シンプルな家は、内装の素材やアイテム選びが決め手。家づくりの参考にしたい実例集20選

家を建てるなら、丁寧でシンプルな暮らしがしたいーー。そんな思いで家づくりをはじめる人も多いでしょう。でも、シンプルな家とは具体的にどんな家を指すのでしょうか。その答えは人それぞれですが、そのひとつは、暮らす人が心地よく過ごせて、使いやすく片付けやすい仕組みができていること。そのために、注文住宅で家族のライフスタイルに合わせた家づくりをするのがおすすめです。そこで、シンプルな家づくりのために参考にしたい、内装や素材、アイテム選びの実例集をご紹介します。
 

シンプルな家とは、暮らしやすい仕組みを作ること


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“シンプルな家”とは、どんな家を想像しますか? あまり物を置かず、いつもスッキリと片付いている家、無駄がなく生活感がない家、木の温もりが感じられるナチュラルな雰囲気の家、モノトーンで統一された家…。シンプルな家の捉え方は、実は人それぞれ。大切なのは、その空間にいて心地よく、心豊かに過ごせるかどうか。そして、暮らしやすく片付けやすい仕組みができているかどうかです。

そこで注目すべきは、注文住宅での家づくり。間取りや設備がある程度決まっている建売住宅では、できあがった家に家族が合わせることになります。しかし、それでは無駄な部分が必ず出てきてしまうことに。そこで、プランニングの段階から家族に合わせた家づくりをすれば、できるだけ無駄が省かれ、本当に必要なものだけで暮らすことができるのです。それが、シンプルな家でのシンプルな暮らしと言えるのかもしれません。

収納やキッチンまわり、洗面所なども同じことが言えます。既製品だけでは、不要な部分と必要な部分がどうしても出てきてしまうもの。だったら、最初から必要な要素だけで作ってしまえばいいのです。そういった点からも、注文住宅でオーダーできる造作家具は、シンプルな家づくりに最適なのです。
 

床や壁、天井の素材選びはバランス感が肝心!

内装の素材を選ぶのに、誰もが迷うのが床や壁の素材です。というのも、この素材選びによって、室内の雰囲気はだいぶ決まるものです。シンプルな家づくりをするのであれば、どんな素材を選べばいいでしょうか。


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木目や節の多い木材を使うと、シンプルな内装から少し離れてしまうことも。ただし、分量に注意をすれば、こんな素敵な空間になります。それは、木と白い壁部分の分量をよく検討すること。よりシンプルにするなら白の分量を多くし、温かみを追求するなら、木の分量をやや多めに。扉を木製にするか、白でスッキリ見せるかによっても、ずいぶんと雰囲気が変わります。


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ライトグレーのクロスにすることで、全体的にクールな印象に。天井にはアクセントとなる化粧梁を設けて、空間に力強さをプラスしています。キッチンスペースは床材をタイルに変えて、メリハリをつけています。

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クロスの色選びは、なかなか悩ましいもの。少し強めの色を選ぶのは、なかなか勇気が入ります。もし、リビングルームと雰囲気を変えたいのであれば、個室やこちらのお宅のようにインナーガレージの壁で取れ入れてみるのも手。ブルーグレーの壁は、クールな印象に仕上がります。壁に合わせて作った造作収納が、インテリアとマッチしていますね。


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フローリングや天井、梁などがそのまま見えたような、無機質でシンプルな空間。グレーの大き目タイルを採用することで、広々とした印象を与えます。あえて梁を残すことで、空間のアクセントにもなっています。


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スキップフロアのように上下につながる踊り場空間。上から見ると、フロアごとにフローリングの色を変えるという、ちょっとした遊び心が加わっています。ただし、壁や扉を白に統一しているので、不思議とごちゃごちゃ感はありません。
 

造作家具・収納はライフスタイルに合わせて

家具や収納は、家をスッキリ片付けたり、生活感を出さないようにするためのもの。その収納量や設置する位置は、家族によって違うのは当たり前でしょう。家族に合わせるなら、造作の家具や収納がベスト。そこで、さまざまな収納アイデアをご紹介します。


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広めのウォークインクローゼットには、アイテムに合わせて棚を可動できる収納棚を設けています。夫婦でそれぞれが使いやすいように、左右対称に設計されています。


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リビングルームには大きめの収納があり、半分はパントリーのように使い、もう半分はロフトへ上がるための梯子が収納されています。用途が違ってもデザインを揃えることで、バランスの取れた空間に仕上がっています。


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家族ごとにたっぷり目の収納ボックスを用意した、この家ご自慢のウォークインクローゼット。同じ空間にありながら、それぞれの個人スペースが確保されているので、着替えなどもしやすいのもポイントです。


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天井まである収納は、シューズだけでなく、アウトドアグッズやアウターなどを収納することができます。フルフラットに仕上げているので、空間がすっきりと見えます。


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天井までいっぱいに作られた、可動式の造り棚。既製品の場合は、サイズが合わないということもありますが、造作家具なら無駄なスペースができず、家族に合わせた分量やデザインにすることができます。転倒の心配もないので、地震対策でも有効です。
 

造作キッチンはデザイン性と使い勝手を重視

キッチンスペースは、リビングダイニングに入ると自然と目がいく場所。インテリアともよくなじむ造作キッチンこそ、シンプルライフには欠かせません。ここでは、造作キッチンのアイデアをご紹介します。


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I型のシンプルなシステムキッチンの向かい側には、ワイドな造作カウンターを設置。作業台としてはもちろんのこと、食器やキッチンアイテムを収納したり、さらにはダイニングとキッチンを仕切る役割もしています。天板を木製にすることで、家具のように内装となじんでいます。


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キッチンの背面には、扉付きの大型収納。中には既製品のラックがきっちり入るように設計されています。造作収納であれば、お気に入りのアイテムに合わせて作ってもらうことも可能です。使うときはオープンに、扉をすべて締めれば生活感を隠しておくことができます。


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I型のキッチンを外側に向けて設置し、ダイニング側からも食器などが出し入れできる作りになっています。キッチン背面の収納を低めにすることで、リビング側から見たときに生活感を感じさせません。


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フローリングの色に合わせて作られたキッチンの作業台は、まるで家具の一部のように見え、周囲のインテリアともよくなじんでいます。ダイニング側に少しくぼみのあるデザインになっているので、椅子などを置けば、軽い朝食が取れるカウンターとしても活用できます。


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キッチンとダイニングテーブルくっつけて使えるように、設計された造作キッチン。大人数の来客があったときは、テーブルを離して使えるようにしておけば、より使い勝手が上がります。床の仕上げを変えることで、自然に空間を分けています。
 

清潔感と使いやすさが鍵になる、造作洗面

洗面所は家族が毎日使う、もっともプライベートな空間です。だからこそ、みんなが使いやすいように、家族のライフスタイルに合わせて洗面を造作するのがベスト。そのように作った洗面所は、片付けやすくもあり、いつでもキレイをキープすることができます。つまり、それがシンプルな暮らしへとつながるのです。そこで、造作洗面のデザインをご紹介します。


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朝は混雑しがちな洗面スペースですが、洗面台を思いきりワイドにすることで悩みを解消。無駄なスペースになりそうな反対側の壁部分に腰高の一枚板を取り付けたことで、洗面所の使い勝手が格段にアップしています。


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洗面スペースをより落ち着いた雰囲気にするために、グレーの壁と間接照明を採用。鏡の背面を利用した収納や、洗濯機上の棚など、コンパクトながらも使いやすさを重視した洗面所になっています。


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洗面台や収納などをすべて白で統一することで、明るく清潔感のある空間に。鏡下に貼られたグレーのタイルや、壁に取り付けられた水栓の選び方など、至るところにセンスのよさが感じられます。デザイン性を考慮しながら、掃除がしやすい床材や設備を選んでいます。


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大きな開口部のある洗面スペースは、明るく清潔感があります。縦長の空間を上手に利用して、片側はワイドな洗面台を。もう片側は可動式の棚を作って、たっぷり目に収納スペースを確保しています。


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床材と洗面台の素材を合わせることで、シンプルでナチュラルに仕上げられた洗面スペース。裸足で歩いても、気持ちのよいものです。木材は薄めの色を選んだことで、空間がパッと明るく感じられる効果も。ワイドな洗面台にしたことで、朝の慌ただしい時間帯も快適です。
 
注文住宅で家づくりをする場合は、ある程度自由度が高いので、素材にこだわったり、造作家具を上手に取り入れることができます。シンプルな暮らしを望むのであれば、家族みんなが使いやすくて、それでいてデザイン性もシンプルな素材選びや造作家具選びをしてみましょう。実際にプランニングの段階では、希望の雰囲気の実例写真などを見せれば、スムーズに希望が伝えられますよ。

文/内田あり

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著者情報

秋 慎一郎

秋 慎一郎 監修:一級建築士 秋慎一郎 /L・DESIGN建築設計事務所

「プライバシーの守られた開放的な空間」
「季節の移ろいを感じられる心地良い住まい」
をコンセプトにして、設計活動をしています。
コートハウス(中庭型住宅)の設計を多く手掛け、
「光」や「風」を考慮した、家族と穏やかに過ごせる「住まい」を提案しています。