【シンプルな家づくり】使いやすくて素敵に見せるための、玄関レイアウト&デザインのコツ

玄関は、家を訪れた人が最初に入る空間。この場所が素敵であるかどうかが、その家を印象づけると言っても過言ではありません。明るく開放的で、スッキリと見える玄関は、これから先にどんな素敵な空間が広がっているのかを想像させるでしょう。

しかし、都心部の住宅密集地などに家を建てる場合は、玄関に十分な広さを確保できない場合も多いもの。また、明るさを確保できないこともあるでしょう。そんな限られた条件の中でも理想的な玄関にするためには、レイアウトやデザインにちょっとしたコツが必要になります。そこで今回は、SUHACOが提案する、素敵な玄関レイアウトのコツをご紹介します。

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大容量の収納力を備えながらも、スッキリ見せる

玄関をキレイにキープしておくためには、必要な量の収納を用意することが大切です。靴が収納に入りきれずに出しっぱなしになっていたり、いつの間にかモノが置いてあるのが当たり前になってしまうと、どうしても雑多な印象になってしまいます。これでは、家の顔でもある玄関が台無しに。そうならないためにも、収納の量を把握し、それに見合った十分な収納を用意しましょう。

ただし、収納をただ単に大きく取ってしまっては、玄関スペースがその分、狭くなってしまうだけ。できるだけ空間を狭く見せずに、大容量の収納を設けるためには工夫が必要になります。

玄関
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たとえばこちらの玄関収納は、足元から天井ギリギリまで、まるで壁のように見えるフラットな収納になっています。取っ手もあえて作らず、デザイン的に凹凸がないので、圧迫感を感じさせません。また、大人の背ぐらいまでの低い位置の収納と、天井に近い高い位置の収納で分かれたデザインにすることで、よく使うものとたまに使うものを分けてしまっておくこともできます。

さらに、収納の下を浮かせたことで、いつも使っている靴をサッとしまっておくことも。足元に隙間があると、限られた空間でも多少の広さを感じることもできます。

玄関
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こちらの玄関は、かなり細長いスペースに作られているため、左右の壁によって圧迫感があります。そこで、収納を床から浮かせた位置に設置し、さらに上がり框を浮いたデザインにすることで、限られた空間をできるだけ広く見せる工夫が施されています。さらに壁一面をシューズクロークにせず、一度収納を途切れさせて、あえてそこに窓を設置。このデザインによって玄関に光が入り、空間に広がりが感じられます。

 

目線が奥まで通ると、抜群の開放感が得られる

玄関はどうしても閉鎖的な空間になってしまいがち。しかし、レイアウトや間取りを少し工夫すれば、奥まで視線が通り、実際の面積よりも広く感じられることがあります。また、できるだけ窓を設けて目線を外まで広げることで、開放感が感じられる空間にすることができます。

中庭に続く玄関ホール
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たとえばこちらのお宅は、玄関の扉を開くと、その先には廊下が続き中庭へとつながる間取りになっています。このようなレイアウトにすることで、玄関がずっと先まで続いているような感覚になり、空間に想像以上の広がりを感じられるはずです。

また、中庭とつながる扉や窓があることで玄関内に光が差し込み、気持ちのよい空間にすることができます。風通しもいいので、湿気がこもりやすい玄関も、快適に使うことができるでしょう。

玄関の写真
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こちらのお宅は、玄関の先に洗面所を配置し、その真正面に窓を設けています。洗面所の扉を開けておけば、このように明るく、そして空間を広く見せることも。逆に生活スペースを隠したければ、扉をさっと閉めることでスッキリ見せることもできるでしょう。

また、2階へ上がる階段をスケルトンタイプにすれば、上階からの光と風が階下まで届き、気持ちのよい空間に。さらに、階段の下を有効活用できるように、土間スペースを奥まで延長しています。そこに自転車やバギーなど乗り物を置いたり、植物やオブジェを飾ったりすることもできます。

 

タタキに遊び心を加えて、印象的な空間にする

タタキの形は、何も一直線じゃないといけない、というわけではありません。その家その家に合った形でいいはず。そこに、個性を加えることだってできますよね。そしてデザイン性の問題だけでなく、タタキの幅を長くすることで、来客がたくさんあった際にも靴の脱ぎ履きがスムーズにできるというメリットも生まれます。

また、デザイン性を加えることで、印象に残る玄関にすることも。個性的な玄関にしたいという場合は、タタキのデザインを工夫してみるのもおすすめですね。

上がり框がユニークな玄関
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たとえばこちらのお宅は、タタキを斜めに大きくカット。グッと目を引きつける個性的なデザインになっています。このようなデザインにしたことで、靴を脱ぎ履きできるスペースがグッと広がります。お客さんには好きな場所でゆっくりと靴の脱ぎ履きをしてもらえますし、家族で一斉に出かける際にも、ゆとりを持って準備ができそうです。また、上階からの光も差し込むことで、明るく広々と感じられる玄関になっています。

ワークスペース
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こちらの玄関、実はタタキの左側に小上がりのような小さなスペースがある、ちょっと変わった間取りに。土間玄関と続いていることで、ここで自転車のメンテナンスをしたり、DIYを楽しんだりと、さまざまな使い方ができそうです。このように、プラスαのフリースペースを設けることで、玄関の役割も変わってきますね。

 

空間を区切らず、土間スペースとして活用する

現代の住宅で玄関といえば、靴を脱ぎ履きするという目的が大きく、居住スペースとは別に「玄関」という空間で区切られているお宅が多いのが現状。でも最近では、昔ながらの日本家屋のように、外と室内をつなぐ土間空間を活かすような間取りも人気になってきています。

1階に土間のある家
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たとえばこちらのお宅は、玄関の扉を開けると、そこは広々とした土間スペースのある贅沢なつくり。ワンフロアの作りになっていて、そのほぼ半分が土間になっています。土間はワイドな掃き出し窓で庭とつながっているので、ここで植物の手入れをしたり、DIYを楽しんだり、自転車やバイクいじりなどもできますね。さらにタタキを上がると、洗面スペースやバスルームなどがあるので、外から帰ってきてすぐに手を洗ったり、お風呂に入ることも。

ここは玄関というよりは、ワンフロアの土間スペース。現在はフリースペースになっていますが、将来的にはさまざまな使い方が考えられる間取りです。

玄関
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玄関扉から室内に入ると、建物の一番奥まで続く長い長い土間玄関。そして、そこからダイレクトにリビングルームへとつながる、まさにワンフロアのダイナミックな間取りです。このように、上り框が非常に長いので、どこで脱ぎ履きしてもOK。もちろん、大勢の来客があっても安心です。

家のどこにいても、誰かが帰ってきた様子がいつでも見られる、家族のコミュニケーションが深まる家と言えそうです。

 

玄関を常にスッキリと片付けておくと、遊びに来たお客さまはもちろんですが、帰ってきた家族も気持ちよく迎えることができます。シンプルな暮らし、ていねいな暮らしを求めるのであれば、まずは玄関から素敵にしてみてはいかがでしょうか。

SUHACOの玄関は、スッキリと見せながらも大容量の収納を確保したり、さまざまに活用できる土間玄関にしたり、スケルトン階段を採用して上階から明るさを取り入れたりと、さまざまな提案をしています。ぜひ、オープンハウスでご覧ください。

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。