シンプルモダンな家での暮らしには、スッキリと片付けられる工夫が必要です。そのためには、家族のライフスタイルに合わせて使える、オリジナルの造作家具が最適。造作家具を上手に活用すれば、収納力のある家づくりが可能であり、さらにデザイン性も重視できるなどのメリットもあります。そこで、シンプルライフにぴったりの、収納充実な造作家具の選び方のコツをご紹介します。
目次
家族に合った収納量を確保するには、注文住宅が最適!
「収納」の目的は、物の定位置を設けること。収納の量と、持っている物の量が合っていないと、部屋が散らかる原因にもなります。また、物の定位置があることで、自然と部屋も片付いていくもの。シンプルで気持ちのよい暮らしをするためには、収納を充実させることが必要なのです。
しかし、そもそも家族ごとに、持っている物の量はさまざま。さらに、家族構成やライフスタイルも違います。建売住宅やマンションなど、収納の大きさや種類、位置がすでに決められてしまうと、どうしても家に合わせて暮らさなくてはいけません。
シンプルで心地よい暮らしを求めるなら、家族に合わせて収納を設けられる、注文住宅での家づくりが最適です。注文住宅であれば、家族の暮らしに合わせた収納をオリジナルに造作することができます。
見せる収納と隠す収納を使い分けて、メリハリをつける
収納には大きく分けて、“見せる収納”と“隠す収納”があります。見せる収納は、扉のないオープンのままのシェルフや飾り棚のような造作家具が挙げられます。たとえば、好きなオブジェや花器を飾ったり、写真集や洋書などをあえて見せたりといった、インテリアとしても楽しむ場合が多いでしょう。ただし、シンプルな暮らしを求めるなら、見せる収納ばかりにしてしまうと、室内が雑然とした印象になってしまいます。
扉のない収納棚の場合は、取り出しやすく片付けやすいというメリットがあり、また扉のあるタイプよりも空間に圧迫感を与えず、室内が開放的に感じるなどの効果もあります。ただし、しまい方や飾り方によっては汚く見えてしまうこともあり、また埃がたまりやすいのでこまめな掃除が必要になります。
一方で隠す収納とは、扉のある収納家具だったり、大きな扉で一気に隠せる収納スペースのこと。扉があることで、急な来客があっても生活感を一気に隠すことができ、空間を常にスッキリ見せることができます。ただし、扉があることで、何をどこに収納しているのかを把握しづらい、物を出したりしまったりするのに少し手間がかかる、空間が圧迫されるなどのデメリットはあります。
見せる収納と隠す収納は、何を収納するのか、どんな場所に設置するのかによって、メリハリをつけて選ぶのがいいでしょう。
シンプルモダンな家だからこそ、収納もデザイン性にこだわるべき
注文住宅で収納家具を造作する最大のメリットは、インテリアと統一感を出せること。これは、使用する素材を内装と合わせて選べたり、統一したデザインにすることによって、室内との一体感が生まれます。既製品の収納家具では、どうしても素材を揃えることができなかったり、サイズがピッタリとはいかないので、無駄なスペースが出てしまう場合があります。また、造作家具であれば、自分たちの物の量やサイズに合わせたり、設置する位置も自由に選ぶことができます。
では、家具を作る場合は、どのようにオーダーするのがいいのでしょうか。造作家具は、注文住宅を依頼する会社のインテリアコーディネートがデザインを提案してくれる場合が多くでしょう。また、施主側からリクエストすることも可能で、こんな造作家具を作って欲しいという依頼をすることもできます。その場合に、インテリア雑誌の写真を見せたり、PinterestやInstagramなどで見つけた写真などでイメージを伝えるのもスムーズです。さらに、そこに収納したい物のサイズを実際に測っておき、それを伝えるのもいいですね。
注文住宅での造作家具をせっかく作るのですから、自分たちの希望に近いデザインや、収納する物のサイズにフィットした収納が理想的です。
収納は多ければいいものでもない!ときには手放すことも必要
注文住宅では、収納が自由に作ることができるといっても、収納は多ければ多いほどいいというものではありません。収納が多くなってしまえば、それだけ居住スペースが小さくなるか、もしくは家自体の面積を大きくしなければいけないからです。
シンプルな暮らしは、室内が片付いていてスッキリ見えるということだけではなく、必要な物だけで心豊かに暮らすという意味もあります。自分に本当に必要な物を選び、不要なものは手放すことも、ときには必要です。
たとえば、何か物を新しく買うときは、今まで使っていた物を手放す…。新しく買う物が入る定位置を確保してから買う…など、自分の中でルールを作るといいでしょう。定位置を確保できずに購入してしまうと、その分の収納スペースがないまま、結果的に散らかる原因になってしまいます。
さらに、収納スペースには100%フルに物が入っている状態は理想的ではありません。常に8割ぐらいの量に止めておき、臨時的に収納しなければいけない物のために、スペースは取っておきましょう。これも、部屋が散らからないためのアイデアです。
上手に活用できている、収納充実の造作家具の実例集
シンプルモダンな家づくりでは、オリジナリティのある造作収納が上手に活用されています。どんなアイデアがあるのか、ご紹介しましょう。
こちらのお宅では、洗面所の奥に収納空間を確保。たっぷり目のオープンシェルフを設けて、家族の衣服を置いたり、洗剤類などが収納できるようになっています。窓のないクローズドな空間のため、安心して着替えができるようになっています。
壁一面を可動式の造り棚にしたこちらのお宅。造作家具であれば、本のサイズに合わせることができますし、無駄なスペースも生まれません。何より、インテリアとの統一感もあり、シンプルモダンな暮らしにぴったり。また、地震での転倒などの心配もなく安心です。
見せる収納と隠す収納をバランスよく配置した、こちらのお宅のキッチン。リビングからもよく見えるアイランド型のオープンキッチンは、いつでもキレイに片付けられるような仕組みをあらかじめ作っておくことが大切です。
室内の雰囲気に合わせて、希望の素材や色の収納を実現できるのが、造作家具の魅力。こちらは、壁の色に合わせて、クールな印象の扉付き収納を設置しています。工具などのアイテムに合わせて作ったことで、整理や片付けがしやすくなりますね。
子供部屋の入り口などに、ジャストサイズのオープンシェルフを設置。毎日頻繁に出したり入れたりするものは、扉付きでないシェルフが便利です。また、本棚やおもちゃの定位置として活用すれば、この空間がプレイルームに変化します。このように、目的や用途に合わせて作ることができるのも、造作家具のメリットです。
天井までのフルフラットな収納は、相当な収納力を確保しながらも、空間を圧迫せずにすっきり見えます。シューズクロークとしてはもちろん、アウトドア用品や非難グッズなど、さまざまなものを収納することができます。シンプルモダンな家の玄関スペースには、このようなシンプルな収納がお似合いです。
家族のライフスタイルや目的に合った収納があることで、その空間がより使いやすくなり、心豊かな暮らしが実現できます。また、内装と素材を統一できたり、収納する物の量やサイズに合わせてオーダーできるのも、造作家具の魅力です。
SUHACOの家づくりでは、間取りや内装デザインと同じように、その家族ごとに必要な収納をしっかり確保することも大切にしています。その家ごとに工夫された、オリジナリティのある造作収納をぜひご覧ください。
文/内田あり