【シンプルな家づくり】事前に知っておきたい、キッチン・階段・洗面所の使いやすい間取り寸法・サイズ

はじめての家づくりでは、何もかもがわからないことだらけ。わからないままで進めてしまうと、後から、「ここが思ったより狭かった」「もっと低い方が使いやすかった」など、後悔する部分も出てくるでしょう。家づくりに多少の失敗はつきものとは言われていますが、なるべく後から後悔はしたくないものです。

家づくりの際に、間取り図はよく見て検討しますが、実際のサイズ感や寸法などはイメージしづらいという方も多いのではないでしょうか。ただ、実際に暮らしはじめてみると、サイズや寸法は、暮らしの中でとても影響があると感じるはずです。

今回は、とくにプランニングの前に知っておきたい、キッチン・階段・洗面所の間取り寸法・サイズについてご紹介します。

素箱(suhaco)TOPページはコチラから。

 

<キッチンの寸法・サイズ>
通路幅とキッチンカウンターの高さは、使う人に合わせて

土間キッチン
>>この物件をもっと見る

キッチンの寸法で一番気をつけたいのが、 キッチンの高さと通路幅です。

キッチンの高さに関しては、おもにキッチンを使う人の身長によって決めるのがいいでしょう。高さが合わないと、家事をしていても疲れやすいキッチンになってしまうので、注意が必要です。標準的な高さは85センチと言われていますが、 身長(cm)÷2+5cmで算出することができます。例えば、身長160センチの人であればキッチン台は85センチ、身長150センチの人であればキッチン台は80センチがいいとされています。実際に、ショールームなどで高さを体感してみるのが一番いいでしょう。

次に、キッチンの通路幅です。まずは、キッチンをどのように使うかによって、通路幅は変わってきます。普段から1人でキッチンを使うようであれば、そんなに広い幅を確保する必要はありません。その場合は、 80〜90センチ程度あれば十分と言われています。1人で作業するのに、あまり幅を広くしてしまうと、かえって使いにくくなってしまうこともあります。1人で使いやすいサイズ感にするのであれば、キッチンでの調理中に、後ろの収納からサッとモノを取ることができると、動線もコンパクトで作業がしやすいでしょう。

 

ダイニングキッチン
>>この物件をもっと見る

一方で、 家族や友人たちと複数でキッチンを使うことが多いのであれば、100〜120センチ程度の幅を確保するのがおすすめです。そのぐらいの幅があれば、1人がキッチンで作業をしていても、その後ろをもう1人が余裕で通ることができるので、2人でもキッチンを使うことができます。

ただし、 あまり幅を広く取りすぎてしまうと、家事動線が長くなってしまうので、適度なサイズで作ることが大切です。また、キッチンや背面収納に大きめの引き出しがある場合は、引き出した状態でも通路が通れるような幅にしましょう。

さらに、キッチン背面の収納のサイズも、ある程度、置くもののサイズを考慮してプランニングすることが大切です。冷蔵庫を置く位置の寸法も、余裕を持って確保するのがいいでしょう。冷蔵庫は将来的にサイズアップする可能性があるようでしたら、それを考慮して寸法を決めるようにします。

 

<階段の寸法・サイズ>
上り下りに不安があるなら、緩やかな勾配で余裕をもって

玄関にあるスケルトン階段
>>この物件をもっと見る

1階と2階など、家の中を行き来する階段も、新築時には寸法を決めなくてはいけません。階段の場合は、建築基準法施行令の規定があり、法が定めている基準は守る必要があります。法律では、 階段と踊り場の幅、蹴上(一段ずつの高さのこと)、踏面(一段ずつの踏面の奥行きのこと)、踊り場位置の4つについて、基準が設定されています。

建築基準法の最低寸法は、 一般的な住宅の場合、階段と踊り場の幅が75cm以上、蹴上が23cm以下、踏面が15cm以上と決められています。ただし、この最低寸法通りに階段を作ってしまうと、思いのほか急で、上り下りしにくい階段になってしまいます。ちなみに公共の建物の階段の場合は、もっと緩やかな勾配の階段になるように寸法が設定されており、住宅の階段が一番勾配が急な数値になっているのです。

まだお子さんが小さかったり、高齢の家族がいる、もしくは将来的に自分たちの上り下りが心配な場合は、緩やかで安心して上り下りができる階段にするのがおすすめです。

 

キッチン
>>この物件をもっと見る

上り下りがしやすい階段は、蹴上と踏面のバランスによって決まります。一般的には、上り下りしやすい階段寸法は、 蹴上の2倍に踏面を足して60cmになる寸法と言われていて、「蹴上×2+踏面=60cm」という計算式で出すことができます。この計算式で算出される 60cmという数値が、標準的な日本人の歩幅に合っているので、階段を上り下りしやすいのです。

たとえば、公共施設の緩い階段にあてはめると、15cm×2+30cm=60cmとなり、安全に上り下りができる階段であることがわかるでしょう。この寸法を一般住宅にも取り入れられれば、蹴上が15センチ、踏面が30cmとなり、誰もが安全に歩けるように配慮されていることがわかります。これであれば、安心して使うことができそうですが、その分、階段のスペースも必要になってしまいます。

もう少し 省スペースで考えるのであれば、一般的には、蹴上は18〜20センチ、踏面は20〜22センチが上り下りしやすいと言われています。

階段の幅に関しても、建築基準法で定める75cmでは、人間の肩幅よりやや大きい程度ですが、一般的には十分なサイズと言えます。また、階段の幅を広げるよりも居住スペースを確保したいということであれば、この75センチでも十分です。階段をゆったり作りたい、家族がすれ違えるようにしたい、高齢者を介助できるようにしたいなどの希望があれば、1m程度の幅にすると、かなり余裕のある階段になるでしょう。

また、スケルトン階段などのデザインにすると、壁に囲まれた階段と比べて、同じ幅であっても開放感が感じられます。

 

<洗面所の寸法・サイズ>
家族の人数や身長に合わせて、使いやすいサイズに

洗面所
>>この物件をもっと見る

洗面所のサイズを考える場合は、洗面所でどのような使い方をするのかをイメージすることが大切です。また、家族の人数、朝に洗面所を使う人がバッティングする可能性などを考えて、余裕を持ったプランニングをする必要があります。

注文住宅での家づくりであれば、洗面所も造作することができるので、希望に合わせてサイズを決めることができるでしょう。家族が多いご家族であれば、ダブルボウルで作ることも可能です。そこで、まずは洗面所が使いやすい、基準となる寸法やサイズを知っておきましょう。

 

ランドリールームの画像
>>この物件をもっと見る

洗面台のサイズは、間口(幅)・高さ・奥行きの3点が重要になります。 洗面台の間口は60センチ、75センチ、90センチが一般的ですが、この選び方は洗面所の広さにも関わってくるでしょう。実際にショールームなどで確認してみるとイメージしやすいです。

洗面台は、既製品の場合はサイズが決まっていますが、注文住宅の場合は、その家その家でサイズを変えて作ることができるのがメリットです。洗面所のサイズや、洗濯機やまわりの収納との兼ね合いで、サイズを決めることができます。また、洗面ボウルも好きなデザインのものを選んで、造作の洗面台と組み合わせることも可能です。

また、使いやすい洗面台にするには、洗面ボウルの縁までの高さも意外と重要になります。洗面ボウルまでの高さが低過ぎてしまったり、逆に高過ぎてしまうと、顔を洗う動作が体に負担になってしまいます。そこで、基準となる高さの算出法を知っておきましょう。 理想的な洗面ボウルまでの高さは、身長÷2と言われています。ただし、家族によって身長はそれぞれだと思うので、家族の平均的な身長で考えてみるのもいいですね。お子さんがいる場合は、踏み台などで調節するようにします。

洗面台の奥行きは、一般的には40〜60センチと言われています。洗面ボウルの選び方や、洗面所の動線にも関わってくるので、使いにくくならないような奥行きにするようにしましょう。

 

注文住宅での家づくりでは、寸法やサイズはある程度、自由に設定することができます。ただし、 自由に作れるからと、何も考えずに作ってしまうと、動線がかえって悪くなったり、使いにくいものになってしまいます。使いやすく安心して使える基準の寸法やサイズを知っておき、ご自身の家族のサイズ感や状況に合わせて、臨機応変に作っていくのがベストでしょう。迷った場合は、設計士さんやプランナーさんに相談したり、ショールームなどに足を運んで、実際に寸法やサイズ感を体感してみることも大切です。

 

素箱(suhaco)TOPページはコチラから。

施工事例をもっとみる

著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。