家づくりをするときに、間取りや内装などに目が行きがちですが、実際に暮らしてみると、意外と目が行くのが”天井”です。リビングのソファにゴロンと座ってみると、天井や天井近くの窓がよく見えます。また、室内の写真を撮ってみると、天井が室内全体の雰囲気を決めていることがわかります。そこで、SUHACOの家の天井デザインを例に、どんな雰囲気づくりができるのかをご紹介しましょう。
目次
天井の形状や種類は、おもに4種類
まずは、天井にはいくつかの形状があることを知っておきましょう。家の間取りや内装に合わせて、効果的に天井を選ぶのがおすすめです。
<平天井>
天井の種類の中でも、もっともシンプルな形が平天井。名前の通りに、天井面が平らになっています。一階がリビングで、二階に個室がある間取りの場合は、リビングの天井は平天井になることが多いでしょう。コストも他の形状に比べて抑えることができます。
<勾配天井>
傾斜している天井のことを勾配天井、傾斜天井、片流れ天井などと呼びます。おもに、屋根の形状を生かし、二階リビングや吹き抜け部分の天井などで採用される屋根です。勾配天井にすることで空間に開放感が生まれ、さらに、高い位置に窓を設けることもできます。
<下がり天井>
天井の一部分が下がっている形状なのが、下がり天井。たとえば、キッチンやダイニングルームなど、換気フードやテーブルの上の照明を設置するために、あえて下がり天井にすることがあります。また、吹き抜けのある空間は開放感がありますが、リビングの一角にあるダイニングルームや和室ルーム、プレイルームなどは、天井が低いほうがかえって落ち着く場合もあります。
<折り上げ天井>
天井の中央部分を、まわりよりも一段高くした天井のことを、折り上げ天井と言います。空間を広く見せる効果があり、リビングルームやダイニングルームで採用されるほか、寝室や和室などでも用いられる種類です。
天井の形状は、建築士やインテリアデザイナーからの提案によるところが大きいですが、実際にいくつかの種類があることを知っておくことは大切です。天井にさまざまな形状があることがわかったら、次は、梁の効果や素材の選び方を知っておきましょう。
オール木材にすることで、優しい印象に
天井は選ぶ形状と、梁の使い方、その素材によってデザインされます。形状は、機能的な役割を果たしたり、空間に開放感を出したりします。一方で素材選びは、空間の雰囲気づくりの決め手になります。
たとえば、こちらのお宅では、明るく若々しい木の質感を生かした天井に。天井全面に木を貼ると、木の分量が多くなり、空間が重くなりがち。しかし、節なしのナチュラルな木材を使うことで、こんなにスッキリとシンプルな雰囲気に仕上がります。天井ギリギリまであるハイサイドライトからは、家の奥まで光が届き、光が入ることで木の質感がさらに際立っています。
天井の素材は、フローリングとの相性も重要。明るめのフローリングに合わせて、天井の素材も選んでみましょう。統一感を出すことで、空間がより明るく開放的に感じられます。逆に、少し違った木目や色を選ぶと、天井がちょっとしたアクセントになり、遊び心が感じられます。
インテリアに合わせて、空間を落ち着いた雰囲気にしたいのであれば、あえて濃い目の木材を天井に使うのもいいでしょう。床の色よりも、天井の色をワントーン濃くすることで、ナチュラルでありながらも落ち着きのある印象になります。太い梁は節ありのタイプを採用し、表情の変化を楽しんでいます。
白のクロスに化粧梁で、清潔感を演出
室内の明るさを重視するのであれば、天井には白いクロスを採用するのがおすすめです。ただし、大きな空間で白いクロスのみになってしまうと、平面ばかりで空間に変化がなくなってしまします。そこで、連続性のある細めの梁をつけることで、空間にリズムが生まれます。また、室内に白の分量が多いと、窓から見える緑がより映える効果も。
リビングルームなど広い空間ではなく、ある程度限られた空間であれば、できるだけ白い面積が大きい方が、空間が広くスッキリと見える効果があります。化粧梁の太さもできるだけ細く、凹凸が少ないものの方が、より効果が大きいでしょう。
リビングルームの天井にスッと伸びる梁は、空間に奥行きを感じさせる効果があります。化粧梁は、ただ飾りとしてつけるだけではなく、このように空間を縦に長く見せたり、凹凸があることで立体的に見せるなどの目的があることも知っておきましょう。
梁を大胆に見せることで、温もりのある空間に
このような急勾配の天井であれば、その構造上、梁が見えるデザインになります。そこで、見せる梁を生かしたダイナミックな天井にするのもおすすめ。少し濃い目のフローリングに、節ありの太めの梁を合わせると、ログハウスっぽいナチュラルな空間に仕上がります。
壁にも天井にも、梁をあえて細かく見せるデザインは、カジュアル感があり目を引きます。木の分量を多くすることで、温もりのある雰囲気にすることができます。梁は年月とともに色が変化していき、室内の雰囲気も少しずつ変わっていくのが楽しめます。
間接照明で、木の質感が楽しめるデザイン
昼間の明るい雰囲気もいいですが、夜は間接照明でムーディーに演出するのも素敵。天井に向けて設置した間接照明で、木の天井が柔らかく浮かび上がります。
勾配天井と下がり天井を組み合わせた天井デザイン。キッチン部分を下がり天井にしたことで、換気扇フードを取りつけたり、ダウンライトを設置することができます。また、リビング側は勾配天井になっていて、連続性のある化粧梁が設けられています。オレンジ色の間接照明を使ったことで、温かみのある印象に。
天井が複雑な形なら、梁はアクセント程度に
吹き抜けと下がり天井でデザインされた、リビング・ダイニングの空間。基本的には白のクロスで統一しながらも、ところどころに梁を見せていて、それがいいアクセントになっています。凹凸の多い複雑な形をした空間になっているので、素材自体をシンプルなものでまとめて、形状の面白さを引き出しています。
梁は最小限にし、シンプルでモダンな天井
モダンな空間に仕上げたい場合は、天井に化粧梁をつけずに、シンプルなデザインにするのがおすすめです。天井の木目も、あまり個性の強いものを選ばずに、マットでシンプルなものがいいでしょう。ちょっとしたアクセントに、あえて梁を残すのも素敵です。グレーのフローリングと木の天井の組み合わせは、意外性があって個性が光ります。
個室なら、遊び心とデザイン性を持たせる
個室の天井には、ちょっぴり個性を出すのもいいでしょう。こちらのインナーガレージは、ブルーグレーの壁が印象的。天井の一部を壁と同色にし、ワイルド感のある節ありの木材を天井に使っています。部屋の用途に合わせて素材を選んだり、素材次第では予算を抑えることもできます。
個室の天井デザインは、個室の用途によって考えてみましょう。子ども部屋にする場合は、子どもたちの成長や趣味に合わせて、室内に置かれる家具やファブリック類などが年月とともに変化していきます。どんな色やデザインにも合わせやすいように、天井はシンプルにするというご家庭も多いでしょう。
天井の形状や化粧梁の活かし方、素材の選び方によって、空間の雰囲気は大きく変わります。もちろん構造上の関係で、できることは限られますが、そんな中でもこだわりの天井を見つけてみてください。
SUHACOでは、ご希望に合わせた家づくりを提案しています。ぜひ、オープンハウスで実際にご覧ください。