箱型の家でのシンプルな暮らし。そのメリットと5つの実例集

スタイリッシュな四角い箱型の家は、住宅街でもひと際目を引く存在。開口部が少なく、とにかくシンプルを貫いたフォルムの家を見ると、「いったい、家の中はどんな空間が広がるのだろう」と想像を掻き立てられますよね。そんな家づくりをイメージしているのであれば、箱型の家を検討してみるのもいいのではないでしょうか。そこで今回は、箱型の家のメリットやデメリット、またSUHACOが提案する5つの実例をご紹介します。

 

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箱型の家のメリットとデメリットとは

箱型の家は、真四角のキューブ型であればコロンとかわいらしく、長方体でどっしりとしていればクールな印象になるなど、デザイン面ではさまざまな印象の家にすることができます。さらにデザイン面以外でも、箱型にすることでさまざまなメリットがあるのです。家づくりをする際には、メリットとデメリットを比較して取り入れてみましょう。

 

<メリットその1>
スタイリッシュなデザインで目を引く

箱型の外観
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四角い箱型の家の魅力は、なんと言っても、外観のかっこよさにあります。さらに、開口部を極力少なくしてシンプルなデザインにすることで、外観からは生活感が極限まで排除され、室内への期待が高まるような仕掛けがされています。

切妻屋根と呼ばれる、いわゆる一般的な家らしい建物が並ぶ住宅街で、四角いフォルムの建物は印象的。家に個性を求める人には、このよう箱型の家はおすすめです。

また、「箱型の家」と言っても、外壁の色や素材によって、がらりと印象は変わります。色や素材感で外観を楽しみたいなら、デザインはシンプルに箱型にまとめるのもいいかもしれません。

 

 

<メリットその2>
凹凸が少なく、スペースを最大限に使える

ハイサイドライトがあるリビングルーム
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凹凸がなく、非常にシンプルな形なので、デッドスペースが生まれにくいという特徴があります。そのため、限られた空間を最大限に有効活用することができます。

広い土地にゆったりと建てる家であれば、多少の無駄なスペースがあってもいいですが、限られた土地の都市型住宅であればなおさら、なるべく居住スペースが広く取れる方がベストです。

 

 

<メリットその3>
建築コストを抑えることができる

箱型の家
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外観がシンプルなことで、建築コストを抑えられるというメリットもあります。建物の形が複雑だったり装飾が多いと、それだけで建築コストも高くなり、さらに施工にも日数がかかります。一方で箱型のシンプルな形であれば、コストを抑えて、日程もより短くなります。また、建物の角が少なく、外壁の面積も少ないので、材料費も抑えることにもつながるのです。

四角い家は、間取りなどのプランニングもしやすいので、場合によっては、設計料などを抑えることができるかもしれません。シンプルな間取りであれば、将来的にもリフォームがしやすいというメリットもあります。

 

 

<メリットその4>
屋上にテラスを作ることができる

屋上の写真
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箱型の家は、屋上がフラットなため、屋上空間を活用することが可能です。予算に余裕があったり、都市型の住宅で庭やテラスなどを確保できない場合は、屋上にテラスやデッキなどのスペースを作るのも手ですね。

屋上空間があることで、お子さんの遊び場になったり、洗濯物を干したり、家族のアウトドアリビングとして使うこともできます。

 

 

<メリットその5>
耐震性や断熱性など、機能性も抜群

リビングルーム
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箱型の家は、複雑な形の家に比べて角が少なくシンプルな形をしているので、柱や梁などの継ぎ目が少ないのも特徴です。継ぎ目が少ないということは、建物が安定していて、耐震性にも優れているということです。

また、余計な凹凸がなく、開口部を少なめにすることで気密性が高い家にもなります。さらに外壁面積が少ないので、外気温の影響を受けづらく、耐熱性を高めることもできるでしょう。

 

 

ただし、箱型の家にはデメリットもあります。

 

<箱型の家のデメリット>

・軒や庇がないデザインが多いので、雨風の影響を受けやすい

・軒がないことで、直射日光が室内に入って暑くなってしまうことがある

・強風時や台風が来ている時などは、屋根に雨風が直接かかり、音がうるさい

・天井がフラットなので、屋根部分の水はけが悪くなってしまう

 

このようなデメリットは、デザインを工夫することで解決する場合があります。設計士やデザイナーの方と相談するのがいいでしょう。

 

【箱型の家 実例その1】
2つの箱が組み合わさった箱型の平屋住宅

箱型の家

こちらは、箱型の平屋住宅を2つ組み合わせたユニークなお宅。2つの建物を横から見ると、1つの箱型の住宅に見えるのですが、実は2つの建物が横並びに建てられているのです。また、建物の間に中庭空間を作ることで、通りからの視線を遮り、奥側の建物は大開口が実現できます。

 

吹き抜けのリビングルーム

奥側に建つ家の扉を開けると、想像以上にダイナミックな空間がお目見え。中庭側は天井までの大開口を設けて、陽光が家全体を包み込みます。天井を緩やかな勾配にすることで、より空間が広く見える効果があります。

 

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【箱型の家 実例その2】
フラット天井で、ロフトスペースも広々

箱型の家

通り側から見ると、少しいびつな箱型住宅。開口部をできるだけ小さくすることで、生活感が感じられないようなデザインになっています。一見すると、戸建住宅には見えないかもしれませんね。基礎の立ち上がりをぐっと高くして、その上に箱型の家がのっているようなイメージ。目線をあげることで、周囲の住宅と視線に差をつける効果も期待できます。

 

リビング階段のある家

家の内部は、箱型のフラット天井を生かした二階リビングになっています。二階から上階へと階段を上がると、吹き抜けとつながった開放的なフリースペースが広がります。箱型の家は天井がフラットなので、このようなロフト空間も比較的ゆったりと広さと高さを確保することができます。

 

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【箱型の家 実例その3】
大中小の箱を組み合わせたような、平屋建て住宅

箱型の外観

ゆったりとした敷地内に建つ平屋建て住宅は、大中小と3つの箱が組み合わさったような外観デザイン。通り側の開口部は、天井に近い場所のハイサイドライトのみで、プライバシーにもしっかり配慮しています。開口部を最小限にしていることで、生活感が感じられず、家の中はどんな空間が広がっているのかとワクワクするような外観になっています。

 

リビングルームの写真

表側は閉鎖的に見える住宅ですが、室内に一歩足を踏み入れると、そこには中庭を中心とした明るい空間が広がります。家の中央には、壁で囲まれた中庭が設けられ、そこに向かってぐるりと部屋を配置。それぞれの部屋には大きな開口部が作られています。上階がないことで、箱全体が一つの空間になっているのです。

 

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【箱型の家 実例その4】
前から見ると箱型!?な、勾配天井の家

箱型の家

こちらのお宅は、通り側から見ると箱型のシンプルな家。しかし、家の中に入ってみると、天井が急勾配になっている不思議な作りになっています。その秘密は、勾配天井の家をぐるりと壁で囲んで隠しているから。そのため、通り側から見ると、シンプルな箱のように見えるのです。

箱型の家のリビングルーム

リビングルーム側から見てみると、通りから見える外壁が、デッキをぐるりと囲んでいます。この壁があることで、リビングの開口部を大きく大胆に設けることができています。また、周囲を気にすることなく、デッキでくつろぐことができますし、窓を開けっ放しにするのもOK。

一方で、外観を見てみると、玄関扉しかありません。開口部を壁の内側に集約することで、プライバシーの観点からも安心して暮らすことができます。

箱型の家は、このようなちょっとした仕掛けを楽しむことができる住宅なのです。

 

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【箱型の家 実例その5】
坂の途中にどっしり構える、横長の箱型住宅

箱型の家

傾斜のある土地に建つ、どっしりとした印象の長方体の家。家の2つの面が通りに接しているため、通行人や周囲からの視線は気になるところ。そこで、開口部は高い位置のみにして、プライバシーを確保しています。

二階建ての箱型の家は、壁の面積がどうしても大きくなってしまいます。さらに開口部が小さいということもあり、“そびえ立つ”というような圧迫感を周囲に与えてしまうことがあります。

そのため、こちらのお宅ではシンプルな外観の色や素材を採用。スッキリとした色にすることで、周囲に圧迫感を与えず、街に溶け込んでいます。

階段の写真

長方体型の家の中は、一階部分が天井高のリビングルームになっています。さらに印象的なのが、横長の建物だからこそ実現できた、空間を横断する長いスケルトン階段。この家のシンボル的存在となり、ここを上り下りしながら、家族同士でのコミュニケーションが楽しめます。

 

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箱型の家は、片流れ屋根や切妻屋根の家のように、いわゆる“住宅”らしい雰囲気とはひと味違った“個性”があります。そのため、住宅街に建っていると、ひときわ目を引く存在にもなりえます。

また、デザイン面だけではなく、空間を無駄なく活用できたり、建築コストを抑えたり、耐震性や気密性に優れていたりと、機能面でのメリットもあるのです。

もし、他の家とは少し違った“個性”を出したいのであれば、箱型の家を検討してみてはいかがでしょうか。SUHACOでは、さまざまなタイプの箱型の家を提案しています。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。