シンプルで広いリビングのある暮らし。レイアウトのコツと実例集

広いリビングは、開放的で気持ちがいいもの。広さがあるから、家具が自由にレイアウトできると思うかもしれませんが、実は広ければ広いほど、意外にもレイアウトしづらかったり、バランスが悪くなってしまったり、さらに使いづらい無駄な空間が生まれてしまう可能性があります。「家具のレイアウトが難しい」「空間が使いにくい」「殺風景なリビングになってしまう」など、のちのち間取りで後悔しないようにしっかりプランニングしておきましょう。そこで、SUHACOが提案するリビングのレイアウトや間取りの実例、設備や家具選びのコツをご紹介します。

 

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<レイアウトのコツ その①>
空間を分けてくれる、階段を中央に配置する

リビングルームの写真
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二階のワンフロアすべてをリビングにする間取りは、プライバシーを確保できる人気の間取り。しかし、ワンフロアリビングは面積が大きい分、なんとなくだだっ広く、メリハリのない空間になってしまう可能性もあります。二階リビングの場合は天井高のデザインにしていると、余計そう感じてしまうこともあるでしょう。

そこでおすすめなのが、リビングとダイニングの真ん中に階段を配置する間取り。こうすることで、緩やかに領域を分けることができるのです。ただし、リビングの中央に階段の手すりがあると、何もない間取りよりも圧迫感を感じでしまうことも。そうならないためには、手すりをシャープなデザインにすることで、空間を邪魔しないスッキリとした印象にすることができます。さらに小さなお子さんがいる場合は、安全面などをしっかり考慮する必要があります。

 


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こちらのお宅は、リビング中央の階段とキッチンの作業台を組み合わせることで、ダイニングをナチュラルに区切ることができています。このようなデザインや間取りにすると、フロア全体を回廊できる生活動線が自然とできあがります。

空間を区切ると言っても、全体で見ればワンフロアのリビングルームなので、広々とした開放感はしっかり得ることができます。このように、階段や造作の家具で区切ることで、メリハリのあるリビングづくりが実現するはずです。また、階段の手すりには安全面を考慮して網目状のデザインに。シンプルでクールな印象ですが、木の内装とバランスよく仕上がっています。

階段を中央にすることのメリットには、もうひとつあります。それは、室内での移動距離が短くコンパクトになるということ。階段を室内の一番端に設けると、反対側の端までの距離が長くなってしまいますが、階段を中央に配置することで、行きたい場所までの移動距離は短くなるのです。

 

リビングルームの写真
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階段を上がってきて左へ行くと、食事をつくり、食事をとる場所。右へ行くと、書籍に囲まれた家族がくつろぐ場所。こちらのお宅では、階段を中央に設けることで、リビングでの役割をしっかりと区切ることができています。同じ空間でありながら、階段で区切って距離を持たせることで、料理をしたり、本を読んだりと家族がそれぞれに集中することもできます。

また、このように階段で空間を区切ることで、家具の配置もしやすくなるというメリットがあります。さらに、広いリビングルームの場合は収納スペースを大きめに確保することができ、壁一面を収納扉にするなど大胆な間取りも可能に。たっぷりの収納力を備えることもできるでしょう。

 

 

 

<レイアウトのコツ その②>
窓の大きさにメリハリをつけて、空間を分ける

リビングルームの写真
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階段を上がると、驚くほどの開放感があるワンフロアのリビング・ダイニング。奥側のダイニングスペースとキッチンは、朝食に朝陽を浴びながら食事ができ、空気の入れ替えもスムーズにできるように掃き出し窓のそばに。逆にプライベートを重視したいリビングルームは、周囲からの視線をしっかりシャットアウトしつつ、程よく陽光が差し込むように。奥側と手前側では、窓の大きさや位置、役割などをしっかり区分けしています。

また、リビングルームのソファの位置を工夫すれば、ハイサイドライトからはいつでも空を眺めることができ、青空から夕暮れの空、そして夜空へと、移りゆく空の様子を楽しめます。

 

リビングルーム
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こちらは、手前側がダイニングルーム、奥側がリビングルームの配置に。ダイニングテーブルを置く場所に合わせて、横長の窓を設置することで、明るく気持ちのよいダイニング空間になっています。一方で、奥のリビングルームにはあえて大きな窓は設けず、よりプライベートな空間にしています。

たとえば夫婦共働きの場合、一緒に食べられる朝ごはんの時間だけは大事にしたい、夜は静かにできるだけリラックスしたいなど、ご家族のライフスタイルに合わせて窓を使い分けて設けることで、広いリビングダイニングを無駄なく効率的に使うことができます。

 

 

 

<レイアウトのコツ その③>
テレビとソファの配置を考えてプランニングする

大開口の家
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リビングが広ければ、家具のレイアウトがしやすいと思われている方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。空間が広ければそれだけ、レイアウトのバリエーションは増えるかもしれませんが、逆に迷ってしまうこともあります。

レイアウトしやすい間取りを考えるのであれば、まずはテレビの位置を決めましょう。さらに、それに合わせてソファの位置を配置してみます。壁に取り付けるタイプにすると、インテリアとしてもスッキリ見せることができます。

このように、間取りを考えるのと同時に、テレビの位置、ソファの位置やおおよその大きさを考えておくのがおすすめです。

 

リビングルーム
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広いリビングルームであれば、それに合わせたサイズ感の家具を選ぶのもポイント。空間の面積に合わせて、家具がある程度の大きさがないと、アンバランスになってしまいます。そこで、広いリビングで一番存在感があり、インテリアの決め手になってくれるソファ選びをこだわるってみるのがおすすめ。こちらのお宅では、大きめのカウチソファを部屋の中央に置いています。

また、ソファの前の壁には窓を設けず、最初からテレビを壁に取り付ける前提でデザインするといいでしょう。サイドから光が入る位置にするのが、テレビ視聴にもベストです。

さらに、ダイニングテーブルやソファ以外の、余白の空間が生まれたら、そこにスタディスペースや小上がりの畳スペースなどを設けるのもいいでしょう。不自然な余白が残ってしまうと、最終的に何も使えない空間のままになってしまいます。

 

 

<レイアウトのコツ その④>
畳スペースをつくって、縦長の空間にメリハリをつける

リビングルーム
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広々としたワンフロアのリビングルームは、場合によっては、間延びしてしまうことがあります。そこで、床の一部を畳スペースにすれば、空間のアクセントになり、そこに自然と家族が集まってくる場所になります。

和室をつくるとなると、それなりの広さも必要ですし、費用もかかってしまいます。しかし、床に埋め込み式の畳スペースにすることで、フラットにつくることができ、さらに畳もシンプルなデザインにこだわれば、ナチュラルになじませることができるのです。

 

畳ルームのあるリビングルーム
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こちらのお宅は、リビングルームの真ん中に畳スペースを配置。あえて、フローリングの色と畳のデザインをがらりと違う雰囲気にしていますが、琉球畳を使用することで、全体的にモダンな印象に位上がっています。

縦長のリビングルームは、家具の配置次第では、少し間延びした印象になってしまうことがありますが、畳スペースを加えることで、空間にメリハリが生まれます。畳が敷かれたリビングルームで、さらに上部が吹き抜けになっていると、床に座って寛ぐスタイルではより空間の広がりが感じられるでしょう。

 

 

<レイアウトのコツ その⑤>
存在感のあるキッチンを、広いリビングのポイントにする

リビングルーム
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開放感のあるリビングルームには、バランスのよいキッチン選びも重要です。というのも、広さのある空間にコンパクトなキッチンでは、少し寂しい印象になってしまうからです。その場合、存在感のあるアイランドキッチンを選んだり、もしくはこちらのお宅のように、I型キッチンにプラスして造作の作業台をつくるのもおすすめです。

キッチンの作業台があることで、ダイニングキッチンの配置も自然と決まり、何よりもバランスよく見せることができます。

 

リビング
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こちらのお宅は、モルタル風に仕上げた個性的なキッチンを採用。背面には木の収納棚と、異素材の組み合わせが目を引きます。天井までの大開口がある開放的なリビングルームには、このぐらい存在感のあるキッチンを合わせるのがおすすめです。

 

 

広いリビングルームは誰にとっても憧れですが、空間にメリハリがなかったり、空間が間延びしてしまったり、もしくは家具やキッチンとのバランスがいまいちだったりと、残念な間取りになってしまうことも……。せっかく広く開放感なリビングにしても、素敵に見えないのはもったいないものです。家具を搬入した後も、バランスよく素敵に見えるリビングルームにするためには、間取りを工夫したり、窓の大きさや配置を考えたり、また家具の位置やデザインに気をつけるなど、ポイントを抑えておきましょう。

SUHACOでは、開放感のある広々としたリビングルームもご提案しています。ぜひ、オープンハウスなどでご覧ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。