にお風呂に入り、パジャマに着替えて、寝室に行くまでの経路”など、人が暮らす中にはさまざまな生活動線があります。
ちなみに、似ているもので「家事動線」がありますが、これは、家事をする際に人が移動する経路のことなので少し意味合いが違ってきます。
この「生活動線」を意識することが、なぜ重要なのでしょうか。それは、生活動線が悪い間取りになってしまうと、何度も行ったり来たりの動線になってしまったり、大回りをすることになったりと、どうしても無駄な移動や動きができてしまうからです。逆にこの動線がコンパクトだと、スムーズな動きができて、時短にもつながります。とくに、広々とした家は誰もが憧れるものですが、広い家だからこそ、生活動線が悪いと不便に感じたり、使い勝手が悪いと感じる原因になってしまいます。
では実際に、どのように間取りを考えるのがいいでしょうか。注文住宅の場合は、間取りをプランニングする際に、設計士さんに希望を伝えることができます。その時の参考になる、生活動線がよくなるためのアイデアと実例を押さえておきましょう。
生活動線がいい、間取りのアイデア&実例8選
実際に、生活動線がいい家、生活動線がコンパクトな家はどんな間取りなのでしょうか。SUHACOの実例をご紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。
<間取りのアイデアと実例①>
全身鏡や上着の収納場所を玄関先にまとめる
玄関を通るのは、出かける時と帰ってくる時。このお宅の玄関収納には、その際に必要な設備や工夫が散りばめられています。収納の一部が大きな鏡になっていて、ここで出かける前の身だしなみチェックを。また、ジャケットやコートなどの上着類を玄関収納にしまっておけば、ここでサッと上着を羽織ってすぐに出かけることができます。
そして帰ってきた時は、上着を玄関先で収納にしまってしまえば、リビングなどに置きっぱなしにするのを防ぐことができて便利。シンプルですっきりと片付いた家をキープするためのアイデアでもあります。
さらにこちらのお宅の玄関収納は、玄関側からと、玄関の隣に作ったフリースペース側からと両方で使えるようなデザインになっています。このような作りにしたことで、フリースペース側に回って、そこで身支度をする生活動線も考えられます。外出で持って行くバッグや帽子、小物類などをここに収納しておくことができて、使い勝手もいいでしょう。
<間取りのアイデアと実例②>
玄関スペースに洗面台を設置する
感染症対策のために、外から帰ったらすぐに手洗いをするのが、最近のスタンダード。そのため、玄関先や玄関のすぐ近くに洗面台を設置するご家庭が増えています。このような間取りにするのも、生活動線のいい家にするためのアイデアのひとつです。
こちらのお宅の場合も、家に帰って靴を脱いだら、すぐに手洗いができる生活動線になっています。小さなお子さんがいるご家庭の場合は、スムーズな動線ができあがっていることで、手洗いうがいの習慣も身につくでしょう。
さらに、このような洗面台を玄関に設置することで、来客があった場合にも、ここで手を洗ってもらえるのでとても便利。プライベートな空間である洗面スペースに、来客を入れることに抵抗がある方は、このような間取りにするのがおすすめです。
<間取りのアイデアと実例③>
洗面所に衣類をしまえる収納棚を設置する
生活動線をコンパクトにするのに便利なアイデアのひとつが、洗面所に衣類が置ける収納棚を設置すること。ここに家族分の下着類やタオル、パジャマなど、お風呂上がりに必要なアイテムを収納しておくと、自分の部屋と行ったり来たりする必要もなく便利です。こちらのお宅のように、可動式のオープン棚を造作することで、家族分の衣類などをたっぷり収納することができます。
また、ちょっと広めの洗面スペースを造作家具として作ってもらうことで、ここでメイクをしたり、洗濯機で乾燥し終わった洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりすることができ、家事動線もコンパクトで快適です。
<間取りのアイデアと実例④>
中庭からもアクセスできる洗面&バスルーム
中庭のデッキに面した、明るく広々とした洗面スペース。中庭とつなげたことで、さまざまな生活動線や家事動線が考えられます。中庭でストレッチやヨガ、エクササイズをして汗をかいたら、リビングを通らずに直接バスルームに入ることができます。
さらに、朝の支度やメイクをしながら、洗濯物を回したり、洗濯物を干したりと、家事の時短にも。洗面所内に衣類の収納スペースを作っておけば、乾いた洗濯物を取り込んで、そのまま収納までこの空間で完結することができます。
<間取りのアイデアと実例⑤>
家族分の衣類をクローゼットに集約させる
家族分の衣類を一気に集約した、ウォークインクローゼット。忙しい朝に、このクローゼット内に入れば、身支度が一気に完了でき、生活動線がとてもコンパクトになります。さらに、家族分の洗濯物を各部屋に持って行くのは大変ですが、このように1箇所のクローゼットに集約されていれば、家事動線もよく、時短にもつながります。
さらに、このクローゼットを家族の個室があるフロアに配置すると、朝起きて個室から出て、すぐに着替えがに取り掛かれるので、支度がスムーズに行えます。
<間取りのアイデアと実例⑥>
個室と洗面所を近くに配置する
2階に家族の個室を配置した場合に、洗面所とバスルームを同じフロアに配置すると、より生活動線がコンパクトになります。朝起きて顔を洗ったりメイクをするのにも便利ですし、お風呂に入ってすぐ寝室に移動することも。さらに、寝室がベランダに面していることで、洗濯物を干して取り込む家事動線もコンパクトに。寝室にベランダがついていると、布団干しもしやすいメリットもあります。
<間取りのアイデアと実例⑦>
キッチンと洗面スペースをつなげる
こちらのお宅は、キッチンと洗面所、バスルーム、さらにベランダがひと続きになった間取り。キッチンに立っていると、左手には洗面所やバスルームが見えて、お子さんがお風呂に入っている最中でも、常にキッチンから見守りができて安心です。
さらに、洗面スペースにはベランダとつながるドアがあり、洗濯機で洗濯が終わったら、そこからダイレクトにベランダに出て、洗濯物を干すことができます。洗濯物を取り込むときは、今度はリビング側に取り入れて、リビングでゆっくり洗濯物を畳むこともできるでしょう。
<間取りのアイデアと実例⑧>
玄関周辺に、洗面所やバスルームを設ける
洗面所とバスルームの配置は、家族のライフスタイルによって検討してみるのがいいでしょう。一般的には、個室や寝室と近くに場所に配置すると、朝の支度や夜眠る前の生活動線がコンパクトでスムーズです。しかし、庭でガーデニングを楽しむ、ランニングや自転車が趣味、土間玄関でDIYなどを楽しむなど、アクティブなご家庭であれば、玄関を上がってすぐの場所に洗面所やバスルームがあると何かと便利です。
間取りのプランニングの際には、「朝出かけるまでの動線」「家に帰ってきてからの動線」「お風呂に入ってから夜眠るまでの動線」など、家族が家の中でどんな動きをしているのかをイメージしてみましょう。その上で、無駄な動きはないか、あまりにも不便な場所にないかなどを検討してみるのがおすすめです。すべてを理想通りに配置するのは難しいので、その場合は、優先順位を考えてみてもいいかもしれません。
ぜひ、SUHACOのアイデアと実例を参考に、シンプルで素敵な家づくりをしてみてください。